愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

山口県知事選挙は民自公路線の破綻、安保・原発でオール山口の兆しが!ごかますマスコミは!

2012-07-31 | 日記

山口県知事選挙結果が出た。飯田氏が善戦した。飯田氏については、カメレオン的と言っておこう。だが、彼の思惑は別にして、県民の意識に注目してみた。伝えられている情報を下に、結果を考えてみた。

この結果は保守王国で着実にその基盤がくずれつつあることを示した。だがマスコミは相変わらず、「既成政党」VS「維新」の対立構造に持ち込みたいというところだろうか。

そういう面もあるかもしれないが、皮相な見方だ。本質は沖縄と同じようにオスプレイ・原発ではオール山口の兆しが出たと言うのが、この選挙の結果ではないか。そういう意味で日本の深部で着実に変化が起こりつつあると思った。

山本陣営は、安倍元首相の下、「大物政治家」を投入して自公は組織選挙をやったという。原発・オスプレイについては、推進の立場は表明できなかった。民主を離党した衆議院議員は惨敗した。共産党は候補者を立てず、事実上飯田氏を応援した。

政党構造としてみるのではなく、原発反対運動や岩国基地反対運動をしてきた県民がつくってきた政治の流れが、自民党化した野田政権の現在の政治課題をどのように県民が考えたか、そこに注目してみた。

過去の県知事選挙結果をみてみると、以下のようになる。

山口県知事選挙
H16年 有権者1,223,321 投票率38.22
福江 としき    90,512
二井 せきなり  371,247  30.34(絶対得票率)

H20年 有権者1,207,826 投票率37.21
福江 としき   123,950
二井 せきなり  317,449  26.28(絶対得票率)


H24年 有権者1,185,190 投票率45.32
飯田 てつなり   185,654  マイナス66,807(山本氏との差)
みわ しげゆき    37,150
山本 しげたろう  252,461  21.3(絶対得票率)
たかむら 勉     55,418

安倍元首相陣営側は、着実に支持基盤を減らしてきているのが判る。飯田氏の立候補で投票率がアップした。そこに大粋な意味があることをマスコミは触れず、隠し続けている。東京(共同)の社説は、ある程度本質を指摘しているが、不十分だ。

こうした国民の政治批判、変革の兆しを正確に報せたら、国民の中に巨大な展望が浮かび上がってくるだろう。その流れをどのように推進できるか、政党の真価が問われている。


新しき芽に注がるる肥やしとふ遥かにみゆる世の姿なり


以下、選挙結果を報ずるマスコミを掲載しておこう。こうした報道が自民政権を温存してきたし、民自公路線を作らせたと言える。このままでは日本はダメだ!


安堵の自公、課題は先送り2012.7.29 23:34
 山口県知事選で29日、自民、公明両党が推薦する元国土交通審議官、山本繁太郎氏(63)が勝利したことで、両党幹部からは「反原発、反消費税増税、反既成政党という逆風の中の選挙だったが、自公両党への信頼感が表れた結果だ」(自民党の田野瀬良太郎幹事長代行)などと安堵(あんど)の声があがった。
 「有権者は風頼みの選挙に付和雷同せず、真剣に県政のことを考えてくれた。民主党に政権を与えた(前回衆院選の)『うっかり1票、がっかり4年』の結果、どうなったかと考えた有権者もいるだろう」
 自民党の河村建夫選対局長は産経新聞の取材に上機嫌でこう語った。
 安倍晋三元首相も同夜のツイッターで「地道な政策を訴え続けたことが勝利につながった。反原発という主張だけの候補には山口県の明日は託せないという冷静な判断を県民は下した」とコメントした。
 公明党の山口那津男代表は産経新聞の取材に対し「かなり追い詰められるという予測もあったが、県民の冷静な判断の結果が出た」と安堵の表情。その上で「衆院解散を求める声が強い中で、注目された知事選だった。国政への影響も出るだろう」と述べた。
 ただ、争点として注目された原発の是非などエネルギー問題や、米軍岩国基地に搬入された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイへの対処など政治課題はいずれも先送りされた格好だ
選挙戦では「脱原発」を掲げたNPO代表、飯田哲也氏(53)が橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」でエネルギー分野のアドバイザーを務めていたことから、事実上の「既成政党vs維新」の構図になるともみられ、全国的な注目も集めた。
 自民党閣僚経験者は「山本氏が勝ったことで維新の勢いがどうなっていくか。自民党が信頼を取り戻したとは言い切れない」と述べるにとどめた。
 一方で、みんなの党の渡辺喜美代表は飯田氏が善戦したとして「新しい政治体制の始まりを意味している。次の衆院選の予兆が表れている」と述べた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120729/stt12072923360002-n1.htm

山口知事選:自公推薦の山本氏当選 脱原発の飯田氏ら破る
毎日新聞 2012年07月29日 23時54分(最終更新 07月30日 00時02分)

当選確実の報を受けて二井関成県知事(左)ら支持者と万歳する山本繁太郎氏(中央)=山口市の事務所で2012年7月29日午後8時3分、佐野格撮影
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 山口県知事選は29日投開票され、元国土交通審議官の山本繁太郎氏(63)=自民、公明推薦=が、脱原発を掲げる「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也氏(53)ら3氏を破り、初当選を果たした。投票率は45.32%(前回37.21%)。
 選挙戦では、飯田氏が山本氏を追い上げた。中国電力(広島市)が同県上関町に予定する上関原発計画の是非が大きな争点だったため、国の原発行政への批判が有権者の間に広がっていることを示唆した。更に、飯田氏が大阪維新の会の橋下徹・大阪市長のブレーンを務めていたことから、既成政党批判も広がっていると言えそうだ。
 衆院山口2区の自民党候補から転身した山本氏は、3月に出馬表明し、中央とのパイプを生かした公共事業誘致や産業力の強化を訴えた。告示前1カ月弱の飯田氏の出馬表明で、上関原発計画の是非が争点化されると、山本氏は計画凍結を訴えて防戦。自公両党や100以上の業界団体の組織力をフルに生かして勝利した。
http://mainichi.jp/select/news/20120730k0000m010118000c.html

クローズアップ2012:山口県知事選 保守王国に動揺
毎日新聞 2012年07月30日 東京朝刊

山本氏の当選確実の報道を受け支援者に頭を下げる飯田氏=山口市で2012年7月29日午後9時40分、和田大典撮影7月29日午後9時40分、和田大典撮影
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 29日投開票の山口県知事選は自民、公明両党の推薦を受けた元国土交通審議官の山本繁太郎(やまもとしげたろう)氏(63)がNPO法人「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也(いいだてつなり)氏(53)の追い上げを振り切る形で初当選を果たした。原発再稼働に反発する声が全国に広がる中、「脱原発」を掲げた飯田氏に無党派層の支持が集まり、既成政党批判が「保守王国」を揺るがした。不戦敗に終わった民主党内の衆院解散・総選挙に対する恐怖感も強まっている。
 ◇無党派票、半数飯田氏に
 飯田氏は29日夜、山口市で「保守王国の中で自公を追い詰める良い戦いができた。明日につながる足場はできた」と語った。
 選挙戦は自民、公明両党の推薦を受けた山本氏を、政党の支援を受けない飯田氏が追う展開となった。「大阪維新の会」を率いる橋下徹大阪市長のブレーンだった飯田氏は無党派層の支持を集め、山本氏を脅かした。投票率が45・32%にとどまり、組織票を固めた山本氏が選挙戦を制したが、飯田氏の善戦は原発政策などをめぐる既成政党批判が広がっていることを印象づけた。
http://mainichi.jp/opinion/news/20120730ddm003010059000c.html

山口知事に山本氏 「脱原発」飯田氏善戦2012年7月30日 朝刊
 任期満了に伴う山口県知事選は二十九日投開票され、無所属新人の元国土交通審議官山本繁太郎氏(63)=自民、公明推薦=が、NPO法人所長飯田哲也氏(53)ら無所属三新人を破り初当選した。投票率は45・32%で過去最低だった前回を8・11ポイント上回った。
 中国電力が進める上関原発建設計画(同県上関町)への対応などが主な争点。山本氏は同日夜、山口市で記者団に原発計画の凍結方針をあらためて示した。政府の新たなエネルギー政策の行方を見守る姿勢で、計画再開にも含みを残した。
 一方、原発計画の白紙撤回と「脱原発」を唱えた飯田氏は山本氏を追い上げ善戦。支援者らに「これで終わりではなく、新しい明日への始まりとしたい」と強調した。
 二十三日に米軍岩国基地(同県岩国市)に搬入された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、山本氏は「県民の安全への懸念が払拭(ふっしょく)されない限りは(運用に)反対だ」と重ねて表明した。八月下旬にも予定される試験飛行をめぐり、政府は対応を迫られる。
 山本氏は四期十六年務め、今期限りで引退する二井関成知事の後継者。県政継承を提唱し産業、雇用政策を重点的に訴えた。県内市町長の多くが山本氏を支持し、石原伸晃幹事長ら自民党の有力議員が応援に駆け付けた。
 エネルギー政策に詳しく、元大阪府市特別顧問として橋下徹大阪市長らをサポートした飯田氏は、自然エネルギー導入による地域活性化策を主張。現県政を批判し刷新を訴えたが及ばなかった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012073002000115.html

山口県知事に山本氏初当選 脱原発の飯田氏ら破る2012年7月29日22時22分
 山口県知事選は29日投開票され、無所属新顔の元国土交通審議官、山本繁太郎氏(63)=自民、公明推薦=が、脱原発を掲げる環境NPO代表の飯田哲也氏(53)ら無所属新顔3氏を破って初当選した。投票率は45.32%(前回37.21%)だった。
 県内には、中国電力上関(かみのせき)原発(上関町)の建設計画があり、脱原発活動に長く取り組み、計画の白紙撤回を訴えた飯田氏が、どれほどの支持を集めるか注目された。上関原発は東京電力福島第一原発事故後に準備工事を中断したままだが、建設計画の是非を含めたエネルギー政策が論戦のテーマの一つになった。選挙中には米軍岩国基地(同県岩国市)に米軍の新型輸送機オスプレイが陸揚げされ、安全保障を巡っても論戦が交わされた。
 山本氏は原発計画の「凍結」を主張。告示日には「脱原発依存は当たり前。できるだけ原発に依存しない国に向かうのが国民の願い」と訴えた。しかし、その後は、エネルギー問題に触れることはほとんどなく、港湾や道路などインフラ整備による産業の再生や雇用創出を中心に訴えた。
http://www.asahi.com/politics/update/0729/SEB201207290008.html

山口知事に山本氏が初当選…橋下ブレーンら破る

当選が確実になり万歳で喜ぶ山本繁太郎さん(中央)ら。前列左は二井知事(29日午後8時3分、山口市の事務所で)=秋月正樹撮影
 山口県知事選は29日投開票され、無所属新人の元国土交通審議官・山本繁太郎氏(63)(自民、公明推薦)が、無所属新人の3人を破って初当選した。
 山本氏は自民党の国会議員らによる組織選挙を展開し、「脱原発」を掲げるNPO法人所長・飯田哲也氏(53)らを退けた。
 山本氏は当選後、「産業再生や人材育成に取り組み、二井関成(にいせきなり)知事が守ってきた県政をさらに発展させたい」と語った。
 選挙戦は、景気・雇用対策や、中国電力が同県上関町で進める上関原子力発電所建設計画への対応などを争点に、選挙期間中に米軍岩国基地(同県岩国市)に搬入された米軍の新型輸送機MV22オスプレイの一時駐機に対する主張にも有権者の関心が集まった。
(2012年7月29日23時42分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20120729-OYT1T01137.htm

政府 山本氏当選を“歓迎” オスプレイ試験飛行に向け説得へ 2012.7.30 21:04
 29日投開票の山口県知事選で自民、公明両党が推薦した山本繁太郎氏が当選したことで、政府は米軍岩国基地に搬入された米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの試験飛行を実現するため説得に全力を挙げる。森本敏防衛相は近く山本氏と会談し、協力を求める考えだ。
 オスプレイは選挙期間中の23日に搬入されたが、山本氏は選挙戦で「安全性について県民の不安が除去されない限りオスプレイ配備は反対」と主張してきた。
 森本氏は30日、都内で記者団に対し、「オスプレイに対する不満や不安感が残っている状況に変化はない」との認識を示した上で、「できれば早くどこかで(新知事に)お会いしたい。(会談時期は)これから考えたい」と述べた。
 民主党は一時、次点となった飯田哲也氏の推薦を検討。だが、飯田氏はオスプレイの「撤去」を要求してきただけに、政府内には安全確認後の配備容認に含みを残している山本氏の当選を歓迎するムードが強い。藤村修官房長官は記者会見で、「(山本氏が)配備に反対と言ったかは不明だ」と述べ、説得の余地があるとの見方を示した。
 日米両政府はオスプレイの安全性を確認した上で、8月下旬にも岩国基地で試験飛行を実施する考えだが、野田佳彦首相が一時、「配備自体は米政府の方針だ」と述べたことが、地元の強い反発を招いた。
 岩国市の福田良彦市長は厚木基地から岩国基地への空母艦載機移駐を容認してきたが、オスプレイが搬入された23日、「国と地方の信頼関係が損なわれれば、われわれの安全保障政策への立ち位置も大いに変更せざるを得ない」と述べた。首相自ら関係修復に乗り出さなければ、在日米軍再編計画全体に影響が出かねない。(加納宏幸)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120730/plc12073021060012-n1.htm

「東京」社説山口県知事選 地域の選択 曲解するな2012年7月30日
 山口県知事選で原発再稼働、オスプレイ搬入への反対を訴えた候補が敗れた。しかし、勝った新知事も賛成とは言えない状況にこそ注目すべきだ。地域の選択を政府の都合で曲解してはならない。
 ここしばらく無風が続いた「自民党王国」山口県の知事選。今回も二井関成知事が後継指名し、自民、公明両党が推薦する元官僚、山本繁太郎氏が盤石とみられていたが、NPO法人所長、飯田哲也氏の立候補で一転して激しい選挙戦となった。
 事実上の一騎打ちに敗れたとはいえ、飯田氏が選挙戦に一石を投じることになったのは、飯田氏が最近まで橋下徹大阪市長のブレーンを務めていたことに加え、脱原発の立場で「エネルギー維新」を訴えたからにほかならない。
 山口県では中国電力上関原子力発電所(上関町)が建設途上にあり、東京電力福島第一原発事故の影響で工事が中断された。公有水面埋め立て免許は今年十月に失効するため、工事継続の可否は新知事の判断に委ねられている。
 飯田氏が勝利すれば原発建設計画は白紙撤回されていたに違いない。とはいえ、県民が山本氏に原発推進を委ねたわけではない。
 飯田氏を警戒する山本氏は「3・11以降、脱原発依存は当たり前、上関原発建設計画は凍結」と工事再開に含みを持たせながらも、計画推進を打ち出すことはなかった。加速する脱原発の流れには抗(あらが)えないということだろう。
 選挙戦期間中に米海兵隊岩国基地(岩国市)に搬入され、十月に沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に配備される垂直離着陸輸送機MV22オスプレイも同様だ。
 開発中から事故が相次ぎ、飯田氏は「安全性が確認されない限り岩国に置いておくべきではない。撤去を政府に求める」、山本氏も「搬入は誠に遺憾。安全が確認されない限り飛行しないよう要請すべきだ」とそれぞれ訴えた。
 原発やオスプレイをめぐる本格的な論戦を避けたのは、山本陣営による「争点隠し」の選挙戦術と言えなくもないが、原発推進やオスプレイ配備容認はそもそも選択肢になり得なかったということではないか。野田佳彦首相は原発再稼働やオスプレイ搬入に対する国民の厳しい世論を素直に受け止めるべきだ。
 消費税増税で手を握った自公両党推薦の山本氏が勝利し、次期衆院選での躍進を警戒する「大阪維新の会」につながる飯田氏敗北に安堵(あんど)している場合ではない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012073002000118.html