医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

伊東忠太と仏教美26

2007年01月15日 08時25分48秒 | Weblog
 建築顧問が伊東忠太である、遊就館

 ウィキペディアによれば、「Architecture」はそれまで「造家」と訳されてきましたが、伊東忠太は、それでは芸術的な意味合いが抜けているので「建築」と訳すべきと提唱、このため造家学会も「建築学会」に改称したそうです。

 造家学会なんてなんだか間が抜けており、名前を変えてよかったですね。

 忠太はまた大の妖怪好きで、本願寺もそうですが、兼松講堂や震災祈念堂などにも摩訶不思議な動物の彫刻があるそうです。

 京都祇園閣の電球を抱く妖怪も有名です。

 本物の動物とは異なり、だいぶデフォルメされておりますが、僕はノートルダム大聖堂の「ガーゴイル」を連想してしまいます。

 靖国神社の灯篭にも忠太作の高灯篭だけでなく、よく観察すると竜が舌を出しているデザインのものもあり、これもひょっとしたら・・・なんて想像するだけでもちょっとした楽しみです。

 遊就館の柱の魔よけや窓の鉄柵の意匠も、ひょっとしたら忠太っぽく・・・なぁ~んて感じます。

 妖怪が大好きで、妖怪などを描いた漫画も多く残しているそうですが、さらさらっと漫画を描いてしまったり、彫刻もちょいちょいっと彫ってしまうなんて、天才はやはり違いますね。

 今回は身近な仏教なだけに長くなってしまいました。

 他にも忠太がかかわりのある法隆寺のギリシャ様式のエンタシス柱や、付随する法隆寺七不思議にも触れたかったのですが、いつか思い出したらやりましょう。

 靖国神社や伊勢神宮、出雲大社に海上自衛隊、仏教や日本神話・・・ナショナリストとの批判を受けそうですが、僕はペイトリオットのつもりです。

 夕暮れどきに日本橋に神田側から向かってきたときに、右手に見える三井本館と三越の並びを見て、たとえオリジナリティのないものまねだとしても、美しいな、と感じ、この風景を残してもらいたいものだ、と思うだけです。

 キリスト教文化も美しいものは美しく、イスラム文化にも畏敬の念を持ち、サブカルだって、精神や心だって素敵なものは素敵・・・美しいものを堪能し、楽しみたいと願っているだけ・・・そしてこの国にもこの国の美しさがあると思っているだけです・・・あ、読めば分かるって??


-このテーマの終わり-