愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

軍事基地の「負担ゼロ」を言わない「負担軽減」論は、とんでもないペテン、マヤカシだ

2012-07-09 | 日記
オスプレイ配備のまやかしについては、以下のような記事を書いた。

「オスプレイ配備でも判った日米安保条約の従属・屈辱性を覆い隠すマスコミの犯罪性を変革するために」(7月2日)
http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/986c170929d3459f9446c3520e116b76


今回は、オスプレイ配備を推進する立場の「産経」「日経」の社説のギマン・ペテンを別の角度からみてみた。

まず「産経」だ。
「自己率」が低いから、「安全」という論理と老朽化した現行輸送機と比べて「日米同盟の抑止力を高める」から配備は当然という論理には、住民生活への「迷惑」論、不安感は顧みられていない。「日本の防衛や人道・救難能力」のためにはガマンしろということだ。

事故に遭う住民の数や回数を減らすことが問題なのか、違うだろう。本来は「あってはならない」事案ではないのか、そこをごまかしている。

100人の住む居住区にオスプレイが墜落して一人が亡くなった。死亡率1%だ。これで良いのか!

「北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の海洋進出で日本の安全が脅かされる中」、「安全性」に問題ありとされている「米海兵隊の装備・能力を飛躍的に向上させるオスプレイの導入」は、「事故率」も低いので、「『安全性』を口実とする一部の反対論に屈しないためにも、こうしたデータや事実を根気よく提示して説得することが肝要だ」との発想には、人命の重さの認識はゼロだ。

次は、「日経」だ。
「日経」のいう「原点」とは何か。
「オスプレイの配備がなぜ必要なのか」、それは「米軍にとって最大の狙いは部隊の即応力を高めること」で、「これは日本の安全保障にとっても利益になる。朝鮮半島など日本の周辺でいざという事態が起きれば、海兵隊が大切な役割を担うとみられるからだ」ということなのだ。
「だからといって、地元の安全を犠牲にするわけにはいかない」と「地元の安全」の「犠牲」論を測りにかけている。

そうして「日米両政府は地元の理解を得るために、オスプレイの配備に合わせた負担軽減策も検討するべき」と「原点」を述べている。

だが、この「負担軽減」論にあるのは「負担ゼロ」論ではないのだ。「事故があってはならないのであれば、日米両政府は「ゼロ」にすると胸をはって宣言しなければならない。

だが、それはできない!歴史が示すように軍事基地は人命の重さを最優先するものではないからだ。口では「日本の安全が脅かされる」「日本の防衛や人道・救難能力」のためというが、であるならば住民への犠牲は「ゼロ」でなければならないはずだ。


人命の重さ宣らすも奪わるる基地ある限り軽き命の


[産経主張] オスプレイ 安全データに耳傾けたい2012.7.1 03:31
 米政府が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備を日本に正式通告したことを受け、7月末に山口県・岩国基地へ搬入した後、8月に米軍普天間飛行場に配備される計画が確定した。
 森本敏防衛相は沖縄、山口両県を訪ねて地元調整に入ったが、墜落事故が続いたこともあって、「安全性」をめぐる地元の反対や抵抗感は根強い。
 しかし、北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の海洋進出で日本の安全が脅かされる中、米海兵隊の装備・能力を飛躍的に向上させるオスプレイの導入は、日米同盟の抑止力を高める上で不可欠だ。政府は全世界的な運用状況や技術面も含めた安全性について丁寧に説明し、日本の平和と安全に必要な配備を粛々と進めてほしい。
 オスプレイは2005年、米政府が「すべての安全基準を満たした」として量産に入った。米海兵隊は世界で約140機を運用中で最終的に360機を導入する。
 問題は、沖縄配備を控えた4月にモロッコ、6月に米フロリダ州で墜落事故が起き、地元自治体や反対派などによる反対論や慎重論が一斉に高まったことだ。
 だが、モロッコの事故では「機械的不具合はなく機体の安全性に問題はない」と米政府が経過報告した。フロリダの事故も「設計上の欠陥を疑う理由はない」として同型機の運用が続いている。
オスプレイの事故率は11年時点で10万飛行時間あたり1・12で、海兵隊の全航空機平均2・47の半分以下(米軍統計)との安全データもある。それでも日米両政府が地元の不安に配慮して、フロリダの調査結果がまとまるまで岩国基地での試験飛行を見合わせることにしたのは妥当といえよう。
 オスプレイは老朽化した現行のCH46中型ヘリと比べ、速度が2倍、行動半径が4倍、積載量は3倍あり、「日本の防衛や人道・救難能力を飛躍的に高める」(米国防総省声明)ものだ。飛行時の騒音レベルも低く、能力向上に伴って普天間での年間飛行回数を約11%減らせるなど、住民の要望にも十分に応える更新といえる。
 「安全性」を口実とする一部の反対論に屈しないためにも、こうしたデータや事実を根気よく提示して説得することが肝要だ。同時に、防衛相と野田佳彦首相は同盟の最大の懸案である普天間移設にも力を注いでもらいたい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120701/plc12070103310007-n2.htm

日経 オスプレイで丁寧な説明を 2012/7/3付
 対立が深まり、解決の糸口が見えないときには、原点に立ち返って考えることが肝心だ。米軍が最新型の輸送機、オスプレイを沖縄に配備しようとしている問題もそんな局面にある。
 オスプレイはヘリコプターと飛行機を合わせた機種だ。プロペラと固定翼を持ち、飛行機のように長い距離を飛べるほか、離着陸時には垂直にも動ける。
 米軍は7月下旬に米軍岩国基地(山口県岩国市)に12機を陸揚げし、10月から沖縄県の米軍普天間基地で本格運用する計画だ。来年も12機を新たに導入するという。
 地元の自治体は強く反発している。森本敏防衛相は1日、沖縄県の仲井真弘多知事や山口県の二井関成知事らに会い、計画を説明したが、理解を得られなかった。安全への不安が最大の理由だ。
 この溝をどう埋めるのか。それにはまず、オスプレイの配備がなぜ必要なのか、改めて考える必要がある。米軍にとって最大の狙いは部隊の即応力を高めることだ。
 海兵隊がいま、沖縄で使っている輸送ヘリCH46は「もはや旧式だ」(日米両政府筋)。CH46に比べると、オスプレイの最高速度は約2倍、搭載量は約3倍、行動半径も約4倍に広がる。
 これは日本の安全保障にとっても利益になる。朝鮮半島など日本の周辺でいざという事態が起きれば、海兵隊が大切な役割を担うとみられるからだ。
 だからといって、地元の安全を犠牲にするわけにはいかない。オスプレイは4月にモロッコ、6月に米フロリダ州で墜落事故を起こした。米軍はオスプレイを岩国基地に搬入しても、事故の調査結果が出そろい、安全を確認できるまでは試験飛行を控えるという。引き続き、丁寧に安全対策を説明してもらいたい。
 沖縄の海兵隊の行動半径が広がれば、訓練の県外移転も進めやすくなるはずだ。日米両政府は地元の理解を得るために、オスプレイの配備に合わせた負担軽減策も検討するべきだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO43314830T00C12A7EA1000/