辞任の意向を決めたと臨時ニュースがあった!
そこで調べてみた!
情報伝達手段のマスメディアの責任を検証しなければ!
舛添都知事/もはや辞任しかあるまい
産經新聞/2016/6/15 6:00
http://www.sankei.com/column/news/160615/clm1606150002-n1.html
舛添要一都知事は、もうお辞めになってはいかがか。首都の顔としてこれ以上、その座に居続けることは見苦しく、不適切である。
最大の理由は、すでに自身が繰り返し述べている。「私自身が非常に信頼を失っている」という事実に尽きる。信を失った政治家には、何を求めてもむなしいばかりだ。
孔子の説いた「民無信不立(信なくば立たず)」は、為政者の心構えを示したものだ。中国通の舛添氏が知らぬわけはあるまい。都民の信頼を失っていることを自覚するなら、地位にしがみつくべきではない。
舛添氏は都議会総務委員会の集中審議でも、自らに向けられた数々の疑惑について、明確な説明を拒否した。
平成25、26年の正月に千葉県内のホテルに家族とともに宿泊し、会議名目で政治資金から支出した問題に質疑は集中した。
会議の相手とする「元新聞記者の出版社社長」の名については「政治家としての信義、機微にかかわるところは答弁をご容赦願いたい」と答弁を拒み、「これから政治家として続けていくには基本的な信義則を守らないといけないという認識だ」とも述べた。
他の疑惑についても同様の答えを繰り返した。信頼を失った政治家が多用する「守るべき信義」とは何であるのか、理解に苦しむ。それ以上に、これからも政治家を続けていくとの認識は、あまりに甘くないか。
自身が依頼した弁護士の調査では「違法性はない」とされた。
一部に政治資金規正法上の虚偽記載や不記載の疑いはあるが、それ以上に、不適切と指摘された数々の「恥ずかしい行動」が都民の嫌悪感を招いたことを重く受け止めるべきだ。
集中審議の最後に、舛添氏はリオデジャネイロ五輪終了後までの猶予期間を求めた。だが、その間の都政の停滞は座視できない。信なき知事に、閉会式で五輪旗を受け取ってもらう必要もない。
この時期の知事交代では、次の任期切れが2020年東京五輪の直前となることを懸念する声もある。新知事には大会1年前などのしかるべき時期に、五輪ホスト都市のトップとしてふさわしいか、自ら辞任して信を問う選択肢もある。いずれにせよ、舛添氏に心配してもらうことではない。(引用ここまで)
都知事の資金問題/不信拭う説明が足りない
産經新聞/2016/5/14 6:00
http://www.sankei.com/column/news/160514/clm1605140003-n1.html
舛添要一東京都知事が相次いで指摘された政治資金の不適切な支出について会見で説明し、陳謝した。
家族との旅行費や私的な飲食費が支出に含まれていることが問題視されていた。
舛添氏は疑念を招いたとして政治資金収支報告書を訂正し、一部を返金することも表明した。
だが、説明は多くの疑問を残すもので、説得力に欠けていた。
知事職にとどまるというが、都民が抱いた不信は拭えていないことを自覚すべきである。
舛添氏は家族旅行を「会議費」名目にした理由として、千葉県内の宿泊先に事務所関係者らが来て、国政選挙や都知事選の対応を協議したことを挙げた。
あきれた説明だ。公私混同の疑いを持たれかねないと自身も認めたが、家族旅行の費用を政治資金で賄うため、わざわざ宿泊先を会合場所に選んだとも受け取られかねない。
しかも、会合の出席者や人数、どれくらいの時間協議したかは説明で判然としなかった。
この問題に先立ち、舛添氏は高額の海外出張や公用車で他県の別荘に定期的に通っていたことの是非についても指摘されていた。
当初は問題ないと正当化していたが、批判が強まると軌道修正し、反省の言葉を口にした。
不適切な政治資金の支出についても、発覚後に「精査してから」と繰り返し、説明を先延ばししてきた。
家族旅行についての記憶が、だれか第三者に聞けばよみがえるとでもいうのだろうか。
会見で「不徳の致すところであり、心からおわびしたい」と語ったのは当然だとしても、なぜ一連の問題が発覚した時点で、謙虚に反省し、説明を尽くす対応がとれなかったのか。
舛添氏が事態を深刻化させたと言わざるを得まい。自らの危機管理能力について、強い疑いの目を向けられても仕方がない。前任の知事が、医療グループからの資金受領問題で辞任を余儀なくされ、都政の混乱をはさんで舛添氏は登場した。2020年の東京五輪・パラリンピック開催地の責任者でもある。都民の生活に責任を負うことはもとより、「政治とカネ」の問題で清廉さが求められていたことを思い出してもらいたい。(引用ここまで)
都知事選/「脱原発」ムードの敗北だ 五輪や福祉への対応を急げ
産經新聞/2014/2/10 6:00
http://sankei.jp.msn.com/column/topicslist/../../politics/news/140210/elc14021003440002-n1.htm
「脱原発」を掲げたムード選挙は敗れた。東京都知事選で、自民党など与党が支援した舛添要一元厚生労働相が細川護煕元首相らを抑えて初当選した。舛添氏は「東京を世界一の街にする」と語った。6年後の東京五輪の準備をはじめ、災害に強いまちづくりなど、山積する課題に全力で取り組んでもらいたい。
この選挙で特筆すべきは、「脱原発」を最大かつ単一の争点にしようと、細川氏がいぜん国民に人気の高い小泉純一郎元首相と連携して訴えたものの、広く浸透させることはできなかったということである。
≪都民は「劇場型」乗らず≫
有権者が景気・雇用や社会保障など都政の諸課題を幅広くとらえて判断したことは、選挙結果が如実に示していよう。
2人の元首相が巻き起こそうとした劇場型選挙に都民は乗らなかった。国政と都政の課題の違いを見きわめ、冷静な選択が行われたと評価できる。
出馬にあたり、細川氏は「原発問題は知事としてやりがいのある仕事だ」と語った。「脱原発」に傾倒する知事の登場を都民が望んでいただろうか。「即時ゼロ」を唱える小泉氏と連携したが、その割には、脱原発の具体策は有識者会議を設けて委ねることにするなど、説得力のある工程表を示すこともしなかった。
一昨年暮れの衆院選でも、民主党や日本未来の党などの脱原発派は大敗した。だが、細川、小泉両氏は都知事選を利用し、原発の是非で国論を二分する論争を再び起こそうとしていた。
細川氏は外交・安全保障政策を中心とした安倍晋三政権の路線にも異を唱えた。国政上の見解を強く打ち出す姿勢にも、都民は違和感を覚えたのではないか。
宇都宮健児氏も「脱原発」を唱えたが、シングルイシューとすることには反対した。田母神俊雄氏は「原発を恐れすぎている」と安全性を主張した。
舛添氏は原発依存度を下げていく意味での「脱原発」に言及した。だが、代替エネルギーのメドが立たないまま、即時原発ゼロを唱えることは無責任だとして、細川氏らと一線を画した。
東京は電力の大消費地であり、都民の暮らしや経済を守る上でエネルギーをいかに確保するかという課題は極めて重要だ。
安倍政権は政府の責任で、安全性が確認された原発の再稼働を積極的に進めていく必要がある。
≪停滞を早急に解消せよ≫
今回の知事選は、猪瀬直樹前知事の「5000万円受領問題」に端を発したもので、問題が表面化してから猪瀬氏は対応に追われ、都政は2カ月余り停滞した。舛添氏はその立て直しにさっそく取りかからなければならない。
空白の期間に2020年東京五輪に向けた準備も遅れた。
舛添氏は五輪について、「史上最高の五輪としたい」と訴えてきた。
「コンパクトな五輪」とした宇都宮氏や「簡素な施設で効率的に運用」とする細川氏ら、計画や施設の縮小を訴えた候補を得票で引き離したのは、都民が計画通りの五輪を期待した結果とみてもいいのではないか。
舛添氏はまた、「防災対策をしっかりして、最高のおもてなしをしたい」と、防災と五輪を結びつけて語ってきた。五輪を開催する6年後を一つの目標とし、直下型地震などに備える首都の防災対策を整備することは、意義深い。
舛添新知事は、開催都市の首長として、五輪準備の先頭に立つことになる。選挙公約でもある「史上最高の五輪」を掛け声に終わらせることなく、自身の描く具体的な青写真を早期に披露してもらいたい。
招致戦で体感した政府やスポーツ界、経済界との「オールジャパン体制」の再構築にも力を尽くしてほしい。
首都の高齢化への対応も急務である。舛添氏は当選後、社会保障政策で待機児童対策や医療、介護など多くの課題に言及した。成果を上げてほしい。
猪瀬氏の辞職の原因となった「政治とカネ」の問題で、都政への不信を払拭することも大きな課題だ。舛添氏は「受領の経緯に不自然な説明がある。都民が十分に納得できる内容になっていない」としていた。猪瀬氏の疑惑を、不透明なままにしてはなるまい。(引用ここまで)
都知事選/静かな関心一票で示そう
産經新聞/2014/2/5 6:00
http://sankei.jp.msn.com/column/topicslist/../../politics/news/140205/elc14020503240000-n1.htm
首都の顔を選ぶ東京都知事選挙の投開票が4日後に迫った。単一の選挙区から当選者1人を選ぶ点では、有権者数が1千万人を超える他に例のない巨大選挙である。
過去50年をみると、最少得票数で石原慎太郎候補が当選した平成11年の選挙でも、166万票余を集めている。
寒風の首都を駆ける候補者には夢のような話かもしれないが、仮に握手をした相手がすべて自分に投票してくれるとして計算してみよう。
1人の候補者が2秒に1人のペースで握手をした場合、1分間で30人、1時間で1800人。選挙期間の17日間、毎日20時間をひたすら握手に費やしても61万2000人で、当選は到底望めない。
街頭演説に遭遇する有権者も限られている。候補者の人柄で誰に投票するかを判断しようにも、直接、確かめる機会は少ない。
当然、判断はマスメディアなどを通じて複製された情報に負うところが大きい。インターネットの活用で、複製情報の発信と入手の選択肢は一段と広がった。
選挙になると、実務的な手腕よりも、マスメディアで名前や顔が知られていることの方が重視されがちなのもこのためだ。
だが、人気投票的であったり、「風」が吹いたりする選挙を何度か経験するうちに、有権者の間には「これでいいのか」という疑問も広がっている。投票後に期待を裏切られることも少なくない。
にぎやかな顔ぶれのわりに、今回の知事選が盛り上がりに欠ける印象があるとすれば、そうした事情も理由の一つではないか。
各種世論調査では、主要な争点に「景気と雇用」「少子高齢化や福祉」が挙がり、「原発・エネルギー問題」「災害対策」などを大きく引き離している。「五輪の準備」も合わせ、いずれも重要課題に違いないが、まず安定した生活基盤を確保したいという意識が伝わってくる。
有権者が都知事や都政の役割、課題を正しく認識し、現実的な政策をどう進めていくかに関心が集まっていることを歓迎したい。候補者は最後まで、その問いへの答えを示すよう努めてほしい。
選挙に関心があると答える人は9割を超えている。盛り上がらないようでいて、注目度は高い。その静かな関心が、投票につながることを期待したい。(引用ここまで)
都知事選告示/魅力ある東京の将来語れ 争点は「原発」だけではない
産經新聞/2014/1/23 6:00
http://sankei.jp.msn.com/column/topicslist/../../politics/news/140123/lcl14012303170000-n1.htm
東京都知事選がきょう告示される。猪瀬直樹前知事が金銭問題で辞職する事態を受けた選挙だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、主催都市の責任者としてどう準備を進めていくか。首都直下地震に備える防災都市づくりも問われる。
「脱原発」の是非も争点となっている。電力の大消費地として、都民の生活や経済に必要なエネルギーをいかに確保するかという観点の議論が極めて重要だ。
候補者らは、魅力ある首都の将来を実現するため、より具体的に政策を競い合ってほしい。
≪残念な討論会見送り≫
すでに元厚生労働相の舛添要一氏、元日弁連会長の宇都宮健児氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏が正式に出馬を表明していたのに対し、「脱原発」で小泉純一郎元首相と連携する細川護煕元首相は22日にようやく出馬会見した。
14日に小泉氏との連携を確認して出馬の意思を示した後、出馬会見を繰り返し延期するなどの対応はフェアなものとはいえない。
政策のとりまとめなどに時間がかかったと説明したが、細川氏の対応のために、日本記者クラブが計画していた立候補予定者による討論会は見送られた。
今後も候補者を集めた討論会への出席には消極的なようだ。直接、政策をぶつけ合う機会に積極的に参加してほしい。
「ポスト猪瀬」の選挙だけに「政治とカネ」の透明性に関心が集まるのは当然だ。会見で細川氏は、首相辞任に追い込まれた自らの東京佐川急便からの1億円借り入れ問題について、「多くの人の失望を招いた。あらためておわびしたい」と謝罪した。
細川氏は「全額返済した」などと強調したが、多額の金を金融機関を通さず、なぜ現金でやりとりしたのかなど、当時から指摘された疑問には答えなかった。有権者の疑念を解消できただろうか。
原発問題について、細川氏が最優先課題と位置付けたのに対し、舛添氏は「自由な議論はいいが、その問題だけではない」と、原発依存からの脱却には時間を要することを強調した。
宇都宮氏は再稼働を認めない考えを示す一方、細川氏側からの一本化要請について「原発だけで一本化はあり得ない」と他の政策の重要性を指摘した。田母神氏は「原発は十分な安全性を確保しながら使っていける」と語った。
細川氏は当選すれば東京電力に働きかける考えを示したが、東電の株式の過半数は国が保有して都の持ち株比率は1%余に下がっている。影響力は限られる。
東電の電力供給地域は1都7県に及び、7割は神奈川、千葉、埼玉の首都圏や北関東3県が占めている。都の意向だけで脱原発を進められるわけでもない。
≪五輪成功へ現実公約を≫
東京五輪について細川氏は「もろ手を挙げて賛成する気にはならなかったが、決まったからには歓迎する気持ちに変わった。『東京・東北五輪』を目指したい」と開催計画見直しを示唆した。
細川氏は昨年、ジャーナリストの池上彰氏の著書「池上彰が読む小泉元首相の『原発ゼロ』宣言」の中で、「安倍(晋三首相)さんが『オリンピックは原発問題があるから辞退する』と言ったら、日本に対する世界の評価は格段に違っていた」と五輪の返上を主張していた。
知事選出馬が取り沙汰されてからは、「被災地でマラソン競技を行う」等の腹案も伝えられたが、実現性はないに等しい。
宇都宮氏も「環境に配慮し、すべての国民や海外からも歓迎される五輪にしたい」として計画見直しの可能性に触れた。舛添、田母神両氏は「史上最高の五輪」「五輪の成功」を政策に挙げた。
五輪の開催計画は都がスポーツ界や国とともに、16年大会招致から積み上げられた国際公約といえる。東京開催は国際オリンピック委員会がこれを吟味して決めたものであり、知事一人の思惑で安易に変更できるものではない。
首都をも例外なく襲う少子高齢化も喫緊の課題である。東京都の人口は五輪が開かれる2020年の1336万人をピークに減少に転じると予測されている。
各氏とも社会保障や福祉政策の充実を口にするが、待機児童解消など子育て支援を含め、現実的な解決策を競ってもらいたい。(引用ここまで)
都知事選/脱原発主張に利用するな
産經新聞/2014/1/15 6:00
http://sankei.jp.msn.com/column/topicslist/../../politics/news/140115/elc14011503150000-n1.htm
東京都知事選を「脱原発」で戦おうと、細川護煕、小泉純一郎の両元首相が連携を確認した。17日に正式に出馬会見する細川氏は「原発問題は国の存亡にかかわる」と話し、小泉氏は「原発ゼロでも日本は発展できる」との認識を共有できたとして細川氏への応援を表明した。2人に共通するのは、都知事選をてこに「脱原発」の世論を一気に拡大する狙いだろう。だが、原発というエネルギー政策の根幹を決めるのは国の役割である。どうしても「原発ゼロ」を実現したいなら、今一度国政に打って出て問うべきだ。
他にも多くある都政の課題を脇に置き、「脱原発」に都知事選を利用するのはおかしい。
小泉氏は「今回の知事選ほど国政に影響を与える選挙はない」として、原発ゼロか、再稼働容認かという、2グループによる争いだと言い切った。小泉氏は首相時代、郵政民営化という単一テーマで衆院を解散し、大勝利を収めた。
都知事選でも同様の展開を描いているのだろう。だがあの時は、あくまでも国政課題の民営化問題を総選挙で問うたのであり、都知事選で「脱原発」を掲げることと、同一視はできない。
昨年、国内原発の「即時ゼロ」を唱えた小泉氏は、高レベル放射性廃棄物を埋める最終処分場が決まっていないことなどを理由に挙げた。だが、原発を即時ゼロにして、首都東京が消費する電力をどうまかなうのか。
細川氏も、脱原発に至る道筋を語っていない。国家の最高指導者を経験した両氏が、現実的な解決策を示さないまま、「脱原発」ムードをあおる無責任な姿は見たくない。
一昨年暮れの衆院選で、脱原発派の民主党や日本未来の党は大敗した。代替エネルギーの普及に見通しが立たない段階で、「原発ゼロ」などの急進的な主張は、国政レベルで広がりを持ち得ないことが示された結果だ。
安倍晋三政権は「原発ゼロ」路線を見直し、安全性が確認された原発の再稼働を進める努力をしている。原発活用で安定的な電力供給を確保できてこそ、都民の生活を守り、経済を支えることができるはずだ。
候補者には、現実に立脚した政策論争を聞きたい。(引用ここまで)
猪瀬知事辞職/首都の顔は冷静に選ぼう
産經新聞/2013/12/20 6:00
http://sankei.jp.msn.com/column/topicslist/../../politics/news/131220/lcl13122003160000-n1.htm
東京都の猪瀬直樹知事が辞職を表明した。これに伴う知事選は来年2月に実施される見通しだ。首都の新しい顔を選ぶにあたっては、候補者の実務能力や清新さを冷静に見極めたい。
猪瀬氏は、職務上の利害関係がある医療法人「徳洲会」側から現金5千万円を受領し、都議会などの追及にもあいまいな説明を繰り返していた。
都政も、自らが招致に尽力した2020年東京オリンピック・パラリンピックの準備も、この問題で完全に停滞していた。予算編成や五輪組織委員会のトップ人事など、喫緊の課題にも手をつけられずにいた。辞職は当然である。
猪瀬氏は会見で後任の知事について「東京五輪を成功させてほしい。五輪を迎えるにふさわしい人が知事になってもらえれば、自分のやったこと、少しは頑張ったことが受け継がれる」と話した。これは去る人の本心であろう。
東京の五輪招致は、石原慎太郎前知事が強烈なリーダーシップで候補都市に名乗りを上げ、後を引き継いだ猪瀬氏が招致活動の中心となり、政府やスポーツ界と歩調を合わせて世界を飛び回り、東京を売り込んだ。招致の成功は、歴代2知事の功績である。
だが内外に向けたパフォーマンスを必要とする招致戦の時は過ぎた。「五輪の顔」を都知事のタレント性に頼る必要はない。
これから知事に求められるのは、大会開催に向けて山積する課題を解決し、巨大組織を動かす実務と調整の能力である。
もちろん、東京が抱える課題は五輪だけではない。首都直下地震に備える防災都市づくりは、五輪準備と並行して急がなくてはならない。五輪後も続く少子高齢化への対処も待ったなしだ。
猪瀬氏の辞職に伴う都知事選に向け、すでに与野党は候補者擁立の調整を本格化させている。具体的な名前も取り沙汰されている。次の知事選を単なる人気投票にしてはいけない。東京都民の見識が問われる選挙にもなる。
猪瀬氏は今後、「作家に戻り都政を見守りたい」とも話した。それならばなお、辞職後も説明責任を果たすべきだろう。
弁明を二転三転させたまま、「政治についてよく知らないアマチュアだった」との総括では、誰も納得できない。作家としての信用も回復できないはずだ。(引用ここまで)