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あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

やっとローマも???

2010-06-17 04:14:15 | ローマの平日
昨日の雨のせいか、今日はさわやかな晴れの日となったので、母に頼まれていたコーヒーメーカーを買いに行きました。実家にもイタリアンコーヒー用のコーヒーメーカーがあるんですけどね。水を入れ忘れて火にかけてしまったんだそう。私も実は二度ほどやってしまったことがあるんですけれど、プラスチックの取っ手部分が溶けてとれてしまいました。親子ですね。

私も今年の初めにそれをやって、ダ二ィがネットで調べていいと決めてきたBialetti(髭に蝶ネクタイのおじさんマークのメーカー)のDama Nuovaというモデルを使っています。取っ手がシリコンで出来ていて熱くなりにくく、熱で溶けない。クラッシックモデルよりも全体的にカーブがあってモダンな感じ。これ(Bialettiホームページより)です。もっとおしゃれなモデルもありますが、使い勝手もいいし、家庭用にはお勧めモデルです。

ダ二ィはそれをディスカウントショップで約半額で買ってきました。その時のセール品だったかもと言われたのですが、お天気も気持がいいし、ちょっと行って見てくることにしました。

さて、今日のメインの話はコーヒーメーカーではありません。今までも何度か触れてきていると思いますが、ローマの公共の交通機関はとにかく腹が立つことが多くて、出かける度にどの方法が一番嫌な思いをしなくていいかが私には重要になるわけです。このお店があるのは、Viale MarconiというTrastevere駅の近くから出ている道沿いです。私の家からだと、地下鉄でPiramideかCirco Massimoまで行き、そこからTrastevere行きのバス3番に乗るか、電車では隣がTrastevere駅。多分電車が賢いかもしれないのですが、電車の駅の方が地下鉄の駅よりも遠いこと、電車の時刻を確認して出てこなかったことから、地下鉄に乗ることにしてしまいました。

ホームに出ると反対方向のホームに新しい車体の地下鉄が停車していました。落書きもなく、どうやらエアコンも入っている。今までに2、3度は見かけたかな、でもきっと一台くらいしかないんだろうと思っていると、私側のホームにも新しい車体の地下鉄が入ってきたのです。地下鉄のA線はもうこのタイプの地下鉄が普通にあるのですが、B線の方は古く、ほとんど中が見えないくらいの落書き車がほとんでです。昨年も夏中エアコンなしの暖房地下鉄に、乗るたびに「どうしてこの暑さにエアコンがないの~~、日本ならね~~」を繰り返していました。今年はもう諦め気味で文句も言う気になれませんでしたが、この夏も覚悟だなとは思っていました。



B線落書き電車



結構上手だったり!?

やはりきれいな地下鉄は気持がいい。エアコンも効いている。今日はなんてついているの♪とPiramideで降りるのはもったいなくて、Circo Massimoまで乗りました。しかし、バス3番の停留所には誰も待っている人がいなくて、「もしや?」と思ったら、通過したばかりの3番バスの後ろ姿が遠くに見えました。やっぱりそううまくは行かないなあ。どうも3番はいつも待たされる、それもかなり。

ところでこの3番、待たされた挙句、一度に3台連なって来ることが多いのです。この2週間ほどの間に、3度もそういうことがありました。ちょっとこれって問題じゃないですか。ダ二ィにもいつも「運転手たちが始発駅で一緒にタバコを一服なんていって、おしゃべりしているうちに、おっと時間を忘れてた、で一緒に出てくるんだと思うよ。日本なら翌日の新聞に載っちゃうよ」と言っているんですが、そしたら先日他のイタリア人にもバス3番はいつも3台一緒に来るってこぼしてたら、その人も私と同じ説明をしてきました。ほら、やっぱり本当なんだ。

なんてことをバス停で考えていたら、不思議なことにすぐにバスが到着。それも一台で。そしておまけにエアコン入り。(今日は随分変な日だなあ・・・。)
終点のTrastevere駅に着くと、バス3番が5台も止まっていました。やっぱり、ここでタバコ休憩、3台一緒に出発するんだと目でも確認。

さて目的のお店のあるこのマルコーニ通りは、色々なお店の立ち並ぶショッピング街。家から距離的には遠くないんですが、交通の便がいつもネックなのです。車で来れば本当に近所なんですけどね。お店の場所はきちんと調べていませんでしたが、すぐにわかりました。コーヒーメーカーもちゃんとダ二ィの買ったときと同じ値段でありました。隣のコーナーではエアコンが売られていて・・・バスだけじゃなく、うちにもエアコンがないんだけどお・・・と眺めてきました。

そうそう帰りもバス3番はエアコン付きに、座席も獲得。そしてなんと驚いたことに、帰りの地下鉄も新しいタイプのものでした。とてもあり得なさそうだけれど、もしかしたら総入れ替えをしたのかな。でもこんな大観光都市ローマで夏中地下鉄にエアコンがないという方がどう考えてもおかしすぎですよね。ローマもやっと世界の都市の基準に少し近づいたのかな。だといいんですけれど・・・。

日本勝利!

2010-06-15 04:36:26 | ローマの平日
(有料放送に申し込んでいない)うちのテレビでは日本対カメルーンの試合は見られないため、ダ二ィの実家でお昼を食べて、それから見させてもらうことになりました。着くともうテレビではオランダ対デンマークの試合中継をしていました。普段はサッカーには全く興味がなく、「またカルチョォォ(サッカー)」とまともに嫌な顔をするアンチカルチョの私ですが、オランダとデンマークは日本と同じグループなので、どんなものかとちょっと敵の観察。

どうもオランダは強豪らしいけれど、デンマークはそれほどでもないという。それでもどちらにも点が入らないまま進んでいる。オランダの調子が悪いのか、デンマークが意外と強いのか?ダ二ィに言わせれば、オランダが調子を出していないとのことだけれど、やはりデンマークも強そうだ。私たちは取りあえずランチ。今日のダ二ィマンマのメニューはナスとトマトのパスタ、生ハムの牛肉巻き、それにレタスとトマトのサラダ。イタリアの普段の食事って結構シンプル。

そして4時、日本対カメルーンの試合が始まりました。2分ほど遅れて見たので、「君が代」が聞けずに残念。国歌って外国で聞くと結構うるうるしてしまう私です。ダ二ィパパも言っていたけれど、カメルーンの人は体格がいい。でもスポーツってやはり体格だけじゃない、頭脳や戦略もとても大事って日本チームは感じさせてくれましたね。私は全然サッカーがわかりませんが、テレビの解説の人も日本はよく戦略がたてられていると褒めていました。それとずる賢いというようなことも。そうなのかな?

始まって39分くらいだったか、日本のゴールが決まりました。ダ二ィの10歳の甥も、さすがイタリア男子、サッカーは詳しいようで、「ホンダはロシアのチームにいる人でしょう?モリモトは出てないの?」なんて、私はこのホンダという選手が日本のキー選手だということをワールドカップが始まってから知りました(笑)。

1-0になってから、日本は全員守備に徹している感じ。何対何でも、取りあえず勝つことが重要なんでしょうね。それにしても日本の守備はなかなか手ごわい印象を受けました。それに対し、なんとか点を入れなければならないカメルーンは攻撃に力を入れるわけで、どきどき、はらはら、ダ二ィがいつも試合観戦をしているときに始終体がぴくぴく動く気持がちょっとぴりわかったような気がします。でも、ワールドカップは4年に1度なわけでしょう。ダ二ィがいつも見ているのは毎年、それも年中ある感じで、それを試合の度にそれだけ入れ込めるのはやはり理解困難・・・。

そして、日本の勝利!やはり嬉しいものですね。そんなに関心があったわけでも、期待もしていなかったけれど、これでこれからしばらくワールドカップを楽しめるというもの。

夜はイタリア対パラグアイの試合がありました。何と先に点をとられたイタリア。近所もとても静かでしたが、点を入れ返した途端、外から凄いざわめきが。みんなちゃんと見てたんですね~。イタリア人からすると、日本は「まあ頑張ってよ」という感じなんでしょうけれど、取りあえず日本は3ポイントでイタリアは1ポイントからのスタートです。やはりこれも嬉しかったりします。

今日はなんということか3試合も見てしまいました。

ちょっといい話

2010-05-27 01:31:02 | ローマの平日
芝居を見に行った帰りのことです。車で行かなかったので、バスターミナルのあるサン・シルベストロ広場に行くと、いかにももうすぐ発車するかというようにバスがエンジンの音をたてていたので、私たちは走って乗りこみました。

ところがすぐに発車しないんですよね。時間が遅かったせいか中は空いていて、私はしっかり座席を確保。前の方になんだか一人で大声でしゃべっているのかというようなおばあさん、見かけはホームレス、かな?しばらくすると若い男の人としゃべっている様子で「ご親切にありがとう、ありがとう」というようなことを言っている。私はあまり気に止めてなかったんですけれど・・・。

ダ二ィが「わかった?」って言うので、「えっ、何が?」と言うと・・・。「あそこに若い男性がいるでしょ、あのバルボーナ(ホームレス女性)が喉が渇いたと叫んでいたから、水を買ってくるからと運転手に話してバスを待たせ、水を買いに行って彼女にあげてたんだ」と。だから感謝していたんだね。そしてバスもすぐに発車しなかった。

ホームレスやジンガリ(ジプシー)達が乗ってくると、汚かったり、臭かったりすることが確かにあって、大概の人は顔をしかめるのですが、この若い男性はバスを降り、水を買いにいってあげたんですね。眉間にしわを寄せて言い合いの場面を見ることの多いローマで、久しぶりに心が温まる感じがしました。

お顔を拝見したいと思ったのですが、スーツにネクタイという若い会社員風のこの男性、自分の行為がちょっと照れくさかったのか、ずっと手にしていた書類のようなものに目を向け続けていました。横顔がさわやかな素敵な青年でした。


蜂に刺されたら・・・

2010-05-25 02:04:33 | ローマの平日
ダ二ィのマンマの友人の農家を訪ねました。写真はお庭の立派なブラシノキ。皆で鑑賞しているとき、「ほら、たくさん蜂がいるから気をつけなさいね」とその家の奥さんに言われていました。確かによく見ると蜂が飛んでいるなあくらいに思いながら、もうそろそろおいとまという時だったので、木を背景に記念撮影なんかをしていました。突然、小指の下のあたりが、ちくちく痛いというのか痒いというのか、そんな感じがしてきたかと思うと、そのあたりが熱くなってきました。もしや・・・。でもこの場の雰囲気を壊すのはまずい。でももし今我慢して帰る途中で迷惑をかけることになったら・・・。

こそこそっとその家のご主人に近づき、「もし蜂に刺されたら、どうなるんでしょうね」と聞いたところ、当然「刺されたの?」という答え。「ちょっと小指の下辺りが刺されたのかな?って感じがするんです」というと、奥さんの方が「ちょっと、おいで」とキッチンに連れていかれました。そこで出てきたのがニンニク。帰りの車の中に匂いが漂うほど刺された箇所にニンニクをすり込まれました。「蜂に刺されたら、これが一番」とのこと。

その奥さん「主人がね、以前蜂に刺されて危うく死ぬところだったのよ」。アレルギーショックで意識不明になり心臓マッサージまでして一命をとりとめたとか。「刺されたのが主人じゃなくてあなたでよかったわ。まあ大丈夫かと思うけど、万一目が回り出したら救急病院に行きなさいね」と言われました。初めて会った人に「蜂に刺されたのがあなたでよかったわ」などと言われたのも変な感じでしたが、私だったのは構わなくても、目が回ってきたらどうしようと不安にされたのも確かです。

皆の所に戻ると今度はダ二ィマンマに「どこを刺されたの?」と手をひっぱられ、今度は彼女の金の結婚指輪で刺された箇所をこすられました。「蜂にさされたら金がいいのよ」だそうです。車の中でもこすっていなさいと、ニンニクプンプンの小指の下を指輪でこすり続けることになりました。

結果として、家に着くころには痛痒さも腫れも確かにひいていました。ニンニク効果か金の効果かそれとも両方かそれはわかりませんが、まあ助かりました。
イタリアでは蜂に刺されたらら、ニンニクか金を探してみてください。


ブラバ シニョーラ!

2010-05-23 20:58:53 | ローマの平日
毎週日曜日の朝、ポルタポルテーゼに大きな蚤の市が出ます。ダ二ィは行かれるときは頻繁に行きますが、私はどうもお店で買う方が好き。安物の中に掘り出し物があったりするのはわかるのですが、どうも人ごみを掻きわけて・・・というのが苦手。それとダ二ィはいつも買うものが頭にちゃんと計画されていて、目的のところへまっしぐら、私はぶらぶらしながら気にいったものを見つけたいタイプ。そんなわけで行くなら一人の方が買いものがしやすい。

というわけで、今日はダ二ィが仕事だったし、天気も良かったし(実際は暑すぎて買いものどころではなかった)、仕事の行きがけに途中まで車にのせてもらって、それから一人ででかけました。そんなわけで「行きはよいよい」だったわけですが・・・。

帰りはバス3番に乗り、地下鉄の駅のあるピラミデで降り、そこから地下鉄と決めました。実は昨日ブログを書きかけて間違って消してしまったのですが、昨日電車で同じ地区から帰ろうとしてさんざんな目にあったのです。

バスはすぐ来ましたが、大勢の人が待っていたのでなかなか来なかったのでしょう。中も少々込み合っていました。私は一番前の扉から乗り込み、一番前の席の前あたりの手すりにつかまりました。ローマのバスでつかまるところのないところに立ってしまうと、私は揺れや急停止などで転んでしまうのです。(日本のように「はい、止まりま~す、つかまってくださ~い」なんて言ってくれませんからね。)

混んではいたものの、私の周りみもスペースが全くなかったわけではありません。なのにもかかわわらず、ドアのところには5人くらいの人が占領して、次の停車駅では乗ろうとする人を乗せないようにしているようにすら見えました。実際、ドアにへばりついているようなおばさんは、乗ってこようとする人に「ここは満員だってわからないのか」と後ろの扉へ行けというようなジェスチャーをした後、「なんてバカなやつ」と言いました。私は心の中で(あなたたちが一歩移動してあげれば、一人でも二人でもまだ乗れるのに)と思っていましたが、そんなことを言う勇気もないので、自分で奥に下がることでわからせようとしましたが、あんな言葉の悪い人たちに通じるわけもなく。でも「バカなやつ」には本当に気分が悪くなりました。反対の立場ならあのおばさんは絶対に無理に乗り込んでくるタイプだなとも思いました。

そしてまた次の停留所。若い運転手はドアにへばりついている感じの悪い人たちを助けるように、乗りかけてきた人たちの腕がはさまっているのに、扉を閉めようとしました。長く待たされていたその人々は、「中の方は空いているじゃないの、もうこれ以上次のバスも待てないから」と乗り込もうとしているところに、ドア付近の人々が「無理無理」というように外へ押し返している。そのとき、一番前の座席に座っていた60代位のおばさんが、手すりに腕をのばしてつかんでいて乗る人を通さないでいた男の人の腕をつかみ、「この腕をどけなさい、だからこの人たちが乗れないでいるんじゃないの、こんなに後ろにスペースがあるのに、どうしてちょっと移動して一人でも多くの人をのせてあげようとしないの」と大声で怒鳴りました。込んでいたバスの中は一瞬し~んとしました。私は自分が言えなかったことを言ってくれたおばさんに対し、とても恥ずかしい気持にもなりました。込んだバスで、それでもそのおばさんに味方しようと声をあげるひともいない。目がちらっと合ったときに、「シニョーラ、全くあなたのおっしゃる通りです」とせめて言ったら、「当たり前じゃないの、私が正しいわよ」とまた興奮してしまいました。

ドア付近の人々はそれでも動かない。腕をのばしていた男の人はどうもイタリア人ではなかったのですが、彼女らしき人と一緒ににやにやして無視。乗ってきた女性は大きな荷物を持っていたのですが、彼らが邪魔で中に入り込みたくても荷物がひっかかったまま、さらに人々の通りを邪魔する形になってしまっている。注意したおばさんはますます怒りが増して、「どうして荷物を中に通してあげないの」と怒り続ける。荷物のおばさんもそんな状況にいたたまれなくなったのか、「シニョーラ、あの人たちは外国人だからわからないのですよ」と言いましたが、「外国人だなんて関係ないよ、イタリア人にもああいう人はたくさんいる、それに言葉じゃなくて、見たら中が空いていることなんてわかることでしょ」と怒り続けました。ごもっとも。

その次の停留所でそのおばさんは降り、荷物のおばさんがその席に座り、次の停留所では私も降りなければなりませんでした。私のすぐ隣にいた中年の女性は、どちらかと言うとなるべく乗せない派に賛成だったのか、なんだか不満そうな顔をして、揺れるたびに私の方に押し返してくるのを感じました。なので、そのおばさんの横を通り後ろから降りるのは困難、前には例の人々がまだいる、そんなわけで降りられなければ降りられるところまで行って引き返そうとまで思っていました。でもなんでこんな犠牲をしなきゃならないのかと自分でもバカらしかったりもするんですけどね。なんだか人の言い合いとか、眉間にしわを寄せた顔だとか、そういうのを見ることがローマでは本当に多くて、これが大ストレスな私は、面倒くさい方法でもそれを避ける方法を選びがちなのです。

ピラミデに着くと、そこにも大勢待っている人がいました。勇気を出して前の人に「もし可能なら、ここで降りたいんですが・・・」と言ってみた。そしたら乗りかけていた人が「降りる人がいるからちょっと待って」と後ろの人に声をかけ、道をあけてくれました。これが普通なんじゃないですかね。その普通がとても特別に感じてしまうここの生活。私はいまだに慣れないし、いまでも涙が出ることいっぱいです。怒りと悲しみのまざった感じというのでしょうか。

またも泥棒話

2010-05-09 07:48:32 | ローマの平日
久しぶりの友達に会いました。近くに住んでいるのに、なんだか都合のいい時が合わなくて、今回はお互いに無理に「じゃあ、明日!」で決めました。ローマ生活は7年目に入りましたが、若い時の海外生活と違って、なんでも話せるとか、自分をさらけ出せるっていう友人を作るのが難しくなりましたが、彼女は数少ないそんなお友達なのです。

この彼女は普段は聞き上手タイプなのですが、今回は驚くほどのおしゃべりでした。最近失くし物が多くて、不運が続いた事件について誰かに話したくて仕方がなかったのでしょう。今回もクレジットカードを失くして、その再発行にうちの近くの銀行に来たので、待ち合わせをするに至ったいうのが本当のところです。

さて、泥棒のお話でしたね。とは言っても、このクレジットカード紛失事件は泥棒によるものではなさそうです。お財布はなくなっていないんだそう。実は被害者は別の方。この運の悪い週に、仕事の帰りに彼女が乗ったバスは身動きがとれないほどの満員でした。バスの車輪があるためにちょっと床が突出している部分があるじゃないですか。彼女はそこに押しつけられる形で立っていたところ、背中を伝わって動く腕の感触を感じたのだそうです。その腕は彼女の背中を通り過ぎ、横にいた背の高い外国人のような人が背負っていたバックパックの中に入って行ったのだそう。不審な動きにその場面に気付いてしまった彼女は、言葉を発しようとしたのだけれど、犯人は後ろにいた体のでかい二人組、とっさに恐怖心でいっぱいになりました。それもこの二人組は、彼女を脅かすように後ろからぐいぐいとさらに押してきて、他の人に助けを求めようにも身動きさえとれなくなってしまいました。彼女曰く、その窃盗場面に気付いた人は他にもいたはず、でも誰一人協力してくれようとしなかった。恐怖感とそして身体的にも押しつぶされていた彼女は、そのまま犯人を見逃がし、財布を盗まれて困っているだろうあのバックパック青年への罪悪感にさいなまされたわけでした。巨体の泥棒に対抗して後で仕返しでもされたら・・・怖くなるのは当然、間違っているのはそんな泥棒たちが頻繁に出没するような社会・・・と慰めましたが。

なんていう話を聞いた矢先の昨日のこと。私は混んだ地下鉄に乗りました。かなり混んでいたので諦めようかなと思いましたが、結構待たされた後での到着だったので、東京風に乗り込んだわけです。(ローマの人は結構諦めて次のを待つんですよ。)近くには英語で話すおじさんが家族だか何人かのグループでいました。最初はどうも娘さんのような人がが離れたところで騒いでいて、このおじさん「わしには今どうしてもやれないよ!」なんて叫んでいたのですが、そのすぐ後このおじさんの方がお財布が見当たらないことに気付いて騒ぎ出したのです。おじさんの後ろにいた見るからに観光客風の青年の上着をめくってみたりして、どうやら周囲を疑っている。隣にいた私にも不審の目が。騒ぎ始めてすぐにそのことに気がついたので、私は両手を自分のカバンを抱えるようにして、関係ないんだとういうことを態度で主張していましたが、私も明らかに外国人なので、こんなときすぐに疑われちゃうんじゃないかなって心配になるんですよね。あ~それにしてもどうしてこう泥棒が多いの!?

少し前のことですが、道を聞かれてちょっとあやふやだったけれど教えてあげたという話を「どうして見るからに外国人の私に聞くんだろうねえ」と日本人の友人に話しました。そしたら「知らない人に話しかけられても答えちゃだめなんだよ」と言われました。実は親切に道を教えてあげた人が、相手にありがとう、ありがとうと無理に握手をされていたところに現れたのがニセ警官。「今麻薬を渡しただろう」と色々とパスポートだけでなく財布まで調べられ、一旦手放した財布は返らないという窃盗のお話。外国で、制服姿の警官に取り調べられたら、気が転倒してしまい、まともな考えができなくなるだろうなと、私も絶対被害者になるとうなづいてしまいました。

大金を持って歩かないってことですが、被害が小さくても、物を盗られるって本当に気分が悪いですよ(経験者)。被害にあったのはローマに来てすぐの頃でしたが、泥棒を避けようと今は私もどうも人相が悪くなってきて、これは確かに効果的ですが、人相を直す方が難しくなってきてしまい、どちらがいいのか悪いのか。


雪が降りました

2010-02-12 22:50:47 | ローマの平日
朝まだ熟睡中にダ二ィに「雪だ、雪だ」と起こされました。前日でテレビでそんな予報をなんとなく耳にしていたような気はしていましたが、前回の雪が1985年、つまり35年前ということでローマの人々には驚きが大きかったようです。私は「後5分~」で、実際何分、いや何時間?たったかわかりませんが、私が起きた時にもやはり雪はまだ降っていて、うっすらと積もってもいました。私とて雪を見るのは久しぶりでしたので、「あ~きれいだな」としばし見入ってしまいました。

日本の雪予報もネットニュースで見たし、ホワイトハウスのあるワシントンDCも大雪で大変らしいですね。やはり環境が変化していっているのでしょうか。ここローマはお昼前にはもう雪はやみ、今は太陽も出ていい天気です。(洗濯物が干せる

でもやはりいつもより寒い感じです。家のセントラルヒーティングは午後2時にならないとつかないので、朝は小さな電気ヒーターをつけていました。そこへ洗濯機を回し始め、パソコンはつけっぱなし、家の中が暗いので電気をつけ、お湯で洗いものをしていたら、プツン、全てが止まりました。ブレーカーは建物の一階の入り口の近くにあるんですよ。あ~こんな恰好でどうしよう、でも着替えるのも面倒。結局コートをひっかけ、誰にも会いませんようにと祈りながら急いでエレベータに乗りこみ、泥棒のようにこそこそ、すばやく仕事を済まし、誰にも会うことなく無事帰還しました。

日本ではゴミ出しなんかに、このこそこそ、すばやくという作業がありましたが、ここローマは「今日はゴミの日」なんていうのがないので、久しぶりのスリル感でした。

ローマでコーヒーを飲むなら・・・

2010-02-10 20:13:44 | ローマの平日
外国に行くと、その国の香りというのがあるような気がします。イタリアは私にはコーヒーですね。その香りがすると「あ、この国に来た」みたいな。(ちなみにイギリスは洗剤のような匂いなのですが・・・。)

ダ二ィの姪っ子の日本語のレッスンの後、帰り途にローマの中心部を経由するので、ローマで一番おいしいコーヒーが飲めるというバールに寄りました。といっても、私はコーヒーではなくて、コーヒー豆のチョコレートコーティングのお菓子が目当てだったんですけど。
このお菓子、行けばすぐにわかりますよ。たくさん売ってますから。

さて、このバール、Sant'Eustachioと言って、その名の通りSant'Eustachio広場(ナボナ広場の近く、カラヴァッジョオの祭壇画で有名なS.Luigi dei Francesi教会のすぐ近く)にあります。確かGran Caffe'というのが有名なおいしいコーヒーです。少々お高めですけどね。日本語サイトは工事中でしたが・・・こちら

            
            いつもこんな風に混んでいます。外国人旅行者も多いです。

私もローマに来た頃、ローマで一番おいしいコーヒーが飲めるのはこのバールを教えられましたが、好みは人それぞれ、私は実はパンテオンのある広場にあるTazza D'Oroというバールのコーヒーが一番おいしいと思います。バール自体も老舗風でムードもあるし。お値段も普通。ここのコーヒーグラ二―タもおいしくて有名です。濃厚でコーヒーの苦みがありますが、パンナ(生クリーム)を下と上と両方に入れてもらえば、まろやかな味になります。いつ見ても美しいパンテオンを眺めながらのグラ二―タは天国天国!
ここではブルーマウンテンコーヒーが少々お高めですが飲めます。日本人にはおなじみのブルーマウンテンですが、イタリア人は結構知らないんですね~。よく「Tazza D'Oroにブルーマウンテンって特別なコーヒーがあるの知ってる?」なんて話題が自慢げに出ることがあるんですよ。それが「マウンテンブルー」になったり、「ブラックマウンテン」になってたりと笑ってしまうのですが。でも実際イタリア人のお口にはあまりあわないみたいです。
こちらもどうぞ。

そしてもう一か所。Castoroniのコーヒーもお勧めです。うちで飲むコーヒーはいつもCastroniです。スーパーでも売っているIllyのコーヒーもおいしいと思いますが、それよりもずっと安くておいしいのがCastroniのコーヒーです。Castroniは輸入品もたくさん扱っているお店で(日本の明治屋みたいな感じかな)、日本のものも結構売っているのですが、お値段はお高めという印象。でもコーヒーは安い。ローマには何か所もあります。
こちらにホームページがありますよ。
Castroniでコーヒーを買うと、挽きたてのコーヒーの香りがものすごくて人が振り返るほです。ダ二ィがコーヒーを買って帰ってくるときも、ドアを開けたとたんにわかります。

というわけでローマのコーヒー是非お試しください。イタリアはどうも各地でその土地のワインやらチーズやらがあるように、コーヒーもそんな感じですね。おいしいコーヒーではナポリも有名らしいのですが、そのコーヒーはローマでは売っていません。
昨年11月に北部の町ロベレートという小さい町に行きましたが、そこにはBontadiというコーヒーがあって、町中どこのバールもBontadi一色なのですが、これもなかなかおいしかったです。ローマでは売っていないので残念ですが。イタリアはビジネス優先でなく地方の味を大事にしているのですね。

季節がきたらジェラート屋さんの紹介をしたいと思っています。
イタリアには不満も多いけれど、コーヒーとジェラートややはりイタリアじゃなきゃというのは認めざるを得ないです。


Mi dispiace...

2010-02-07 01:44:51 | ローマの平日
私は土曜日だけローマの日本文化会館でアルバイトをしています。今日は来週から始まる日本語コースへの支払い・登録の最終日でした。最近、イタリア人の日本語学習熱は上昇中で、文化会館の日本語コースも大人気です。今回始まるコースは、定員次第締め切り、つまり早い者勝ちなのですが、追加クラスを設置されても、まだ参加希望者がいます。そんなわけで、本日は入りたくても入り損ねてしまった人々からの苦情電話処理という特別なお仕事がありました。

だいたい皆さんそろって同じようなことを言ってきます。「以前に問い合わせをしたら、これこれこうだと言われ、あの時にこれこれこうだと言ってもらえていれば、こうはならなかった」と相手の非を主張するようなセンテンス。そしてゴネ勝ち社会のこのお国では、何度も同じことを繰り返して言いまくり、相手を観念させて、そういうわけなら今回は特別ということで・・・という結果を期待するわけですよ。

私の場合、決定権のないアルバイトの身分の上、もう締め切りましたと伝えるようにとの指示を受けているだけなので、そうつっぱねるしかないのですが、そこで日本人流に「もうしわけございませんが・・・」の態度で向かうのが一番効果的です。相手のゴネ作戦に対抗せず、辛抱強く話に耳を傾け、「ふんふん、そうでしたか、Mi dispiace、お気持ちは察します、本当にMi dispiace、次回は9月にまた開講しますので、お早目に文化会館のサイトをご覧になったり、何度かお問い合わせを試みてください」とこちらもお気の毒に的センテンスを繰り返す。そうすると感情派のイタリア人たちは「とてもご親切にどうもありがとう」と最後には感謝さえされて終わるというのが大概のケースです。途中はもちろん辛抱強く話を聞かなければならないし、「これだけ日本語を勉強したいという人がいるのは、そちらにとっては嬉しいことでしょう」とかそんな話にもなり、「ええ、ええ、お陰さまで、お陰さまで」と感謝のセンテンスもちらばして、「うちの娘は日本が大好きで、これもやって、あれもやって、だから日本語も本当に勉強したがっていたんですよ」なんていうのも多く、「それはそれは優秀な娘さんで、折角やる気があるときにこんなことになってしまってMi dispiace...」etc.etc.

この "Mi dispiace"、「残念ですが」「お気の毒ですが」「遺憾に思いますが」といった意味になると思うのですが、自分側の非になる言葉は言いたがらないイタリア人はあまり言いません。「すみません」に当たるのは恐らく"Mi scusi"になると思うのですが、こちらなどはまず言いませんね。ゴネ勝ち社会は、苦情を受けた側もわかっているせいか、最初から聞く耳などもたず、ぴしゃっと厳しいことを言ったり、時には逆切れをすることもあります。日本人は正当な理由でクレームをしようとしても、イタリア人の逆切れに負けてしまうという人が少なくないのではないでしょうか。日本では結局は無理と言われようが、「申し訳ございません」という言葉が聞けるわけですが、こちらでは自分が悪くなかったはずなのに、反対に切れられてなんだかどっちがクレームをつけてられていたのか・・・という結果に終わったりする。

なので電話もかけてくるときは相手も始めは強い調子なわけです。相手にぴしゃっと言われることを想定して戦闘準備を整えてかけてくるからでしょうね。そこで「ふんふん」と耳を傾け、「それはお気の毒でした」と共感を示し、「お電話ありがとうございました」で終わらせようとすると、相手は慣れない親切な対応に感動すらし、こちらは感謝されて終わるという流れ。イタリア人同士も同じようにすれば気持よくすむと思うのに、どうしてできないのかしらといつも疑問に思います。

日本の場合はお客側にいるときはいいのですが、クレーム対応側になるのは辛いですね。日本人はどうもぎりぎりまでは我慢して、本当に怒りが頂点に達したところでクレームしてくるんじゃないでしょうか。「申し訳ございません」は当たり前に聞くことになるので、大した意味をもたないわけでしょう。クレーム処理は日本の方が怖いです。

なんだかイタリア人がかわいらしく思えた日でした。

泥棒だったの!?

2010-02-03 21:56:12 | ローマの平日
相変わらずモザイク教室に通っています。昨年度よりはやる気度は下がっているんですけど、ここで辞めてしまうと後で「しまった」ということになるかもしれなくて頑張っています。

ところで先週のことです。泥棒事件がありました。クラスメートの一人がバッグを盗まれたのです。中にはお財布から携帯から家のカギまで入っていたそうですよ。本人は笑って語っていますが、こんなに大勢の人のいるところで、堂々と盗みをやってのけたこの泥棒、私は目撃できなかったのがとても残念。

というのも、教室のかなりの人が泥棒を目撃していたのです。教室の入口の近くにコートなどを掛けられるようなところがあるのですが、そこの椅子に荷物を置く人もいて、被害者の彼女もその日そこに荷物を置いていました。そこでカバンなどをごそごそ見ていた男性(イタリア人ではなかったようです)に多くの人が気付いていました。それでもそれぞれが「多分誰かの友人だろう」と思い込んだというわけです。そしてカバンを持ち去ったその男性を廊下でも「ちょっと変だな」と一瞬思って目撃した人々もいたのです。これは全て後日談なんですけれど。

問題は皆が皆、何か変だと感じているのに、「まさか」と問題をポジティブな方に解釈してしまったことですね。あまりにも堂々と大勢のいる前での犯行だったので、誰もが問題視しなかったのです。

私はその日、その教室にずっといたのですが、事件が起こっていたことすら気付かないほどに作業に集中していました。皆が騒いでいたことすら覚えていないのです。
(これでは次は私が被害者だなあ。)

そんなわけでカードを配られ、写真を貼ってくるようにとの指示がありましたが、入口で誰かがカードをチェックするわけでもなく、これでは相変わらず誰もが入ってこれてしまうのでは・・・いつもながらイタリア人の考えることはよくわかない。(頭痛・・・)

それにしてもさすがは泥棒国。この国の泥棒さんたちはなかなか手ごわいです。