あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

ジンガリ

2008-11-16 00:46:41 | ローマの平日
前回の「ショーペロ」に続いて、「ジンガリ」もイタリアサバイバルのキーワードでしょうね。ジンガリ(zingari)とはジプシーたちのことです。引き続きイタリアの悪口を書くのもなんですが、昨日乗ったバスになんと15人ぐらいのジンガリ集団が乗ってきて、降りるまでの10分間ほど血が凍る思いでいたもので。

恐らくご存知の通り、イタリアは泥棒が多いことでも知られていますよね。残念ながらこれは本当・・・。泥棒はジンガリだけではないのですが、私は数年前にジンガリの女の子達4人にお財布を盗られて、現行犯でそのうちの一人の捕まえたのですが、私のお財布はすでに他の子が持って逃げてしまったということがありました。それ以来、ジンガリを見ると鳥肌が立ってしまい、足がガクガクしてしまうのです。彼らは服装だけでなく、私には顔も皆同じに見えてしまい、怖い思い出がよみがえってしまう。あの時迂闊にも結構な大金をお財布に入れていたのも悔しかったのですが、それ以上に個人的に大切にしていたものが入っていたので、余計に嫌な事件でした。「お金はいいからお財布だけ返して」と頼んだのですが、捕まえた女の子は「知らない」の一点張り。

私の被害歴は、この事件よりも何年も前、イタリアに初めて旅行したときに、友人のバッグの中に入れておいてもらったカメラが最初です。私のカメラは大して立派なものでもなかったので、旅行中の写真が無くなったのが一番悔しく、実際は上等なバッグを切られてしまった友人の方が被害が大きかったかもしれません。それに旅行中たくさんいい思いしたので、カメラはその代償かなくらいに思えるほどだったんですけれど・・・。

実際に物を盗られてしまったのはこの二度だけですが、鞄を切られたこと1回、鞄の中に手が入っているのを振り払ったことが1回あります。ここ数年は注意の仕方がわかってきたので何も起こらないのですが、やはりいかにもジンガリ姿の人々が近くに来ると背筋が凍ってしまいます。この前も、地下鉄に乗ろうとしたときに、扉近くのおじさんが鞄をしっかり抱えたので、私が泥棒と思われたのかとカチンときて、泥棒ではない!という風に私も大げさに鞄を抱えると、一緒にいた友人が「あ~よかった、降りて行ったよ」と。実は私と友人の後ろについてジンガリ少女が二人乗り込んできたんですね。おじさんはそれで鞄を抱えたわけで、そこへきて私も大げさに鞄を抱えたので、その二人はチッと舌を鳴らして去っていったわけです。

そして昨日。学生や教師達の大型デモがあったために、バスに遅れが出たにでしょう。バスの中は既に満員で、私が乗ったバス停の次のバス停でジンガリの集団が乗り込んできたときには、逃げて降りることもできず。私の後ろには二人のジンガリがぴったり。込んでいて彼らにむしろ押されているような状況で、鞄はなるべく上の方に掲げるように持って頑張りました。幸い私の降りるバス停では何人も降りる人がいたので、その人たちについてジンガリたちを掻き分け下車。一緒に降りた女の人が「あ~悪夢だわ!」と一言。降りた後も私は膝がガクガクでした。

このバス71番は少々治安の悪い鉄道の駅ティブルティーナ行きで、彼らが集団で乗ってきたところには有名なPiazza Vittorioの近くのメルカート(市場)があるので、ティブルティーナからメルカートにジンガリたちが買い物に行くのだと後で友達に聞きました。観光客が乗るようなバスではないので、彼らも盗みが目的ではないし、日本人にも思われないだろうから大丈夫だとダニィにも言われましたが・・・一体それはどういう意味じゃ!

前日にジンガリや貧しくて犯罪をおかすような外国人たちを扱った映画を見たのもいけませんでした。ちなみに"Il resto della notte"(Francesco Munzi監督 2008年 イタリア)という映画です。カンヌ映画祭の監督週間とかいうのには出品されていた作品のようですよ。

日本公開、ちょっと怪しいかな?