「一点共闘」論と「統一戦線」論と「内閣打倒」を掲げながら
「新しい政権構想」を提起しないことの弊害に向き合わない共産党に大喝!
今日の赤旗に佐賀県知事選挙に対する共産党の見解が出されました。これを読んで、共産党の「傍観者的」な見解に呆れました。では何故「傍観者的」なのか、です。
1.愛国者の邪論は、共産党が、内閣打倒を掲げながら、政権構想を提起していないことを問題にしてきました。このことが、総選挙における「大躍進を逃した」ことについても、批判してきました。今回の佐賀県知事選挙における共産党の対応は、この思想の延長線上にあることを、いっそう浮き彫りにしました。以下、述べていきます。
2.今日の赤旗の記事では、今回の選挙にどのような立場で臨んだのか!全く明らかにしていないのです。しかし、発言は、「私たちは『党旗びらき』で…国民多数の願いに背き、強行すれば矛盾をきたし、国民的に包囲されるといいました」と、あり、「今回の選挙結果は、農業分野での一つのあらわれだと思い、注目していました」とあるのです。「注目」するまえに、やることはなかったのか、やることあるだろう!です。
3.佐賀県と言えば、国政上の課題でもる原発再稼働・オスプレイ配備・TPP参加問題が大きな争点であったはずです。現地の共産党は、総選挙でも、これに反対する論戦をはっていたはずです。
4.しかし、現地の佐賀県委員会の対応を視れば明らかです。以下、別稿に掲載する西日本新聞をご覧ください。呆れるばかりです。しかし、現地の共産党が、このような対応をせざるを得なかったのは、それまでの「一点共闘」のたたかいと総選挙における「躍進」と県政の「革新」の課題をリンクさせていれば、あり得ないことです。しかし、その根本的な問題について、明らかではありません。内部問題だからでしょう。しかし、国民に向かって説明責任が問われるのは当然です。民主党を視れば明らかです。
共産党の綱領などからしても問題ありではないのか!
5.共産党のいう「一点共闘」論からすれば、この運動を選挙に収斂させていくことは、民主連合都道府県性から民主連合政府への樹立への一里塚でもあるはずです。「民主連合」という名前をつけなくても、県民の、国民の要求を実現するためには、一致点を大切にした行動があってしかるべきです。今回の佐賀県知事選挙を視る上で、共産党の綱領には、以下のような文言があります。http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/Koryo/
統一戦線の発展の過程では、民主的改革の内容の主要点のすべてではないが、いくつかの目標では一致し、その一致点にもとづく統一戦線の条件が生まれるという場合も起こりうる。党は、その場合でも、その共同が国民の利益にこたえ、現在の反動支配を打破だはしてゆくのに役立つかぎり、さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす。
また、全国各地で革新・民主の自治体を確立することは、その地方・地域の住民の要求実現の柱となると同時に、国政における民主的革新的な流れを前進させるうえでも、重要な力となる。(引用ここまで)
この綱領の部分からみて、どのように総括するのか、明らかにすべきです。また昨年開催した第26回大会には、以下のように書かれています。http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-17/2014011709_01_0.html
前大会以降の顕著な特徴は、この数年来、原発、TPP、消費税、憲法、米軍基地など、国政の根幹にかかわる問題で、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が大きな広がりをもって発展していることにある。広大な無党派の人々、従来の保守といわれてきた人々との共同が各分野で大きく広がっている。文化人、知識人、宗教者が新たに共同に参加する動きも広がっている。これは未来ある画期的な動きである。
この動きを発展させ、日本を変える統一戦線をつくりあげていくうえで、次の諸点に留意して奮闘する。
――わが党は、どの分野でも、一致点を大切にして「一点共闘」の発展のために誠実に力をつくすとともに、必要なときには縁の下の力持ちとして粘り強い努力を重ねてきた。この姿勢を今後も堅持することが何よりも大切である(引用ここまで)
すべての党員が大会決定を身につけ、開拓者の精神で強く大きな党をつくろう―― 「党創立92周年・いっせい地方選挙勝利をめざす躍進月間」をよびかける 2014年5月15日 日本共産党中央委員会幹部会http://www.jcp.or.jp/web_jcp/2014/05/post-55.html
どの分野の「一点共闘」でも、一致する要求実現のために政党・団体・個人が対等・平等の立場で共同することが当たり前になりつつあることは、重要な変化であり、そこに踏み切ってこそ国民的な力が深いところから結集・発揮される。この動きには、大いなる未来がある。それぞれの「一点共闘」を発展させながら、互いに連帯して大きな国民的共同の流れをつくり出し、日本を変える統一戦線に発展させるために、力をつくそう。(引用ここまで)
開始された前進を絶対に中断することなく、さらに大きな発展を 「躍進月間」の成果を踏まえ、全党のみなさんに訴えます 2014年8月3日 日本共産党中央委員会幹部会http://www.jcp.or.jp/web_jcp/2014/09/post-56.html
安倍政権打倒の国民的大運動をおこそう
わが党が提起した「安倍政権打倒の国民的大運動」のよびかけは、党内外で強く歓迎されています。憲法、消費税、原発、米軍基地など、あらゆる分野で「一点共闘」を広げに広げ、それを安倍政権打倒の国民的大運動に合流させるために、国民運動の一翼をになって奮闘しましょう。安倍政権打倒の一点での共闘を広げるために、党機関と党支部は、幅広い団体・個人との懇談・対話を大いにすすめましょう。(引用ここまで)
とあるのです。この視点で、「一点共闘」と「内閣打倒」と「打倒後の新しい政権づくり」が展望されていなければ、何のための綱領か、と言わなければなりません。ここに共産党の深刻な問題点があると確信をもって指摘しておきます。そのことを示したのが、今回の総選挙における「大躍進を逃した」こと、佐賀県知事選挙にあるということです。
5.では、今回の佐賀県知事選挙では、どうだったか、です。安倍晋三政権と自民党本部が全面支援した元武雄市長の樋渡啓祐氏は論外として、全国農業協同組合中央会(JA全中)の権限を縮小する安倍政権の農協改革案に反対する元総務省官僚の山口祥義氏より、原発再稼働や佐賀空港へのオスプレイ配備計画に反対している九州大大学院教授の島谷幸宏氏に対して「政治理念や公約が党の政策に近い」「島谷氏の立場を尊重し、自主的に支援していきたい」(共産党佐賀県員会今田委員長)と語っているように、山下書記局長の発言とは違った対応をしてきたはずでした。
6.ところが、今日の記事は、このことはスルーして、安倍自公政権が負けたことの意義を強調しているのです。確かに、このことそのものの評価は、愛国者の邪論と同じ見解です。しかし、問題は、その見解に至るまで、共産党自身は何をやったのか、です。今度の選挙で「あらゆる分野で安倍政権の暴走を止めるための国民との共同を強めて、頑張りたい』というのはどのように具体化されたのでしょうか。全く不問です。
7.佐賀県における原発再稼働反対・オスプレイ配備反対・TPP参加反対で一致するあらゆる立場の人たちと共闘しながら、それらの悪政を推進・暴走する安倍政権を温存するのか、温存したまま、暴走をストップさせるのか、或は暴走をストップさせるためには内閣を打倒するのか、打倒しても自公政権のたらい回しを許すのか。それとも、一致点にもとづく政権を樹立するのか。展望を示していく責任があるのではないでしょうか。
統一戦線の力は歴史的にも証明されている!力は無尽蔵!
8.その際には、共産党の綱領にある立場にたって、対等平等の原則を使って、沖縄の「うまんちゅの会」のような組織をつくってたたかうことになることは明らかです。そのことを共産党自身が国民に提起していくことは、何ら問題のないことであり、寧ろ大いにやるべきことではないでしょうか。そうすることで、安倍自公政権を追い詰めて、「一点共闘」の幅を広げていくのです。あらゆる、多様な「点」が集まり、一緒になることで、「線」となり、「面」となった時、文字通りの統一戦線が構築されるはずです。
9.このことは歴史的に証明されていることです。歴史が、「量から質へ」発展していく貴重な経験を日本は体験しているのです。
一つは、「船中八策」と「薩長同盟」、これに、土佐が加わり、肥前が参加すると、多くの大名が集まってきます。巨大な徳川政権打倒統一戦線が構築されていきます。庶民は全国各地で「世直し一揆」を起こしています。このような流れを利用して徳川政権は起死回生の大政奉還を強行しますが、薩長土肥武力討幕派は、「倒幕」から「武力討幕」へと発展させていく中で「天皇」の新政権を樹立していくのです。民衆の「世直し」は切り捨てていくのですが。
もう一つは、中国における「国共合作」です。水と油の関係である蒋介石の国民党と毛沢東の共産党が「抗日」の一点で「団結」して「抗日民族統一戦線」を構築するのです。これが、中国国民のどのような影響を与えていくか、八路軍に対する民衆の協力によって、いわゆる「解放区」が拡大され、日本の占領地が「点と線」のみになると言われているようなたたかいを余儀なくされてしまったことを教訓にすべきです。
10.共産党は、沖縄のたたかいを全国に拡散していくために、滋賀県や福島県、そして今回の佐賀県のたたかいの失敗から、何を学んでいくか、一切のマンネリを排除していくべきです。「国民的運動における一点共闘」と「選挙戦における共同」は原則的であると同時に柔軟であるべきです。大阪市と堺市の教訓を、更に全国各地に拡散させていくべきです。
以下、問題の記事をご覧ください。
赤旗 農協解体・農業破壊路線への反乱 佐賀県知事選で山下書記局長 2015年1月14日(水)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-01-14/2015011402_01_1.html
(写真)記者会見する山下芳生書記局長=13日、国会内
日本共産党の山下芳生書記局長は13日、国会内の記者会見で、自民・公明が推薦した候補が敗れた佐賀県知事選(11日投開票)の結果について受け止めを問われ、「注目すべき結果だと思います。大きな要因として農協『改革』、私たちから言えば農協の解体路線、TPP(環太平洋連携協定)による農業破壊路線に反乱が起こったということだと思います」と述べました。
山下氏は「私たちは『党旗びらき』で安倍政権の多数は小選挙区制による『虚構の多数』であって、やろうとしている政治のどれもが国民多数の願いに背き、強行すれば矛盾をきたし、国民的に包囲されるといいました。今回の選挙結果は、農業分野での一つのあらわれだと思い、注目していました。あらゆる分野で安倍政権の暴走を止めるための国民との共同を強めて、頑張りたい」と表明しました。(引用ここまで)
滋賀・佐賀知事選挙における共産党の役割は何だったか!
「一点共闘」と県知事選挙はリンクさせないのか!
赤旗 佐賀知事選 自公候補の敗北 知事選3連敗 政権に衝撃 安倍強権姿勢に反発 2015年1月14日(水) http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-01-14/2015011401_04_1.html
11日投開票の佐賀県知事選挙で、自民・公明両党が推薦する候補が4万票近い大差で敗れました。昨年7月の滋賀県知事選、同11月の沖縄県知事選に続き、与野党相乗りにならなかったケースでの知事選3連敗で、安倍政権の基盤のもろさが露呈しました。
滋賀では原発再稼働が、沖縄では辺野古の米軍新基地建設が大争点となり、県民の厳しい審判が下りました。これに加えて、今回の佐賀県知事選での敗北は、安倍政権の「農協改革」や環太平洋連携協定(TPP)などでの強権姿勢に対する地方からの反乱ともいえる様相です。
農協解体狙い
安倍政権の「農協改革」は、企業の農業進出を進めるために農協を解体することが狙いで、「戦後レジームからの脱却」の一環です。佐賀県知事選は、「改革」に反対する農協などが推す候補と自民党本部が推薦する候補が対立する「保守分裂」となりました。
選挙期間中、菅義偉官房長官、自民党の谷垣禎一幹事長、稲田朋美政調会長らが相次いで選挙応援に駆けつけました。安倍晋三首相が有権者の電話に、自公推薦候補を「よろしく」というメッセージを残すという異例のてこ入れをはかったことも、「逆効果」だったとして、政権と執行部の責任を指摘する声もあります。
安倍首相は、総選挙で「自公多数議席」を維持したことで国民の「信任」を得たと強調していますが、第3次政権スタート直後の重要な地方選での大きなつまずきに、政権に衝撃が走っています。自民党は、安倍首相も出席して開かれた13日の役員会で、いっせい地方選に向け今回の敗因分析を進めることを確認しました。
地方の声無視
地元地方紙記者の一人は「総選挙では多数を取ったが、安倍政権の政策が支持されているとはいえない。特に地方の声を無視した介入姿勢に反発が広がった」と語ります。
また、地方の農協組合長の一人は「保守にとっても、今の安倍政権は本当に地方や農業・漁業、山間地を大事にしているのかという不信の表れだ。この先さらに『農協改革』やTPPを強引に迫るなら、われわれも地方選に向かって黙っていない」と話します。
安倍政権は、公約を裏切りTPP推進にかじを切り、「農協改革」をちらつかせ農協や農業者を「どう喝」してきました。総選挙が終わると、「改革」を一気に押し付ける姿勢を強めていました。
菅官房長官は13日の記者会見で「農協が主役となって、農業の成長産業化に全力投球できるような抜本改革をしていく方針に変わりはない」と発言。民意を無視し「改革」を推進する姿勢を示しました。
辺野古新基地、原発再稼働、TPP・農協改革―。厳しい審判に背く政権は一歩一歩自らの墓穴を大きくしています。(引用ここまで)
共産党は 首長選挙に際して 相乗りを はっきり決断すべきだ 例えば札幌市長選挙 統一地方選挙と同じくある 市長選挙
未だに 支持を表明していない 現職市長が引退を表明しての選挙である 自民党公認の 本間奈々氏は再度の挑戦である
一方 現職市長の後継者と言われる元副市長は立候補表明している この一騎打ちになるのは間違いない 元副市長は現職市長と同じ 民主党支援者だ このまま 共産党は 自主投票と言う形で元副市長を応援するのか 正式に共産党推薦とするのか 現段階では 現職市長の市政は 大方機能して来た これを踏襲して行くと言う形が一番 共同と同じ意味合いになっている