昨日、アート系サスペンス映画「ミケランジェロの暗号」観て来ました。
オーストリア映画の本作は、第二次大戦のドイツ侵攻のウイーンが舞台です。
ユダヤ人画商の息子が、親友にバチカンから盗まれたミケランジェロの幻の名画が彼の画廊の手にあることを教えたのが事件の始まります。ナチス兵になった、友人がムッソリーニも、ほしがる幻の名画の在り処を密告。画廊主の父は、模写のすり替え隠してしまいます。父は、息子に謎のメッセージを残して、収容所で亡くなります。
移送中の飛行機の墜落によって、ナチス兵の友人とすり替わった息子は、収容所の母を救うために、命がけの作戦を決行します。
ミケランジェロの幻の名画と2枚の模写が、息子に残した謎の暗号によって徐々に解き明かされていく過程が痛快です。
ナチスのみならず、大国の美術品の強奪は有名な話です。また、ヒットラーもウイーン美術学校を受験するなど、画家を目指した時期もありました。ヒトラーの美術品に対する執着も感じられ、この映画に真実味を与えています。
今回の作品は、残虐なシーンはなく、シニカルに、ユーモラスに描いています。その点が、ユダヤ人対ナチス戦争映画ではなく、歴史の中のファンタジーサスペンス映画で、ラストシーンがその象徴ともいえます。
上映館の少なさと期間の短さから、劇場で観る機会も無いかもしれませんが、ぜひDVDでも楽しんでほしい作品です。