【衆院選】:自民、公認争い激化 安倍・二階氏さや当て
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【衆院選】:自民、公認争い激化 安倍・二階氏さや当て
10月の衆院議員任期満了まで4カ月を切り、自民党内で衆院選の公認争いが激化してきた。
各派閥所属候補らの競合や現職の引退で調整を要する選挙区は約20に上る。派閥の規模は内閣改造・党役員人事など党内の影響力に直結するため、一部では領袖(りょうしゅう)クラスによるさや当ても始まった。
前橋市で行われた尾身朝子衆院議員の集会に出席後、記者団の取材に応じる安倍晋三前首相=25日午後、前橋商工会議所
「一生懸命地元で活動しておられる。尾身朝子さんが公認候補でなくなることはあり得ない」。安倍晋三前首相は25日、前橋市で開かれた尾身衆院議員(群馬1区)の集会に参加後、記者団にこう強調した。
尾身氏は安倍氏の出身派閥、細田派所属だ。一方、同じ群馬1区では、2017年の前回衆院選に比例代表で出馬、初当選した二階派の中曽根康隆氏も公認を目指す。安倍氏の発言は、二階派会長の二階俊博幹事長をけん制する狙いがあるとみられる。細田派幹部も28日、「数少ない女性を引きずり降ろすのはいかがか」と指摘した。
約20の調整区のうち競合区は約10で、勢力拡大に意欲的な二階派が当事者となるのは六つ。新潟2区は無所属で当選後に入党した鷲尾英一郎氏が、比例で復活当選した細田派の細田健一氏と公認を争う。二階派メンバーは、静岡5区の岸田派、高知2区の石破派休会中の支部長との間でも、それぞれ摩擦が生じている。
二階派の河村建夫元官房長官が議席を占める山口3区では、岸田派座長の林芳正元文部科学相が参院からのくら替えを狙う。二階氏が河村氏に「しっかり頑張れ」と檄(げき)を飛ばすのに対し、林氏周辺は「引くとしてもうちじゃない。向こうがどうするかだ」と主張し、分裂選挙となる公算が大きい。北海道7区では二階派議員と比例単独だった竹下派議員が共に出馬を目指す。
競合区の調整は背後に控える大物議員のメンツにも関わる。選対幹部は「『ここでおたくを出すから、こっちは我慢してください』とお願いするしかないが、なかなか難しい」と漏らした。
ここにきて、伊吹文明元衆院議長(京都1区)や塩崎恭久元官房長官(愛媛1区)らベテランの引退表明が相次ぎ、候補不在の空白区はむしろ増えた。緊急事態宣言中のクラブ通いが露見して離党した3人の選挙区では、一部の地方議員らに「後釜」を狙う動きもある。前回衆院選の調整を全て終えたのは公示の直前で、今回ももつれる可能性がある。
元稿:時事通信社 JIJI.com 政治 【政局・衆院選】 2021年06月29日 07:08:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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