たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂騒曲』-2020年の観劇納めでした(2)

2020年12月31日 21時59分08秒 | 宝塚
月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂騒曲』-2020年の観劇納めでした
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/bd6adafab59b6f66217c74ff9fe758d8

 2020年12月29日(火)、15時30分公演、断片的な備忘録。

 東京宝塚劇場、2階A席、友の会価格で5,000円。舞台全体を見渡すことができる特等席。フォーメーションがよくわかるし、カンカンの場面でミラーボールが回った時はわくわくしました。宝塚をみているという満足感たっぷり。

 『WELCOME TO TAKARAZUKA』、テーマソングが耳に残りやすく、すぐ口ずさみたくなるような曲調、宝塚らしくていいですね。誰もが聴いたことのあるクラシックにのせた日本物のショー。桜をあしらった着物が華やかで春爛漫、たまきち(珠城りょうさん)が銀橋で歌っている後ろを組子全員がひとりひとり渡っていく演出も心に残りました。オペラグラスでおいきれなかったのが残念。月の巻、フォーメーションの美しさと同時に、衣装にあしらわれた金色の月と扇子がキラキラと光っているようにみえたのもきれいでした。何回でもみたい場面。

『ピガール狂騒曲』、シャルル@月城かなとさんが幼い日の夢を歌う場面、「幼い日に見たマリオネット 今も瞼の奥に 見上げれば満点の星」の歌詞どおり、天井に星がまたたいている演出が素敵でした。原田作品の星組『ベルリン、わが愛』でテオが映画をつくる夢をジルに語る場面を思い出しました。

 シャルル@月城かなとさん「お願い~」のロングトーンの場面、振付師の光月るうさん、衣装係の紫門ゆりやさん、作曲家の春海ゆうくん、それぞれ細やかな芝居をしていました。袖に消えようとして呼び戻されたジャンヌちゃん@たまきちのアドリブ、冷たく「それがいいたかっただけなんですね」は、シャルルおじさんが最後に「良いお年を~」とアドリブで言ったからでした。そのあと実は女の子だと言えないジャックことジェンヌちゃんの「ですが、ですが、ですが」の少し内股かげんもさらに可愛かったです。たまきち、二役早変わりの連続なのに見事な演じ分け、しかも息切らさずにヴィクトールの時はすっと貴公子然と登場するの、すごいなと思いました。もう一人のたまきちを演じていたのは、なぜかプログラムに名前でていないですがツィッターで見かけたところでは蒼真せれんくん、上背がもともと似ているのかもですがお化粧、髪型、表情、スーツを着た背中がそっくりでものすごく努力したんでしょうね。どっちがどっちだかわからなくなりそうなぐらい似ていました。プレッシャーあったと思います、心から拍手を送りたいです。

 終盤のモンマルトルの墓地の場面、母のお墓に手をあわせているジャンヌのところにやってきたのは前夜ムーラン・ルージュでヴィクトールをジャックことジャンヌと勘違いして決闘を申し込んだウィリー@鳳月杏さんと、前夜ヴィクトールを連れてムーラン・ルージュを訪れて目の前にいるのはジャンヌに瓜二つのヴィクトールだと勘違いしている朝から酔っぱらっているロートレック@千海華蘭ちゃん。ここややこしい。ウィリーとロートレック、おじさん同士の同期アドリブ対決が楽しみな場面なんですね。ロートレックがジャンヌにぶつかったことで決闘を邪魔されて怒ったウィリーに対してロートレックが「1月1日の午前6時にここへ来い」っていったんだったかな。あとはわちゃわちゃと二人が揉みあって、細かいところはもう思い出すことができませんが、間にはいったジャンヌが「嘘なんかついてません」と。ここでジャックはわけあって男の子のふりをしている、自分は女の子だと明かしました。驚いてこんがらがるウィリー。「ええい、ややこしい」と。鳳月杏さん、勘違いしているダメンズ、コミカルなところを自然に演じているようにみえてものすごく細かく丁寧に役作りをしているのだと思いました。ウィリーの召使フィリップ@夢奈瑠音くんがジャンヌにピストルの入った箱を差し出すときの大げさな腰の引け具合も、こんな古臭いことをご主人様は本気でやろうとしているので仕方ないです感満載でウィリーの滑稽味が増して面白かったです。

 ムーラン・ルージュの振付師ミシェル@光月るうさんのお姉キャラ、ジャックことジャンヌにきゅんとして、ジャンヌとガブリエルのデュエットダンスの稽古、今日はもう終わりのあとジャンヌに「一緒にいたい💛」ってなったところ、「連れて帰ります」と引っ張っていったのは作曲家セドリック@春海ゆうくんでした。お姉キャラ、やりすぎると興ざめになってしまうところをやりすぎない絶妙なさじ加減はさすが組長だと思いました。

 序盤、ウィリーに離婚を突き付けたガブリエル@美園さくらちゃんをウィリーが雇った弁護士ボリス@風間柚乃くんが、ウィリーからの手紙をもって訪れる場面、ガブリエルの「なんにもわかっちゃいない」、そして「にどと来ないで!」が「にっどと来ないで!」とたっぷりためて言うように進化していて面白味マシマシ。対するボリスの「また来ます」とたっぷりためてふたりのにらみ合い。客席が笑い声であふれました。稽古場で原田先生にプレッシャーをかけられながら頑張っていたというさくらちゃん、こんなふうに笑いで客席を沸かせることができようになったのだと感動。着飾ってジャックことジャンヌを女性だと、知らずにきゅんとなりムーラン・ルージュに立ちたいと自ら申し出るために訪れるところも、やりすぎない程度に大げさな芝居になっていて面白味が増していました。風間柚乃くんの生まれながらの役者顔の存在感はもう言うまでもありません。女装して楽屋のジャックことジャンヌとガブリエルを見張って、カンカンに出ることになり、男性だとばれてしまうと最後はウィリーに「俺は知らない、こいつが勝手にやったんだ」って言われる道化役者、大いに笑わせてもらいました。

 最後の大団円のわちゃわちゃの時に、ウィリー、フィリップ、ボリスの三人で小芝居をしているとぽっぷあっぷたいむで夢奈くんが話しているので見つけようとしましたが、目が足りませんでした。

 ライブ配信、ライブビューイング、それぞれに良さがありますが生の観劇の臨場感に勝るものはないと心の底からあらためて思いました。。お金と時間を使って出かける劇場という空間で非日常にひたるひとときは、なにものにも代えがたい生の醍醐味。たまきち率いる月組のみなさんのおかげで苦しかった2020年を笑って締めくくることができました。一期一会の出会い。
























 
春に上演予定だった作品に半年おくれで出会った2020年、ポスターもプログラムも全部作り直して、いつ千穐楽がきても悔いのないよう今までにまして命がけて届けてくれる舞台はどれも素晴らしいものでした。



激動の2020年、無事にここまで生き延びてくることができました。

ささやかなブログへの訪問、ありがとうございます。
これからもささやかに綴っていきます。

2021年、ほんの少しでも希望がみえる年となりますように・・・。










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