あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

"Espiazione"

2007-09-23 08:36:07 | 映画

原題はAtonment(ジョー・ライト監督)。イギリス人作家イアン・マキューアンによる同名のベストセラー小説を映画化したもの。1935年から第二次世界大戦突入後のイギリスを舞台とする物語で、キーラ・ナイトレイが演じる裕福な家に育った大学生セシリアは、彼女の家の使用人の息子で幼なじみのロビー (ジェームス・マカヴォイ)に対する恋心に自分でも気づかずにいたが、ある夜突然、お互いへの思いを知り、自宅の書斎で情熱的な初体験をする。しかし、セシリアの妹ブロイニーのせいで、ロビーは犯してもいない罪のために刑務所入りすることに。出所後も即、戦場に送り込まれたロビーを、セシリアは何年も一途に愛し続ける。

ヴェネチア映画祭コンペティション部門のオープニング作品に選ばれた作品です。英語学校主催の試写会とのことで、英語のみかと思っていたら、イタリア語の字幕つきでした。こういう場合、どうも二ヶ国語で理解しようとしてしまい、さらに理解が減りがち。この監督の作品である「プライドと偏見」では、時差ボケのせいもあったのだけれど、半分眠ってしまったという経験があるので、今回も寝るかなと思っていたら、なかなかおもしろい映画でした。時間が前後したり、果たして現実なのか、誰かの空想なのか、時々???の箇所はありましたが、それが効果的であったとも言えます。少女の頃に、初恋の相手と自分の姉との関係をうまく理解できずに、取り返しのつかない間違いをしてしまったブロイニー。彼女が一生がその償いに捧げられることになるというのがテーマです。ストーリーは悲しい展開ですが、映画のシーンが常に美しく、悲劇的には感じませんでした。☆☆☆半。