たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『1789バスティーユの恋人たち』より

2016年04月24日 22時40分23秒 | ミュージカル・舞台・映画
あまり秘密警察らしくない、アルトワ伯爵の手下なのにオランプをかばいたい、絶妙演技がたまらない坂元さんのラマール警部の「オランプちゃーん!」と、美しすぎるマリオネットの古川さんロベスピエールのの横顔が頭の中でぐるぐるまわっています。登場人物が多いのでまとまったものを書くことはできず、つらつらと思いつくままに少しずつ・・・。
(もしこれから観劇予定の方が読んでくださるとちょっとネタバレ注意かもしれません。)



写真はすべて東宝の公式FBからの転用です。


トップの写真は、小池君ロナンとパレ・ロワイヤルの民衆たち。
パリに出てきたばかりのロナンは無一文で、パレ・ロワイヤルに野宿します。

パレ・ロワイヤル=
「オルレアン公の私邸であるが、商人に解放され、さながら歓楽街と化していた。アントワネットとフェルゼンが運命の出会いをした「オペラ座」も、当時はこのあたりにあったらしい。」(池田理代子『ベルサイユのばら大事典』2002年集英社発行より)


歓楽街の雰囲気を表現するアンサンブルさんたちのダンスがなにげにアクロバティックで、サーカスのようなパフォーマンスもあり、ロナンをみるにはオペラグラスを使いたいけれど、オペラグラスを使うと全体がみえずで、どっちもみたいから忙しいです。


小池君ロナンと沙也加ちゃんオランプ



二人の並びはすごく可愛いです。同級生のような雰囲気。
沙也加ちゃんオランプはしっかり者で何気に男前な雰囲気も醸し出しています。
アントワネットにかしずき、フェルゼンとの仲立ちをするあたりすごくたくましい。

パレ・ロワイヤルでアントワネットとフェルゼンが密会する場面に居合わせてしまったロナンを、アントワネットをかばうため自分を襲った暴漢に仕立ててしまったために、ロナンはラマール警部によってバスティーユの牢獄に連行されてしまいます。間がむずかしい場面。よく演じられていたと思います。ロナンをバスティーユから救い出すために兵士のふりをしてしまうあたりもたくましい。

ロナンは牢獄で岡さんベイロール伯爵に拷問をうけます。
父親を撃ったベイロール伯爵と再会してしまい、必死に闘うロナン。


「あなたと同じ不器用な生き方しかできない」とロナンを慕うオランプ。
二人は恋人であり同士でもあるような。でも王宮につかえる(=天にいる)オランプと
農夫ロナン(=地にいる)では住む世界が違いすぎてしまいます。
バスティーユを抜け出した二人が行く末を案じながら歌う場面。
アンサンブルのダンスも素敵です。



古川さんロベスピエール

 

ロベスピエール=
「6歳のときに母に死なれ、同時に父親に捨てられた不遇の過去を持つ。地方で弁護士をやっていたときからカリスマ性を認められ、1789年の三部会では平民議員として選出される。やがて貧しい民衆の味方をするジャコパン派の指導者になり、共和主義の国家を推し進め、革命の中心人物となった。」(『ベルサイユのばら大事典』の人物事典により)


『ベルサイユのばら』では、三部会の会場からしめだされたロベスピエールが、「ぼくらはぬれることなどなんとも思わない。雨などすこしもつめたくはない」と語っています。なつかしい劇画の場面。

 舞台のロベスピエールはカリスマ性にあふれた人物像をよく体現していると思います。群衆の怒りのエネルギーをハードなダンスナンバーで表現している舞台。国王が軍隊をだして革命派を鎮圧しようとするとバスティーユの襲撃にむかっていく場面のダンスは特にハードで見ごたえあり。重厚な衣装を着て踊るので汗があふれ出していますが、汗をかく姿も美しく、隣に女性はいらないなあと思います。シュプレヒコールをあげる場面のロベスピエールの即席彼女がどういう人物設定なのか気になるのは、ツィッターなどみていると私だけではないような・・・。


花總さんアントワネット


 

 豪華なふわふわ衣装を身にまとい、贅沢にうつつを抜かす登場場面から最後は質素な身なりで王妃として凛としたたたずまいのまま天に召されていくまでの変化の見事な演じ分けは、エリザベートを演じきった花總さんならでは。衣装が質素になっていくことは王妃の心情の変化も現わしています。

 登場場面の派手な夜会で、国王を戒めようとするネッケルの姿に、うざいったらありゃしないといった表情をするあたりの演技、王妃の無知ぶりをよく現わしています。「私はフランスの王妃、失うものなどなにもない。全てを賭ける」の「失うものなどなにもない」は、いろんなものを失った私が使う、これ以上失うものはなにもないと全く逆の意味でしょう。王妃である自分はなにもかも手に入れることができるので失うものなどあるはずがないという怖いもの知らずをうたっていると思います。

「マリア・テレジア=
 長い間ブルボン王朝との覇権争いを終わらせるために、末娘アントワネットをルイ16世と政略結婚させたオーストリアの女帝。自分で仕込んだ結婚でありながら、アントワネットの無邪気さに不安をおぼえる。そしてその不吉な予感は、テレジアの死後、現実のものとなった。
」(『ベルサイユのばら大事典』の人物事典により)

劇画には、「あんなぜいたくな宝石やら羽かざりやらにうつつをぬかして、いったいどのぐらい莫大な税金が支出されてるか、あの子は知っているのだろうか?」と末娘を案じる女帝の姿が描かれました。今だから理解できることがたくさんあります。

 こうして書いてみると、物語の進行がけっこう早く色々な出来事が次々と起こってくことがよくわかります。なかなかに書き切れず、連休に入ってまた書ければと思います。

 Wロナンは、歌も芝居も雰囲気が全く違う、それぞれに自然なロナン。最後に「観劇ありがとうございました」と挨拶するのは、ぞれぞれこの舞台に立てる喜びと感謝の気持ちが自然にあふれ出ている感が伝わってきて人柄で出ているなあと思います。次回小池君ロナンがどう進化しているのか楽しみです。


  

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