愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

五輪国会決議に賛成した共産党の理屈も判るが疑問もアリ!安倍首相のドーピング大ウソは五輪精神に合致?

2013-10-21 | 東京五輪

さて、山本太郎氏にアッパレを送った記事の次は、共産党に対して、「渇!」と苦言を吐く記事です。最大のポイントは、安倍首相のドーピングプレゼンによって東京五輪招致を獲得し、その後に、開催に向けて推移している現在の日本を黙認して良いのか、ということです。これは五輪憲章・フェアープレイなどなど、およそスポーツマンシップに反する行為と言わなければならない問題です。しかも、招致レースに勝つためには「何でもアリ」ということを認めることになります。スポーツの世界でも、特に教育的にも問題だろうということです。下村文部科学大臣は信用できませんが、それにしても、こうしたルール違反と不道徳を放置しておくことはできないでしょう。だから、国会開会にあたって徹底審議を要求したのです。

しかし、この問題、すなわち一国の首相が国際舞台で、しかも人権を尊重し平和を求める五輪の場で大ウソをつくなどという前代未聞の行為について追及した政党は、共産党を含めていなかったという事実です。勿論汚染吸水問題についての追及はありました。しかし、この安倍首相の大ウソと関連させて、その考え方を問い糾すことはありませんでした。事実上の追認・承認でした。

今後の予算委員会における質疑などがどのようなものになるか、判りませんが、それにしても、汚染水問題の放置について、ドーピング行為というルール違反、ゴルフで休養していた危機管理の欠如について、どこの政党が追及するのでしょうか。安倍応援団のマスコミに期待することはできないでしょう。全く不思議な国となってしまいました。日本における不道義心に期待をすることは、もはや有り得ないということでしょうか。

フクシマで国家的危急事態が発生したのに、ゴルフで気分転換していた安倍首相の責任を追及せず!大喝!(2013-08-21 23:51:56 )

フクシマの汚染水コントロール・ブロック神話に洗脳されていた安倍首相を免罪するマスコミの正体第三弾!(2013-10-07 22:21:43 )

誰が診てもコントロールできていないのに首相の大ウソつきを問題にしない安倍マスコミ応援団の正体!(2013-10-07 19:49:16)

それでは、共産党が、この大ウソについて、どのように評価し、五輪開催承認表明をしたかにういてまとめ、その問題点を検証してみます。まず、以下の市田書記局長の記者会見の記事です。この記事は、ネットには掲載されていません。市田氏の記者会見の他の部分については掲載されていました。これも不思議でした。

(1)消費税増税など重要問題山積/臨時国会早期開催を/市田書記局長が記者会見 [2013.9.10]

(2)枝野9条改定私案―歯止めどころか集団的自衛権の行使に道を開くもの/市田氏が批判 [2013.9.10]

(3)赤旗9月10日付 1面 IOCの決定を尊重 市田書記局長が会見

首相の原発発言 根拠示し国際公約として責任果たせ

 日本共産党の市田忠義書記局長は9日、国会内で記者会見し、国際オリンピック委員会(IOC)が総会で2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催を決めたことについて、「IOC総会の決定を尊重し、スポーツを通じて国際平和と友好を促進するというオリンピック精神の実現に努めることが重要だ。また、国民や都民の生活や環境と調和のとれた無理のない取り組みを進めることが求められる」と述べました。そのうえで、市田氏は「東京招致については、内外からさまざまな不安と疑問の声が出されており、無条件の信任ではない」と指摘。なかでも、「IOCプレゼンテーションでの安倍晋三首相の福島第1原発問題についての発言は怒りを禁じえない」と批判しました。

市田氏は、安倍首相が「状況はコントロールされている。健康問題については、今でも、将来も全く問題ない。完全に問題のないものにするために、抜本的解決に向けたプログラムを私か責任をもって決定し、すでに着手している」と述べたことについて、『現状はコントロールどころか制御不能に陥って、放射能汚染水がどこから、どう漏れ出しているか全容すらわからない。対策も具体的に取れていない」と指摘しました。同時に市田氏は、「ただ、国際的な場で述べた以上、国際公約になる。『問題ない』というなら、その根拠を国際的にも、国民と国会の前にも明らかにして責任を果たす必要がある」と述べました。(引用ここまで

どうでしょうか。この記者会見は、一つは、IOCの東京五輪決定を尊重すること、二つは、無条件の信任ではないということ、三つは、国民や都民の生活や環境と調和のとれた無理のない取り組み・五輪開催を進めること、四つは、フクシマの汚染水問題については、国際的にも、国民と国会の前にも明らかにして責任を果たすこと、というものでした。

後で詳しく紹介しますが、この共産党の決定は、それなりにスジは通っていると思います。共産党は、国民の要求実現のスジが見える場合は、全面的に一致できていない場合でも、法律に賛成するという基本的見地があることは、愛国者の邪論も承知しています。これは「原則性と柔軟性」の統一的把握にもとづく共産党らしい決定と言えます。国民の五輪開催を望む要求を、いろいろ問題はあるが、実現していこう、問題はそのなかで、改善・解決していこうというスタンスです。

しかし、しかし、です。そこには大きな飛躍があると思います。何故ならば、最低の原則であるルール違反について、目を瞑ってしまったからです。愛国者の邪論としては、この問題は、主権在民主義にもとづいて運営されている国権の最高機関である国会の開会に、天皇の「お言葉」を拒否している原則と同じレベルの話だと思うのです。大ウソはドーピングと同じルール違反、五輪憲章違反、スポーツマンシップ違反、フェアプレーに悖る行為と言えます。ルールは民主主義によってつくられるものです。憲法の主権在民主義、国民主権というルールに悖る天皇の「お言葉」と同じように、ルールを五輪東京招致のために、自ら破ったのです。

ここの認識が、共産党にどれだけ検討されたか、文書を読む限りでは、曖昧です。出発点が違っているのですから、東京五輪というエスカレーターに乗って、後は少しでも改善していきましょうということになるのです。

愛国者の邪論は、五輪開催そのものに反対しているのではありません。むしろ開会に賛成しているのです。勿論いろいろな条件つきに、です。この視点は、共産党と一緒です。しかし、前提が違っています。愛国者の邪論は、フクシマの汚染問題を、いつまでに完全解決する、東日本大震災の復興をいつまでに完成させる、ということを国民的に合意したうえで、それに向かって解決する国民的努力をするのです。その後に、東京五輪招致を、それこそ国民的運動として進めていくというのが、本来のスポーツマンシップではないかと思うのです。その両方の解決に向けてアスリートはどのように発信していくか、自分が五輪に出場するということもあるかと思いますが、ここはもっと高い見地に立ち、それこそアスリートの気高さを発揮すべきです。「オレがオレが」ではないはずです。

経済効果を煽る財界と安倍自公政権とマスコミ、それらによってつくられた世論、「支持」する国民意識のままでは、汚染水問題はズルズルといくことでしょう。小泉元首相の「原発ゼロ」提案に対しても、国民的嵐が起こらないのですから。勿論共産党の提案などは黙殺されてきたのですから。更に言えば、首都圏・東南海巨大地震に対する首都圏・当該地の対策についても、その展望はおぼつかない状況です。7年後の首都東京の夏の暑さ対策についても、無策です。

以上のような視点を原点とすると、共産党の主張には、大きな飛躍があると思うのです。共産党はIOC決定とアスリートのプレゼン(勿論アスリートの競技努力などを含めてですが)を、東京五輪招致決定の最大の条件としてあげ、それを根拠に東京五輪を受け入れています。しかし、先に述べた、そもそもの前提が、共産党において、どのように検討されたのか、判りません。口では安倍首相の「ブロック」「コントロール」発言の誤りを追及しています。であるならば、一国の首相のこの大ウソ発言をどのように意味づけたのか、説明しなければなりません。

では、安倍首相の大ウソについて、共産党は、どのような言葉を使って説明しているか、あげてみます。

(1)汚染水「コントロールされている」/安倍首相が招致演説/IOC総会 [2013.9.10]

安倍晋三首相が7日夜、アルゼンチン・ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会で行った東京への招致演説のなかで、東京電力福島第1原発事故の放射性物質汚染水漏れについて、「状況はコントロールされている」とのべました。これに対し、IOC委員からは、「総理は、東京には影響がないといったが、その根拠は何か。どうして、そんなに安心できるのか。専門的技術的観点からお願いします」との質問が出されました。首相は、「汚染水による影響は福島第1原発の港湾内の0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされています」と表明。さらに「健康問題については、いままでも、現在も、将来もまったく問題ないということをお約束します。さらに完全に問題ないものにするために、抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手しています。実行していくことをはっきりお約束申し上げたい」とのべました。(引用ここまで

(2)主張 東京五輪2020 アスリートの願いにこたえて 2013年9月10日(火)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-09-10/2013091001_05_1.html

 …安倍首相はプレゼンテーションで「完全にブロックされており、安全だ」とうそぶきました。しかし、放射能汚染水の海洋流出は続いており、日本国内はもちろん国際的にも重大問題になっています。事実を認めようとしない首相の態度はあまりにも不誠実であり、多くの国民やアスリートの気持ちとはまったく相いれないものです。

安全と安心保障して

 安全で安心できる国際交流を保障するのが、オリンピック開催の第一条件です。この点で、東京開催が手放しで信任されたわけではありません。いよいよ「東京2020」に向けた準備が始まりますが、このことを肝に銘じて、政府が不安の解消と課題の解決に真剣に取り組んでいくことです。(引用ここまで
(3)NHK日曜討論/山下書記局長代行の発言 [2013.9.16]

日本共産党の山下芳生書記局長代行は15日、NHK「日曜討論」に出演し、福島第1原発の汚染水問題や消費税増税などについて、与野党の代表と討論しました。

原発汚染水・首相発言

制御不能の非常事態だ、収束宣言撤回し国あげ対策を

 福島第1原発の汚染水問題で安倍晋三首相が「状況はコントロールされている」と発言したことについて、自民党の高村正彦副総裁は「極めて適切であった」と擁護しました。

 山下 私は安倍総理の発言に怒りを覚えました。状況がコントロールされているなら、なぜ汚染水漏れ事故が繰り返されるのか。そのために、福島の漁業者は9月から予定していた試験操業も延期したわけです。こんな間違った認識を前提にしていたら、ちゃんとした対策はとれない。三つの提案があります。一つは、福島第1原発はコントロールされていない、制御不能な非常事態にあるということを共通認識にして、国をあげて汚染水対策にあたること。そのために収束宣言を撤回すべきです。二つ目に、現在、汚染水がどこからどう漏れているかわかってない。近づくことも困難ですから。ですから、政府の責任で、内外の英知を結集してまず全容を解明すること。そのうえで抜本対策を組み立て直すことです。三つ目は、いま規制庁が再稼働のスピード審査のために人員を増やしていますが、そうではなくて、汚染水対策にこそ、人も資源も集中して投入すべきだと思います。

 民主党の長妻昭幹事長代行が「我々も反省する点はある」と表明したのを受け、自民党の高村氏は「やっぱり(民主党政権は)初動を誤った。今度、遅ればせながら国が前面に出ることにした」と述べ、対応の遅れを民主党の責任にすりかえました。(引用ここまで

(4)10月17日 首相の所信表明について(2面)

…この日の答弁は国会でも事実をねじまげたものです。(引用ここまで

(5)10月18日 志位委員長の代表質問/衆院本会議

…などと事実をねじまげる発言をおこなったことは有害きわまりないものです。事実に反する発言は撤回し、政府の責任で、国内外の専門的知見を総結集した調査をおこない、国民に情報を公開すべきではありませんか。(引用ここまで

(6)10月19日 市田書記局長の代表質問 参院本会議

総理が、「コントロールされている」「完全にブロックされている」と発言した後でも、「汚染水タンクからあふれだした」「パイプの継ぎ目から漏れていた」「港湾だけでなく外洋にも直接漏れ出していた」など、ほとんど連日のように新たな、汚染の広がりが続いています。東電の広瀬社長は国会で「もぐらたたきのような状態が相変わらず続いているのは全くの事実だと思う」と述べ、コントロールとは程遠い状態にあることを認めざるを得ませんでした。総理、あなたは、汚染水の現状がどうなっているのか、何がわかり、何がわかっていないのか、どこに問題と危険があるのか、国民にはっきりと説明することができますか。それもできないのに、国際社会にたいして総理は…と述べ、原発の再稼働と輸出に異常なほど執心されています。(引用ここまで

(7)「オリンピック東京開催とこれからの課題をみる」広畑成志(スポーツ委員会責任者)『前衛』(11月号)より

はじめに―10C決定を尊重する立場

1.安倍首相は原発問題での「国際公約」を守れ

マスメディアは二〇二〇年開催都市の決定投票で東京が圧勝したのは、安倍晋三首相がプレゼンテーションで福島原発事故に触れ、「状況はコントロールされている」と言い切り、「抜本解決にむけて実行していく」と約束したのが要因のひとつとなったと持ち上げました。しかし、この首相発言はことさらに「安全」を強調する虚偽に満ちた方便でした。東京招致にかかわって、最後まで最大の論点になっていたのが、東日本大震災と福島原発事故、その第1原発での放射能汚染水の影響の問題でした。IOC総会直前にもった立候補都市・東京の記者会見では、海外のメディアの質問はこの問題に集中し、さらにプレゼンの席でも、IOC委員から「科学的な根拠を示せ」とただされました。これにかかわって安倍首相は招致演説のなかで、「福島第1原発事故の放射性物質汚染水漏れの状況はコントロールされている」と述べ、質問に対しては次のように答えました。…安倍首相の発言は、被災地住民はもとより多くの人びとから憤りと批判を浴びました。現状は放射性汚染水の流出の原因もつかめず、防止策も講じることができず、政府も東京電力も手をこまぬいているありさまです。しかし、首相は事態の深刻さを覆い隠し、安全を立証する科学的な根拠も示さずに詭弁を弄したのでした。…(引用ここまで

どうでしょうか。共産党は、安倍首相のプレゼンにおける演説内容を厳しい言葉を使って評価しました。これらの言葉のもつ意味を、どれだけ検討したでしょうか。このような評価を下された言葉によって勝ち取ったとされている東京五輪、アスリートたちの努力もあったことは否定しませんが、一国の首相が、国際舞台で放った言葉が、「事実をねじまげた」「事実に反する」「詭弁を弄した」「虚偽に満ちた方便」「有害きわまりない」言葉であったのです。これは五輪招致を辞退すべき問題ではないでしょうか。五輪憲章が泣いていることでしょう。共産党は、こうした意味をもつ安倍首相の発言そのものを追及することなく、汚染水問題の解決のみに追及の手を向けているのです。

愛国者の邪論が思うには、こうした対応をとった共産党の立場にたつと、言葉尻を捉えた、泥仕合との評価を避ける意味もあるかと思います。しかし、事の本質は、そのような皮相な問題ではないでしょう。安倍首相の放つ薄っぺらな言葉の数々に、一国の首相としての資質の問題として疑わざるを得ない問題、追及すべき問題ではないかというのが、愛国者の邪論の考えです。

「怒りを禁じえない」「どう漏れ出しているか全容すらわからない。対策も具体的に取れていない」「うそぶきました」「事実を認めようとしない首相の態度はあまりにも不誠実であり、多くの国民やアスリートの気持ちとはまったく相いれないもの」「怒りを覚えました」「こんな間違った認識を前提にしていたら」「事実をねじまげたもの」「有害きわまりないもの」「事実に反する発言は撤回」「コントロールとは程遠い状態にあることを認めざるを得ませんでした」「虚偽に満ちた方便」「首相は事態の深刻さを覆い隠し、安全を立証する科学的な根拠も示さずに詭弁を弄した」

それでは、次に、かつては、共産党が五輪招致に反対していたこととの関係について、まとめてみます。



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1 コメント

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流石に (夢想正宗)
2013-10-21 17:16:54
流石の御意見!
筆者さんの苦言に天晴れ 気持ちが透いた
2アウト逆転満塁ホームランと言う感じ
溜飲が下がった!
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