たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『レ・ミゼラブル』-2度目の観劇

2013年06月24日 22時59分17秒 | ミュージカル・舞台・映画
新演出版、もう一度みたくなって本日夜の部観劇しました。

下層社会に生きる人々の物語が幾重にも折り重なって展開されていきます。
一人一人が主人公。
せつなく、心にしみいる宝石のような場面の連続、楽曲の余韻がいつまでも心に残ります。

一生懸命生きていかねばなあ、と心を新たにしてくれる物語です。
25年前の初演を見た時には若くて大きな喪失体験もなく、よくわかっていませんでした。
年齢を重ねて色んなことがあった今、その奥深さがより深く心に入ってきます。
観客である私たち一人一人も役者さんたちと同じ時間と空間を共有し共に生きる。

日常生活の雑事を離れ、普遍性をもつ力強い生の舞台に触れる時間をもつことは大切ですね。


戦う者の歌が聴こえるか?
鼓動があのドラムと響き合えば
新たに熱い生命が始める
明日が来た時 そうさ明日が!
              ♪
 
(「民衆の歌」より)


ファンティーヌがコゼットを思いながら神に召されていくシーン、ちびっ子ガブローシュが撃たれるシーン、仲間を失い一人生き残ったマリウスがカフェ・ソングを歌うシーン、マリウスへの届かぬ思いを胸に最後までりんと生き抜いたエポニーヌ、己の正義を貫き最後は自ら死を選んだジャベール、前科者で司教に救われたことをきっかけに生まれ変わり、ファンティーヌとの約束を果たしてコゼットを守り誇り高く生き抜いたジャン・バルジャン・・・。



「『レ・ミゼラブル』の群像劇は、端役にすぎない人間たちが無限をめざす物語といってよいでしょう。そこには、より良き社会とより良き人間を切望する大いなる祈りがこめられています。恐るべき震災が日本を襲ったいま、ともすれば挫けそうになる精神を、『レ・ミゼラブル』の遠い無限をめざす物語が少しでも励ましてくれるような気がします。」
 (2011年・帝国劇場100周年記念公演『レ・ミゼラブル』プログラムより)


「登場人物たちは、波乱の時代を生き抜こうと踏ん張りながら前に進む。その熱いエネルギー
が今、私たちに必要なのかもしれない。」
 (2013年6月23日・産経新聞・美の扉「波乱の時代 リアルな舞台で共鳴」より)



7月10日の千秋楽までチケットは完売となったようです。
こうして観劇を楽しむ時間が持てたことに感謝、そして出演者の皆さんが怪我や病気なく、最後まで走りぬけられることを祈りたいと思います。





  


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