たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

旅の思い出写真『ロマンティック街道』_ローテンブルクの街並み

2020年04月11日 09時09分20秒 | ドイツロマンティック街道とスイスアルプス
(『地球の歩き方‐南ドイツ編』より)

「ドイツが見えてくる旅のお話~ドイツの看板

 ドイツの街をぶらぶらと歩くのは楽しい。何度も旅した人でも歩くたびに楽しい発見がある。ましてや初めてドイツを訪れた人には、見るもの聞くものすべてに強烈な異文化の香りを味わうことだろう。街でまず目につくのはお店の前に掲げられた看板である。昔は単なる実用品で旅人の目印として役立てばよかった。しかし今では精巧な細工によって装飾品、いや芸術作品になっている。これは金細工のマイスターの手によってできるのだろうか、あるいは鍛冶屋だろうか。いずれにしてもマイスターの国ドイツならではの作品である。

 ドイツで看板といえば、何はさておきロマンティック街道のローテンブルクである。町なかの看板を見て歩くだけでも楽しい。特に市庁舎前の広場からSchmiedgasse鍛冶屋小路にかけての商店街の看板が見ものである。この町では看板を付ける高さ、場所、大きななどが統一されているようで、それでいながら商店のデザインは個性豊かな都市景観となって、観光客たちを魅きつけている。例のマクドナルドの看板もすっかりローテンブルク流に溶けこんでいる。そのいくつかをここで紹介し、簡単なコメントをつけたいと思う。ローテンブルクを訪れる読者のみなさんは、この看板にも目を向けてもらえたらと思う。

 ローテンブルクは名だたる観光地だけあって、やはりホテル、ガストホーフが目につく。

 代表的なものとしてホテル・ティルマン・リーメンシュナイダーを挙げる。おかみが日本に住んだことがある由で、このホテルはいつも日本人でごった返している。看板はライオンが何かを掴んでいる。よく見るとそれは赤い城壁をデザインした紋章だ。赤い城、つまりそれはローテンブルク市(赤い城を意味する)の紋章なのである。ホテルの場合、看板を見ればその名前(屋号)までわかることが少なくない。1年中クリスマスグッズを売っているお店の前に、変な看板がぶら下がっている。よく見れば鉄でできた帽子Eisenhutであり、ホテル「鉄帽子館」なのである。そのほか熊が描かれていればHotel` Baren、つまりホテル「熊の屋」、また金色の鹿の看板がぶら下がっていればGoldener Hirsch「金鹿館」というわけである。

 次は薬屋。マルクト広場の華麗なゲオルクの泉の前にあるマリア薬局。コップに描かれた印は何だろう。杖に蛇が巻きついているのはアスクレピオスの杖と呼ばれ、ヨーロッパ中の薬屋のマークになっている。ギリシア神話の医の神の名前に由来するが、蛇と医薬のかかわりは蛇が毎年脱皮するのが若返りを連想させるのではないかと言われている。

 ひとめ見ればワイン酒場とわかるのは、Burgar Kellerと呼ぶワイン酒場である。中央にワイングラスがあり、その左右にブドウの葉とつるが描かれたデザインは典型的なワイン酒場の看板である。

 パン屋は、二匹のライオンが支え王冠をかぶっているBrezelがパン屋のマークとなっている。私はこれを「8の字パン」と呼んでいるが、ロマンティック街道のあるバイエルン州など南ドイツでよく食べる。塩味の効いた8の字パンはビールのつまみによく合う。その下のプレートには「パン屋・カフェ」と書かれている。

 そのほか鍛冶屋小路からいくつか挙げれば、銀行までハーモニーのとれた看板を出している。ドレスデン銀行の先にあるグリフィンという架空の動物の看板は旅館。体はライオンで頭と翼がワシである。

 ともかくローテンブルクではメルヘンチックな看板巡りをおすすめしたい。

                             藤代幸一」




 わたしが当時持っていた解像度の低い携帯電話で撮ったのはこの2枚だけなのですが、ドイツの看板で検索すると可愛い画像がいっぱい。癒されます。

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