あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

ニューヨークへ 7 ~四日目 エリス島~

2009-06-01 00:59:23 | 旅 ~イタリア国外~
               エリス島移民博物館

この日の朝食はパンケーキと決めていました。もちろんダニィは自分の朝食をホテルで済ませていたけれど、アメリカに来たからには一度はパンケーキを食べないと。グラン・セントラル駅の観光案内所に行く用事があったで、そこでついでにどこでおいしいパンケーキが食べられるか訊ねると、一番近い出口を出てすぐ前にあるレストランを勧められました。

確かにアメリカン・ブレックファーストが売りのお店でありました。パンケーキメニューはフルーツ付きだとか、生クリーム付きだとかいくつか種類もありましたが、私は一番シンプルなメープルシロップ(14ドル)のを注文しました。ダニィはオレンジジュースのみ。
やってきたのは巨大なパンケーキが3枚に、気持ばかりのブルーベリーの実が数個お皿を飾っていました。シロップが別に運ばれてきましたが、何か足りない。そうです、バターが見当たらないのです。とろりと溶けたバターの上にシロップをかける、私のイメージのパンケーキはこういうものです。頼むとこれまた必要以上に大きなバターがやってきました。
味は・・・残念ながら期待レベルに届きませんでした。大きすぎて途中で苦しくなりました。本日のランチは無しだな。

さて、CityPassの2番目のアトラクションはCircle Lineのマンハッタンクルーズか自由の女神とエリス島を訪ねるというもの。ダニィは2時間のマンハッタンクルーズを考えていたようですが、かなり昔のこと、私はそれをやったことがありました。マンハッタン島をフェリーで一周するというものでしたが、覚えているのは途中で飽きたということ。当時、私は語学研修での滞在中で、フェリーの上でクラスメートと宿題をしていました。もちろんダニィが希望するならもう一度行ってもよかったのですが、絶対にエリス島の移民博物館の方が興味深く、ダニィも確かにそちらも捨てがたくなったようですんなり決定。

フェリー乗り場は「グランドゼロ」の世界貿易センタービル跡からさらに(地図で見ると)下の方に進んだBattery Parkにあります。自由の女神のある島へは無料のフェリーも出ているのですが、なんとも凄い長蛇の列でした。私たちはパスがあるのにも係わらず、パス持ちの人の列も凄くて、結局1時間近くは待ったように思います。乗り場の入り口に着いたかと思うと、空港の手荷物検査のようなところに出ました。ここでまた靴まで脱がされる検査があって、やっとフェリーに乗れるというわけです。きっともう少し前まではもっともっと厳しかったに違いありません。

フェリーの上は世界各国の観光客でいっぱいでした。私たちの後ろには日本人の親子が二組(お母さんと子供たち)いて、お母さんたちの会話は共通の知人の噂話のようでした。「なになにちゃんは、どこどこの有名私立に合格したらしいわ」「あそこは上の息子さんも東大なんですって」「なになにさんのところはマニラに転勤になったんだそうよ」・・・日本人マンマ達は自由の女神像が近づいてきても関心がないみたい。

よくあることですが、テレビでも写真でも何百回と見ている有名なものは、なぜか実物よりも大きいサイズを期待してしまいますね。自由の女神もやはりそんな感じ。(ちなみに今までの旅行で一番がっかりした所はスペインのアルハンブラ宮殿でした。)自由の女神像に登るのも別に・・・という感じだった私たちはそのままフェリーを降りず、エリス島に直行。90%の人は降りてました。

そして、これは正解でした。エリス島の移民博物館は本当に面白かったです。私には今回のニューヨーク滞在で一番興味深いスポットでした。

                

このエリス島は、1892年から1954年までの間、新しい生活に夢を抱いてやってきた移民たちのアメリカへの玄関口でした。移民局だった建物が修復され、アメリカの移民の歴史を様々な形で保存・紹介する博物館となりました。建物自体も展示の一つなわけで、長旅を終えて疲れた移民たちがすぐに入国のための検査や手続きをここで受けたと思うと感慨深いものです。

先にアメリカに到着した移民たちが家族を呼び寄せ、久し振りの再会に抱き合う部屋がKissing Pointと呼ばれ、幸せな場面の写真が並ぶ一方で、体の具合の悪い人や行動のおかしな人が、検査官である医師たちに更なる検査へと洋服の上にじかにマークをつけられている写真、なんらかの理由で入国を許されず、家族と別れ離れなる人々の写真など悲しい場面の写真が多いような印象でした。戦争時の捕虜などとは違うわけで、酷い扱いを受けていたわけではいのでしょうが、写真に写る人々の不安顔は、なんだか違法入国者の収容所を思わされます。それでも、大部分の人は入国を許可され、そこから広大なアメリカの様々な地に移動していったのです。今のアメリカ国民の40%の祖先がこのエリス島を経由してアメリカにやってきたというから凄い。

博物館は、移民局についての展示、移民たちについての展示、移民後の新しい生活についても紹介しています。日本にはこういう歴史がないだけに興味深いですね。言葉や文化の違う人々が集まり、一つの大きな国を作っていったわけですよね。凄いことです。
このエリス島移民博物館はお薦め☆☆☆☆☆
まるで映画のシーンのような写真がたくさん見られますよ。

               
          9月11日の同時多発テロ事件のメモリアルモニュメント
          跡地に残っていたものを移転したとのこと。
          (Battery Parkにて)




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6 コメント

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Buon Giorno ! (suzukky)
2009-06-05 00:38:58
アメリカと移民は切っても切れないので、こうした博物館に訪れることはすごく大事なことなんでしょうね。

そして、aiaiさんはイタリア在住ですから、我々よりも「移民」とか「移住」とかに関心がより高いんだと思います。
お書きになった移民にまつわるお話、すごく興味深く読ませていただきました。

パンケーキ、残念でしたね。
やっぱりアメリカンサイズ、そしてアメリカンテイスト?!
おいしいのかもしれないけど、もしかしたらお口にあわなかったのかもしれませんね。

英会話カフェ、ローマとなると、どうしても一般的な観光地の話程度で終わってしまいます。
たまにイタリア人も来ますが、ローマっ子ではなくて・・・(苦笑)
でも、もし今後会えたら、聞いてみますね!

そして、、、
英会話カフェの類は、欧州の言語なら普段から触れる機会が日本よりもはるかに多いはずだから、ローマには無い(わざわざ作る必要がない?!)のかもしれませんね。
そういう環境が、我々にはうらやましい限りです・・・
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確かに・・・ (aiai)
2009-06-06 02:09:09
イタリア人の移民も多かったようです。移民局に着き、入国を許可されると、この建物内にはちょっとしたBarもあって、カプチーノだのパニーノだのとイタリア語表記のメニューの展示もありました。当時、イタリア人の期待するイタリアンコーヒーはなかっただろうけれど。

おっしゃる通り、大陸では他の国の言語に接する機会は豊富にあるのでしょうが、英語を話す機会を求めているイタリア人は結構いるんですよ。(イタリア人は英語は得意じゃないですからね~。)それと意外に日本語もです。だから、英会話カフェみたいなものがあってもいいように思うんですけどね。

世界中の国から観光客が集まる街ですが、外国人住人、とりわけ英語圏の人と接する機会はほとんどありません。外国人として生活していると、日常の愚痴を言い合える、外国人の友達が欲しいなと思うんですけどね。

9月からイタリア人の友人の若い女の子(ナポリっ子)が、奨学金で上智大学に留学します。そういう英会話カフェのようなところに行けば友達ができやすいかな?入会金などがあるのですか?それとも飲み物などを注文すれば、誰でも参加できるのですか?
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英会話カフェ (suzukky)
2009-06-09 01:29:14
ウチが行ってる英会話カフェは、誰でも時間無制限で行くことができ、また入会金の類もありません。
1回だけの参加でも、回数券で通うこともOKです。
あと料金にコーヒーと紅茶も含まれてるので(セルフサービス&飲み放題)、特に改めて注文する必要はありません。
ただ、別料金で他のドリンクやアルコールが飲めます。

場所は山手線内ですし、上智大学からはそれほど遠くはないので、そのナポリの方によろしければ教えてあげてはいかがでしょうか?
外国の方も日本人もフレンドリーな人が多いですから、気が合えばすぐお友達になれると思います。
もちろん、aiaiさんにも、日本にお戻りの時にはぜひ来て頂きたいです!

その英会話カフェのサイトを紹介しますね。
よかったらご覧ください。

http://www.mickeyhouse.jp/Top_Japanese.htm

aiaiさん、いっそのこと、ローマに日本語カフェ、開いたらどうでしょう?!(笑)
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日本語カフェ (aiai)
2009-06-10 18:15:35
おもしろそうですね~。Magari!できたらいいです。
以前働いていたNPO団体の活動の一つでそれに近いものを週一でやってました。それも無料でアパートを解放して、食べ物まで用意して大変でした。

有料で、飲み物くらいだして、週一ならやれそうですが、今は場所もないし、料金をとるとなると色々ややこしい問題が発生しそう。

英会話カフェの情報ありがとうございました。友達に伝えてみます。もし現れたら、イタリアテーブル再開できるんじゃないですか?
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大変そうですね・・・ (suzukky)
2009-06-15 00:51:15
イタリアという国は、ある意味、日本以上に「家族づきあい」が大変そうですね。

その上に「数が多い」「時間が長い」「同じメンバー」となると、、、
aiaiさんがおっしゃるとおり、飽き飽きされても不思議ではないと思います。
ちなみに、いとこの誕生日、ウチも全く呼ばれません・・・(笑)

話はかわって、、、

日本語カフェ、あったのですね!
てか、aiaiさんも参加されてたのですね?!
うん、無料でも大変そう・・・
お気持ち、分かります。

あと、例の英会話カフェ、ナポリからの方に1度、どんな感じか「お客さんとしてお試し」になられてはどうですか?!
(いくらか払いますが・・・)

確かスタッフの条件として、母国語のほかに「英語と多少の日本語」が分かることがあったと思います。。。

個人的にはイタリア語復活して欲しいので、ぜひぜひ!
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スタッフとは??? (aiai)
2009-06-16 04:04:57
英会話カフェではスタッフ採用みたいなのがあるのですか?
だとすると、このナポレターナは興味を示すかも。

この彼女、ローマ大学で東洋研究科とかそんな感じのところを卒業して、今大学院(イタリアではspecializzazioneと言う)をナポリ大学(東洋研究ではイタリアで一番)で就学中。陽気で少々天然っぽく見えるのですが、奨学金を受けたということは実は優秀なのかなって思っているところです。日本語能力試験は3級を合格した段階ですが、英語も専攻だったので英語もできるはずです。

さて、日本語カフェというか異文化交流会的なことを2年半ほどローマでやっていました。参加というより主催者側ですが、働いていた団体の目的は他のところにあって、だんだんと疲れてきてしまったので、仕事の方をおさらばしました。
会は楽しくはありましたが、やはり一人で始めるとなると団体がついていたときとは違うので、容易ではないでしょうね。
誰かと一緒にやれればできるかもしれませんが。

いつかもし実現したら来て下さいませ。



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