たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

アニメーション紀行『マルコ・ポーロの冒険』-第1話はるかなる旅立ち

2021年07月25日 01時01分40秒 | ミュージカル・舞台・映画
 1979年4月から1980年4月にかけて、毎週土曜日の夜NHKで放送されました。アニメーションと実写ドキュメンタリーをあわせて、17歳に旅に出たマルコ・ポーロの『東方見聞録』をもとにしたオリジナル番組。NHK特集『シルクロード』と共に、地域性もありますがたった5分一人で電車に乗ることすら冒険だったわたしに、世界は広いのだということを教えてくれました。毎週土曜日が待ちきれず、ストーリーをメモリながら夢中でみました。すっかり忘れていましたがファンクラブもあり同人誌に名前だけ参加したりしていました。徳間書店発行の『マルコ・ポーロの冒険』も購入しました。マルコの声が富山敬さん、フビライが森山周一郎さん、ナレーションが小池朝雄さん、小椋佳さんの主題歌、挿入歌の歌声と共にAnotherWorldに旅立たれた方々の声を今も思い出すことができます。

 2020年12月4日現在でフィルムは全話残っていることが確認され、第2話のダイジェスト動画がNHKのサイトにアップされています。アーカイブ発掘中で半分以上は視聴者が提供した音声と合体されて映像化することが可能だそうです。わたしと同世代、少し下の根強いファンがたくさんいらっしゃるんですね。

アニメ&実写『マルコポーロの冒険』全映像がフィルムで!
https://www.nhk.or.jp/archives/hakkutsu/news/detail282.html

「第1話はるかなる旅立ち-

 1269年。
 ヴェネチアに、二人の男が長い旅を終えて帰ってきた。宝石商人のニコロ・ポーロとマテオ・ポーロの兄弟である。
 15年ぶりの二人の帰国に、街はわきかえっていた。だが、旅の途中に知った息子マルコの誕生と妻の死に、ニコロの胸中は複雑だった。
 はじめて対面した父と子の間に15年の空白がたちはだかった。
 父の帰りを待つ孤独なマルコにとって最大の楽しみは、東方の国々の話を、父から聞くことだった。しかし、母の死後、父へのあこがれは、少しずつ変化をとげていったのだった。
 世界の宝物も、元の王フビライ・ハーンの通行証「黄金のパイザ」も、父に対する反抗心を深めるだけたった。そんなマルコに、ニコロは黄金のパイザの重さを、海を渡り砂漠を越え、太陽に焼かれ風にひきさかれる旅の重さをわからせてやる、と心決めるのだった。「自分の運命を自分できりひらけるのは、真の勇気のある人だけ。あなたもニコロの子、ヴェネチアの中だけで終わる男ではない。母さんもそれを望んでいたわ・・・」。叔母フローラの言葉にマルコの心は動きはじめた。
 ニコロとマテオは、東西交流の使者としてフビライとの約束を果たすため、再びモンゴルへ出発することとなった。ニコロの心残りはマルコだった。15年間、何もしてやれることなく、今また別れなければならないのだ。
 兄の気持ちを察したマテオは、マルコを旅に誘うことを提案した。
 「世界の限りない広さと素晴らしさを、マルコに教えてやるんだ!!
 二人は決断した。
 1271年。一行は遥かな旅に発った。時に、マルコ・ポーロ、17歳。

 フローラ(ゲスト出演)は、ニコロ、マテオの妹で、マルコの母親がわりをつとめる。父のように強い男になれ、とマルコに旅立ちをすすめる。

 国名:イタリア 脚本;金子満 絵コンテ;もりまさき、川尻善昭 作画;川尻善昭
 仕上;西山誠 フローラの声;鈴木弘子」(徳間書店『マルコ・ポーロの冒険』より)

 「黄金のパイザ」という響きにワクワク感がよみがえってきます。「黄金のパイザ」は、小椋佳さんの歌にもなっています。放送当時はドキュメンタリー部分にはあまり興味がなく、アニメーションに心躍らせていました。マルコのたどった道のりは、現在外務省から渡航中止勧告が発令されている中東の紛争地域だったり、
1991年にシルクロード天山南路を旅して、ウルムチからカシュガルまでのバスで走りました。叶うならば今の自分でもう一度全話みてみたいです。

旅の思い出写真_シルクロードの子供たち
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/402d720bfc7318e9058f414d6226012d

 最近のことはすぐ忘れてしまうのに昔のことはよくおぼえている、長期記憶に強く短期記憶が弱いのは老いてきた確たる証。どこまで時間が許されるかわかりませんがこの世にいる間にできるだけこれまで出会ってきた歴史をたどり直したいし、自分が自分でいられる間に自分の手で背負っているものを整理していきたいと思います。てんがいこどくとなった自分でたどるのはつらさもありますが、人生という旅を終える前にたどり直したいです。

この記事についてブログを書く
« 『カール・ロジャーズ入門-... | トップ | ブロードウェイミュージカル... »

ミュージカル・舞台・映画」カテゴリの最新記事