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【「表と裏」の法律知識】:鹿児島県警の内部告発…焦点は「公益通報者保護法」の壁にある

2024-06-27 05:27:00 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【「表と裏」の法律知識】:鹿児島県警の内部告発…焦点は「公益通報者保護法」の壁にある

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【「表と裏」の法律知識】:鹿児島県警の内部告発…焦点は「公益通報者保護法」の壁にある

  鹿児島県警の前生活安全部長が、ストーカー事案の被害女性の氏名などが記載されていた内部文書をライターに送ったとして国家公務員法違反(守秘義務違反)で逮捕された事件が話題です。

<picture>鹿児島県警本部(C)共同通信社</picture>

          鹿児島県警本部(C)共同通信社

 前部長は、5日後の6月5日、勾留理由開示の法廷において「県警職員が行った犯罪行為を、本部長が隠蔽しようとしたことがあり、どうしても許せなかった」と、内部情報を漏らしたことを認めた上でこう語っています。非常に勇気のある内部告発だと思います。しかし、県警トップの本部長は、「私が隠蔽の意図をもって指示を行ったことは一切ございません」と否定しています。

 現在、前部長の内部告発は「公益通報」(公益通報者保護法第2条第1項)なのかどうかが議論になっています。「公益通報」に当たれば、不利益な取り扱いが禁止されることになり、前部長の行為は国家公務員法には抵触するけれども、違法性がなくなるため処罰されないということになります。

 ただ、組織の不正を告発する内部告発であったとしても、「公益通報」として保護されるためには一定の要件を備える必要があります。

 通報先に応じて要件は異なり、①組織内部②行政機関(今回の場合は監察課)③その他の外部通報先(報道機関など)の順に要件が厳しくなります。つまり、ハードルが高くなるのです。

 今回、組織内部や監察課に通報したとしても、通報した内容を握り潰される恐れがあったため、報道機関に通報したのでしょう。内部告発を意味あるものとするため、通報先としては妥当だったのではないでしょうか。

 もっとも、事前に弁護士など専門家に相談していれば、逮捕を免れることができたかもしれません。

 前部長は、逮捕前、家宅捜索を受けているときに自殺を図っていたということからも、内部告発をすることは容易なことではなかったはずです。現行の公益通報者保護法では、勇気ある内部告発者を守ることができていないということを物語るような事件です。

髙橋裕樹
著者のコラム一覧
 ■髙橋裕樹 弁護士

 「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

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 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・「連載・「表と裏」の法律知識」・】  2024年06月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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