goo blog サービス終了のお知らせ 

路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳・07.25】:「政治とカネ」けじめつけられず石破責任論 党再生へ下野する覚悟があるのか

2025-07-31 07:40:20 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【政界地獄耳・07.25】:「政治とカネ」けじめつけられず石破責任論 党再生へ下野する覚悟があるのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・07.25】:「政治とカネ」けじめつけられず石破責任論 党再生へ下野する覚悟があるのか 

 ★首相・石破茂が退陣するか否かで大騒ぎだが、けじめと責任を言う党内の議員や地方議員の怒りとは何なのか。政治とカネでけじめもつけられず責任も取らず、それを「政治はカネがかかる」とかばってきた面々が火の粉が及ぶと石破責任論だ。確かに石破に説明力、人を納得させる、説得するだけの表現力や信頼は国民から見ても欠けているとも思う。だが自民党再生の基礎を作るための岸田内閣から続く党内改革や浄化に彼らは否定的で、協力もしなかった。石破内閣は衆院選、都議選、参院選と3連敗だ。どこかで誰かが責任とけじめを取る必要があることは理解する。ただ選挙の連敗のその根本に何があるかを党内で問う声が少ないことが、自民党の崩壊を物語る。国民は失われた30年の責任を自民党に問うている。

 ★連立を長く組んできた公明党は「組織政党はその方向を納得してもらえたら一生懸命に動いてくれる。結局自民党の政治とカネはいつものうやむや、公明党も引きずられた。連立で自民党のチェック機能など果たせなかった。党の方針と違う法案も我慢して協力した。その結果だ」(公明党関係者)。

 ★石破が訴えたトランプ関税による国難突破も合意を得て、日米首脳会談などがセットされ、何食わぬ顔で政権は動き出した。「全国から噴き出た石破退陣論は正しいが、ガス抜きでもある。下野する恐ろしさ、石破退陣後の党内政争は党再生を訴えながらいつものカネとポストの空手形で進むだろう。その混乱と停滞を国民に見せたら、自民党は再生どころではない」とはベテラン議員。続けて「その一方、下野する覚悟がないと党の再生などできない。政権に返り咲くという目標で党はまとまる。だが12年の第2次安倍政権の夢を見ているだけではないのか。下野すると役人はその日から野党扱い。昨日まで局長が説明していたのが課長補佐がレクに来る。国民はそっぽを向く。カネは集まらない。当然秘書も今までより減らすことになる。その覚悟もあるなら構わないが、2度と復権できない場合もある」。自民党には現実が待っている。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2025年07月25日  07:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・07.23】:参政党躍進受け「日本が右傾化」海外でも参院選報道

2025-07-31 07:40:10 | 【思想信条(保守・右翼・左翼)、イデオロギー(民主、共産、社会主義他)】

【政界地獄耳・07.23】:参政党躍進受け「日本が右傾化」海外でも参院選報道

 『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・07.23】:参政党躍進受け「日本が右傾化」海外でも参院選報道 

 ★今回の参院選で自民党内にいた党内右派といわれた旧安倍派の議員数は昨年の衆院選も含めると約4割減った。旧安倍派は裏金問題もあり、国民からの信頼も一部の選挙区で圧倒的な支持を得る派閥幹部クラス以外は壊滅。差別的と党内外から大きな批判を浴びていた参院全国比例候補・杉田水脈や山東昭子、和田政宗も落選し、LGBTなど性的少数者への理解増進法の採決で、反対の意思を示して欠席・退席した衆参両院の自民党議員5人のうち、これで4人が国会から姿を消したことになる。

 ★ただ彼らが自民党にいても勝てないと新興保守政党を作ったり、飛び出すということはなく自民党にしがみついたが結果は出なかった。党内には「保守層を取り込みたくて、国民の批判を浴びながら公認し続けた自民党選対の失敗の総括は必要」(党内中堅議員)の声も。結果、自民党右派を凌駕(りょうが)する右派政党が乱立。自民党はその陰に埋没した。では自民党もこれから右派に重点を置く布陣を編成していくのか。参政党や日本保守党などと組んでいくのか。「彼らの主張は自民党政治批判。のみ込まれることもないが、組める相手でもない」(自民党ベテラン議員)。だが問題はそれだけではない。

 ★英BBC電子版は21日、日本の参院選について報じ、躍進した参政党を「極右政党」と報じ「排外主義的な言説が支持を広げた」と説明。その英国では前労働党党首で無所属のジェレミー・コービン下院議員が親イスラエルの労働党に対抗して新たな左派新党を模索する動きがあると報じられている。こういった背景が親イスラエルといわれる参政党に敏感に反応しているのかもしれない。また当然ながら21日、韓国の聯合ニュースは参院選を報じ、参政党の躍進について「あらわになった日本の民心の右傾化 右翼政党旋風」との見出しで伝えた。「『日本人ファースト』を掲げた主張が物価高などに苦しむ日本人の心をつかんだ」と分析し、党の掲げる新憲法案を「天皇制を基盤とする昔の日本にかえろうという話に他ならない」と警戒をにじませた。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2025年07月23日  07:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【HUNTER・07.29】:驚きの「5キロ162円 」― 備蓄米売却価格の実態

2025-07-31 07:10:40 | 【食糧自給率・食品ロス・農業・JA・農家・化学肥料・米・牛・豚・養鶏・野菜】

【HUNTER・07.29】:驚きの「5キロ162円 」― 備蓄米売却価格の実態

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・07.29】:驚きの「5キロ162円 」― 備蓄米売却価格の実態 

 小泉進次郎農相が入札から随意契約に切り替えて一気に放出された備蓄米。1,800円台から2,000円台で流通したため全体の米価も下がるのではないかと期待されていたが、実際にそうなったのは一部のみ。福岡県内にあるスーパーのコメ売り場に並ぶ「銘柄米」は、依然として4,300円を超えるケースが多い。

 そもそも、政府が随契で備蓄米を売り渡すにあたって設定した価格はどの程度だったのか?改めて、国の資料から年度ごとの販売実績を確認して1キロ当たりの金額を算出したところ、驚きの結果となった。

             ◆   ◆   ◆

 政府は、今年5月26日から業者に備蓄米を売り渡す方法を入札から随意契約に変更した。古古米である2022年産米が60キロで1万1,010円(税別)、古古古米となる21年産が60キロ1万80円(税別)で売り渡されている。両年度分の平均は60キロ当たり1万700円、売り場で主な5キロだと約891円ということになる。

 これに流通経費が加わるため店頭での価格は5キロで税込み1,800円~2,000円台前半。備蓄米を含むコメ全体の平均価格は、食品スーパーの店頭で3,000円台になったことが報じられていた。

 しかし、前述したように九州のスーパーで販売されている「銘柄米」は、依然として4,000円台。中には5,000円台のものまである(*下の画像)。

 では、政府の備蓄米販売価格は適正だったのか?確認するため、改めて検証を試みた。

 毎年度ごとに財務省がホームページ上で公表している決算資料には、国内産備蓄米の買入数量及び売却数量、販売総額等が記載されている(例⇒令和5年度の該当ページ)。各年度の国内産備蓄米の販売総額を同年度の売却数量で除すと、販売価格が算出可能だ。そうして2017年度から23年度までの年度ごとの1キロ当たり価格を算出し、まとめたのが下の表である。

 10年間の平均は1キロ32.4円、5キロで162円でしかない。政府は、5キロ160円程度の古いコメを、10倍以上の価格で売ったということになる。2,000円台の放出備蓄米を、“ありがたい”と感じた国民が少なからずいたはず。しかし、実際の政府売り渡し価格を知れば、「もっと安くできたのではないか」という疑念が生じる。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・話題・小泉進次郎農相が入札から随意契約に切り替えて一気に放出された備蓄米】  2025年07月29日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【HUNTER・07.24】:参院選惨敗で追い込まれた石破茂首相、続投に固執

2025-07-31 07:10:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER・07.24】:参院選惨敗で追い込まれた石破茂首相、続投に固執

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・07.24】:参院選惨敗で追い込まれた石破茂首相、続投に固執 

 昨年の衆議院選挙に続き、参議院選挙でも惨敗した自民党。結党以来初めて、衆議院と参議院のいずれでも「少数与党」になった。いったんは続投宣言した石破茂首相だったが、党内外からの辞任圧力は強まる一方だ。

           ◆   ◆   ◆

 参議院選挙の投開票直後、石破首相は記者会見で「比較第1党となる議席をいただいた」「選挙結果に対する重大な責任を痛感しながらも、政治を停滞させないよう、比較第1党としての責任、そして国家、国民の皆様方に対する責任を果たしていかねばならないと考えている」として「続投」を表明した。ある自民党の大臣経験者は、苦い表情でこう語る。

 「石破総裁で臨んだ昨年10月の衆議院選挙、そして今回の参議院選挙と国政選挙2連敗した。21日に記者会見をやるということは、18日――つまり選挙戦の最中に決まっていたようだ。選挙前の予想からも過半数確保は無理だとみられていたことから、早くもハラを決めたのか、スパッと辞任して責任をとるもんだと思っていた。党内は次の総理総裁の話で盛り上がっていた。それが、投開票日の20日夜から『続投』と言い出した。あまりの面の皮の厚さに笑うしかなかった」

 自民党の規約には党総裁を「リコール」できる規定がある。《総裁の任期満了前に、党所属の国会議員及び都道府県支部連合会代表各一名の総数の過半数の要求があったときは、総裁が任期中に欠けた場合の総裁を公選する選挙の例により、総裁の選挙を行う》(党則6条4項)というものだ。つまり、自民党所属国会議員と各都道府県連の代表者の合計の過半数が要求すれば総裁選を行うことができる。

 過去、「神の国発言」などお失言を繰り返した森喜朗元首相(当時)へのダメ押しとなったのが、水産高校の実習船「えひめ丸」と米原子力潜水艦の衝突事故だった。ゴルフのプレー中に連絡を受けた森氏は、そのままクラブを離さず継続。「危機管理でなく事故」と語り批判を浴びた。結果、政権支持率は低迷し、その後の総選挙で大敗する。

 「リコールの話が出たのは森元首相の時くらいしか記憶がない」「総裁のリコールというのは、自らが選んだ総理大臣を変える、つまり引きずりおろすこと。自民党にとっては恥ともいえる。そういう機運が盛り上がりそうなほど、石破さんの続投という判断に怒りのマグマが蓄積している」(前出の大臣経験者)

 9月末には、臨時国会が召集される。衆議院、参議院ともに「少数与党」となれば、予算や法案を通すたびごとに、いずれかの野党の協力を得るしかない。昨年の自民党総裁選で石破首相に2回とも投票したという中堅の衆議院議員はこう話す。

 「さすがに2回も国政選挙に負けると辞めるものだとばかり思っていた。続投となれば今の自公に加えて立憲民主党、維新、国民民主党のいずれかと連立を組むしかない。しかし、選挙に弱く、支持率も転落の一途をたどる石破政権と一緒になろうなんて野党はないでしょう」

 それでも粘ろうとする石破首相が記者会見で“秋波”を送ったのは、立憲民主党の野田佳彦代表。社会保障改革における野田代表の意見について「給付付き税額控除については、私自身も同じ認識を持っている」「野田代表と認識を共有する部分も多い」と評価。記者会見に出席していたある記者は、「大連立を示唆するような感があった」と感想を漏らす。

 しかし、立憲民主党幹部は「大連立なんてあり得ない。うちは参議院選挙で議席が情勢調査ほど伸びず横ばい。選挙区と比例であと3、4議席上積みできたはずだったが、定数4の大阪、定数3の福岡で議席を落としてしまった。とても“野党第1党でございます”なんて自慢できない。野田代表も責任をとって辞めるべき、そうすれば石破さんも総理を辞任するだろうという意見さえあります」と大連立より党内抗争が先だという可能性を示唆している。

 一方、大幅に議席を増やした国民民主党の幹部は「衆参とも少数与党に転落させたのは、躍進したうちの功績が大。自民党と連立を組んで、大臣の椅子を一つもらっても意味がない。山尾ショックの反動も癒えつつある。早期の解散総選挙か、野党がまとまって内閣不信任案を提出する形で政権交代を求めるべきだ」と話しており、与党との連立には否定的だ。

 党内からも厳しい追及を受けて四面楚歌の石破首相だが、前出の大臣経験者は次のような見立てを示している。

 「石破さんは、続投と言いながらも日本とアメリカの関税交渉にメドが立てば辞めるという思いがあったのも事実。総理が『辞める』と言ってしまえば、8月1日が期限の関税交渉で相手にしてもらえなくなるからだ。関税交渉に一定のメドが立てば辞めものと信じていたが、どうやら総理の椅子に居座るつもりのようだ。臨時国会までには新たな総理・総裁を決めて、政局次第では解散総選挙に打って出て衆議院で過半数を取り戻す――そういう戦略もあり得るんだが・・・」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース・政局・選挙・自民党・2025参院選】  2025年07月24日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【HUNTER・07.31】:強制性交事件の民事訴訟で仰天判決|鹿児島地裁がストーリーでっち上げて被告擁護

2025-07-31 07:03:50 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【HUNTER・07.31】:強制性交事件の民事訴訟で仰天判決|鹿児島地裁がストーリーでっち上げて被告擁

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・07.31】:強制性交事件の民事訴訟で仰天判決|鹿児島地裁がストーリーでっち上げて被告擁 

 2021年秋に起きた鹿児島県医師会の男性職員(2022年10月に退職。以下「男性」)による強制性交事件の被害女性が損害賠償を求めていた民事訴訟で、鹿児島地裁民事第2部(前原栄智裁判長)が30日、男性被告側の主張にまったくなかったストーリーをでっち上げ、訴えを退けた。司法の信頼を揺るがす前代未聞の展開だ。

              ◆   ◆   ◆

 この事件では22年1月、鹿児島県警中央警察署が弁護士を同行した女性の告訴状提出を拒否。背景には、「警察一家」特有の庇い合い体質があったとみられている。

 男性職員の父親は、21年春まで同署勤務の警部補。この年の12月に男性職員と父親が中央署を訪れ、「合意の上での性行為」という一方的な弁明を行っていた。

 当時、県医師会の会長だった池田琢哉氏は、22年2月に県の担当部署に出向き「強姦かといえるのか」「強制的と言えるのかどうか」として強制性交を否定。「(県警から)刑事事件には該当しないと言われている」などと一方的な見解を申し述べ、組織防衛に走っていたことが県への情報公開請求で入手した文書から明らかとなっている(*下の画像参照)。この時点で医師会は、事件についての調査はもちろん、被害女性からの聞き取りさえも行っていなかった。

 県警は告訴状についての当初の対応を「受け渋り」と表現したが、これは姑息な自己弁護。実際には、対応した女性警察官が頑なに告訴状の受理を拒否。帰途につかせた被害女性を署の駐車場まで追いかけ、いったん取得した告訴状のコピーを突き返すなど異常な行動で事件のもみ消しを図っていた。その後の捜査がまともに進むはずはなく、23年3月に立憲民主党の塩村文夏参議院議員が国会で追及するまで県警は動かなった。送検は告訴状受理から1年半後。検察の調べも杜撰だったとみられ、当然のように「不起訴」という処分だった。以下に一連の経緯を示す。

 今年1月に鹿児島地方裁判所で開かれた民事訴訟の法廷に提出されたのは、男性が被害女性の雇用主に呼ばれ、「一般的に言えば強姦罪です」と事件の経緯を“白状”した際の録音データ。被害女性の代理人弁護士が録音データに沿って尋問したが、男性の証言は、裁判所や傍聴人を納得させ得る合理的な説明とは言えないものだった。

 衝撃的な内容によって「合意に基づく性行為」だと強弁してきた男性と県医師会の主張が揺らぐ展開となっていたが、地裁は30日、男性被告側が準備書面でも法廷でも主張していなかった ――(男性が白状したのは)被害女性の不利益にならないように(配慮)したから―― とするストーリーを創作して被告を擁護。前原栄智裁判長は、冷徹な口調で損害賠償請求を棄却した。創作といえば聞こえがいいが、つまりは“でっち上げ”に基づく判決。女性の代理人弁護士は、即日控訴の手続きを行ったとしている。

 警察、検察に続いて裁判所までが被害女性の悲痛な訴えに耳を貸そうとしない現実――。弱者が満足な司法サービスを受けることのできないこの国の病巣の深さに暗然とする思いだ。

 (中願寺純則)

「追跡・鹿児島県警 闇を暴け」
現職警官によるストーカーや盗撮、事件の隠ぺいに不当捜査・・・。
底なしとなった鹿児島県警の闇に光を当てるきっかけとなったのが、2021年に起きた鹿児島県医師会の男性職員による強制性交事件だった。3年間、県警や医師会と闘い続けてきたハンターの歩みをまとめたのが、「追跡・鹿児島県警 闇を暴け」である。
amazonの商品ページは→こちら

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・話題・2021年秋に起きた鹿児島県医師会の男性職員(2022年10月に退職。以下「男性」)による強制性交事件の被害女性が損害賠償を求めていた民事訴訟・鹿児島地裁民事第2部(前原栄智裁判長)が30日、男性被告側の主張にまったくなかったストーリーをでっち上げ、訴えを退けた事案】  2025年07月31日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【HUNTER・07.25】:県警の追認機関「鹿児島県公安委員会」に問われる存在意義|強制性交事件民事訴訟に集まる注目

2025-07-31 07:03:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・07.25】:県警の追認機関「鹿児島県公安委員会」に問われる存在意義|強制性交事件民事訴訟に集まる注目

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・07.25】:県警の追認機関「鹿児島県公安委員会」に問われる存在意義|強制性交事件民事訴訟に集まる注目 

 「公安委員会」が何をしている機関なのか、自信を持って説明できる国民はどれほどいるだろう。刑事の活躍や警察組織を描いたテレビドラマや映画は年中お目にかかるが、「公安委員会」が取り上げられた例を記者は寡聞にして知らない。結論から述べるが、この国の公安委員会は機能不全、警察組織の追認機関に過ぎない。警察官による不祥事がつづく鹿児島県の公安委員会は、その象徴である。

 ■公安委員会とは

 警察庁は国家公安委員会が、都道府県警はそれぞれの自治体の知事の所轄の下に都道府県公安委員会が管理している。根拠法は「警察法」である。警察庁は、ホームページ上で次のように解説する。

 公安委員会制度は、強い執行力を持つ警察行政について、その政治的中立性を確保し、かつ、運営の独善化を防ぐためには、国民の良識を代表する者が警察の管理を行うことが適切と考えられたため設けられた制度であり、国に国家公安委員会を置いて警察庁を管理し、都道府県に都道府県公安委員会を置いて都道府県警察を管理している

 以下、福岡、宮城、静岡、熊本の県警ホームページから公安委員会の説明を拾ってみるとこうなる。

 福岡県警――
 県民の良識を代表する者が警察を管理することにより、警察行政の民主的管理と政治的中立性の確保を図ろうとするもの

 宮城県警――
 公安委員会は、警察が強力な執行力を持つ警察行政について、その運営の独善化を防ぎ、かつ、その政治的中立性を確保するためには、国民や県民の常識を代表する者が警察の管理を行うことが適切であると考えられることによるもの

 静岡県警――
 公安委員会は、県民の良識を代表する者により、警察の民主的管理と政治的中立性の確保を図るために設けられました。公安委員会は、警察が県民の判断とかけ離れた独善的な組織となることを防止し、公平、中立の立場で仕事が出来るよう警察を管理することを目的としています。また県民の良識を代表して警察の仕事に、県民の考えを反映させるという役割をもっています

 熊本県警――
 公安委員会は、警察の民主的管理と政治的中立性の確保を図るために設けられたもので、県民の良識を代表して警察の仕事に県民の考えを反映させるという役割を持っています。

 どうやら、公安委員会の委員は『国民の良識』『県民の良識』を代表する者であるという。つまり、各県の公安委員会は県民目線で警察の管理を行うということだ。では、昨年来、性犯罪や事件のもみ消しといった警官不祥事で揺れ続けている鹿児島県警を管理する公安委員会は、どう説明しているのだろう。同県公安委員会のホームページを確認した。

 公安委員会は、警察の民主的管理と政治的中立性の確保を図るために設けられたもので、県民の良識を代表して、警察の仕事に県民の考えを反映させるという役割をもっています

 やはり「県民の良識を代表する」委員が、県警を管理し、警察の仕事に県民の考えを反映させるのだという。しかし、昨年来の鹿児島における公安委員会の姿勢は真逆。数々の警察不祥事を受けて県議会に「百条委員会」の設置を求める大多数の県民の声には目もくれず、個々の案件についての抗議や質問に対する回答では県警の言い分を疑うことなく追認してきた。鹿児島の公安委員会が守っているのは「県民の良識」ではなく「県警の都合」なのである。

 ■まさにお手盛り、県警の不適切対応を「県警に調査させる」

 鹿児島県警は昨年9月、2021年に起きた鹿児島県医師会の男性職員による強制性交事件に関する以下の質問取材に回答を拒否した。

・鹿児島県警中央警察署が、被害女性の告訴状提出を事実上の門前払いにしたのは事実か?

・男性職員が、県警の元警部補だった父親と中央警察署を訪れ、当該事件について相談したのは事実か?また、その際、父親の元警部補は同席していたか?

・男性職員が被害女性の雇用主を訴えた件の取調べで、男性職員の父親が同席したことはあるか?

・鹿児島県医師会の幹部(当時)が、当該強制性交事件について鹿児島県警の警察官より「刑事事件には該当しない」、「暴行と恐喝で負けることはない」などと申し向けられた旨を発言しているが、県警側がこうした発言を行った事実はあるか?

 この取材に対する県警の対応は「組織的な判断として、お答えをいたしかねる」というもの。同様の質問を行った他のメディアには回答しており、県警の腐敗を厳しく追及してきた本サイトだけを不当な扱いで排除するのは不当として昨年11月、県公安委員会に以下の抗議文を送付し見解を求めていた。

 質問内容は、何らかの形で事実であることが明らかになったものばかりで、県警はすでに県議会総務警察委員会での質疑の中で「門前払い」を「受け渋り」という言葉で認めていました。また、男性職員と元警察官の父親が、2021年の12月に中央署に行って事前の相談を行っていたことも、8月6日の県議会質疑で県警側が認めています。

 事前相談とその時の「事件性なし」という結果については、県医師会が6月27日に開いた記者会見の席上、同会の顧問弁護士である新倉哲朗弁護士が「男性職員からそう報告を受け、(池田)会長に伝えた」などと明言しており、県警が、門前払いや事前相談の実態を隠さなければならない理由は見当たりません。

 そもそも、ハンターが質問書を送付した8月27日、週刊金曜日のウェブ版が「鹿児島県警、強制性交事件もみ消し疑い 元警察官の父親が相談後、警察署が女性の告訴状受理拒否」という見出しで、強制性交事件に関する記事をウェブ上で記事を配信。その記事は、2021年12月に男性職員が相談のため中央署に出向いた際、同席者が元警察官の父親と弁護士だったことを県警が初めて認めたと報じるものでした。元警察官の父親が同席したという事実が、開示された情報だったことは明らかです。

 さらに県警は、同様の質問を行った新聞社にも回答しており、具体的な理由も述べずに、「組織の判断」などという曖昧な表現をもって、弊社の質問取材にのみ取材拒否をすることは、著しく公平性を欠くものと思料いたします。また、当然に説明責任を果たすべき事案について報道機関ごとに対応姿勢を変えることは、形を変えた不当な言論弾圧だと言っても過言ではないと考えます。

 以上の点について苦情を申し立てると同時に、県公安委員会の見解をおうかがい致します。

 しかし、8カ月経った現在も回答はなく、二度も催促したが「調査中」「やっています」という言い訳が続いてきた。

 問題は、催促のたびに公安委員会が申し向けてくる「調査中」「やっています」の手法だ。その点について、公安委員会の担当者は「現在、県警に調査させている」と明言する。おかしな話だ。こちらが指摘しているのは県警の不適切な対応。それを検証するために「県警に調査させる」という。犯罪者に「自分の悪行について調べて報告しろ」と命じたようなものだ。県警が本当のことを報告するわけがない。つまりはお手盛り。鹿児島の公安委員会に、県警を管理し、適切な指導を行う能力があるとは思えない。

 ■聞いて呆れる「県民の良識を代表」

 そもそも、鹿児島県公安委員会は、県警への苦情申し立てに対する複数の事例で、県警の言い分を何の疑いもなく採用して“被害者”の心情を踏みにじってきた。

 2023年2月に鹿児島県霧島市で起きたクリーニング店で働く20代の女性に対するストーカー事件を巡っては、ハンターの取材や県議会質疑などから、事件捜査の初動を担うはずだった霧島署が「苦情・相談等事案処理票」のデータを消去したり、犯人が映っているはずの防犯カメラ映像を隠滅するという手口で、事実上の事件もみ消しを図っていたことが分かっている。しかし、県公安委員会は、この件についての被害女性からの「苦情申し立て」に対し、不当捜査の実態を隠した虚偽ともとれる県警の言い分を、疑うこともなく容認し、被害女性に通知していた(*既報)。鹿児島の公安委員会が県警の追認機関になっている証左だ。これで「県民の良識を代表」とは聞いて呆れる。

 昨年6月には、野川明輝本部長(当時)が警察官の犯罪行為を隠ぺいするよう指示したという疑惑について「県警から調査状況の報告を随時受けてきた。その中で、本部長が隠ぺいを指示したと判断する事実は認められない」という“調査結果”を公表した。しかし、この発表内容を信用する鹿児島県民は皆無に近いだろう。前述した霧島ストーカー事件のケース同様、組織トップに浮上した疑惑を、県警は絶対に認めない。子供でも分かる話だ。

 公安委員会に対する質問取材の目的は、これまでハンターが報じてきた県医師会の男性職員による強制性交事件を巡り、捜査を担当した鹿児島中央署が、告訴状提出に出向いた被害女性を門前払いにしたことや、男性職員と元警察官の父親が事件発覚前に同署に相談していたか否かの確認だ。もう一点、県医師会の池田琢哉前会長や大西浩之副会長(前・常任理事)が男性職員から聞いたとしていた県警の見立て――「刑事事件には該当しない」、「暴行と恐喝で負けることはない」――が実際に警察側から発せられたものかどうかを確かめる必要があった。しかし、他の報道機関には答えて、県警批判を続けてきたハンターの取材には応じないという理不尽な対応に合理的な説明ができるとは思えない。

 今月30日、その強制性交事件を巡り、被害女性が県医師会の元職員に対して損害賠償を求めた民事裁判の判決が出る。最後になって提示された新証拠=録音データによって、女性側の主張が認められる可能性が高くなっており(⇒既報)、報道各社の注目が集まる状況だ。被害女性側の主張が認められるとすれば、警察や検察の捜査の妥当性が再検証されるのは必定。被害女性の声も聞かぬうちから、県庁をはじめあちこちで「合意に基づく性行為」だと喧伝した上に、二度の会見でも同様の主張を展開してきた鹿児島県医師会の責任も追及されることになる。女性側勝訴の場合、ハンターは鹿児島県公安委員会に対し、強制性交事件の捜査に不正はなかったのか否かの質問書を送付する予定だ。

(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・この国の公安委員会は機能不全、警察組織の追認機関に過ぎない。警察官による不祥事がつづく鹿児島県の公安委員会は、その象徴である】  2025年07月25日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【HUNTER・07.23】:【検察審査会】:「公文書開示」に不可解ルール|郵送開示不可、議決掲示文は不開示?

2025-07-31 07:03:30 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【HUNTER・07.23】:【検察審査会】:「公文書開示」に不可解ルール|郵送開示不可、議決掲示文は不開示?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・07.23】:【検察審査会】:「公文書開示」に不可解ルール|郵送開示不可、議決掲示文は不開示? 

 「開示の実施を受ける際には、本通知書を持参してください」――検察の不起訴処分の適正性を審査する第三者機関「検察審査会」が、公文書の開示に際して行政庁や裁判所などが採用している「郵送による写しの交付」に対応していないことがわかった。請求人の居住地から遠く離れた場所にある審査会に公文書の開示を求めた場合、開示対象文書を閲覧するにはいくら遠くとも請求人が直接現地へ赴かねばならず、写し(コピー)を入手するには各地の弁護士会などが裁判所に備え付けてあるコピー機を使わなくてはならない。

 各検審によれば使者(代理人)への委託は可能だが、その場合も飽くまで現地で閲覧・謄写に対応する決まりで、文書のコピーを郵送で交付することはできないという。本年1月に北海道内9カ所の検審へ文書開示請求を行なった筆者は、まもなく数枚の写しを入手するために道内各地への遠征を余儀なくされそうだ。

 ■全国に165カ所、北海道に9カ所の検審

 検察審査会は、各地の検察庁で不起訴処分となった事件について被害者からの申し立てなどで各処分の妥当性を審査する機関。投票権を持つ一般国民の中から選ばれた11人で構成され、11人中8人以上がもとの処分を覆して起訴すべきと判断した場合は「起訴相当」を、6人以上が起訴すべきとした場合は「不起訴不当」を、いずれにも及ばない場合は「不起訴相当」を議決する。検察は議決を受けて起訴の是非を検討し直すことになるが、「起訴相当」議決後に改めて起訴が見送られた場合でも、検審がその後再び「起訴相当」議決を出した場合は否応なく「強制起訴」となる。全国165カ所に設置され、各地の地方裁判所や同支部内に事務局が置かれている。

 筆者が拠点とする北海道では、札幌地裁管内に4カ所(札幌、小樽、岩見沢、室蘭)、釧路地裁管内に3カ所(釧路、帯広、北見)、及び旭川地裁と函館地裁の各管内にそれぞれ1カ所、計9庁が置かれている。この9カ所に一斉に情報開示請求(検察審査会行政文書開示申出)を行なったのは、本年1月中旬のこと。開示を求めたのは、昨年1年間に各検審で議決に到った全事件に係る公文書すべて。各検審は審査事件の議決とその理由を定まった書式にまとめて裁判所の掲示板に掲出しているが、その掲示文書を公式サイトで公表したり報道機関などへ交付したりする慣行がない。このため、議決に関心がある国民がその内容を知るためには、議決文の掲出期間内に掲示板のある場所へ、即ち各地の裁判所へ足を運ばなくてはならないのだ。今回の開示請求には、こうした事情により確認不能だった情報を適切に開示してもらう目的があった。

 請求を寄せた9庁のうち、室蘭検審と岩見沢検審の2庁は2月中旬までに文書不開示決定を伝えてきた。開示対象文書は作成・取得していないというわけで、この決定により同2庁では昨年中に議決に到った審査事件が1件もなかったことが事実上確認できた。残る7検審は同時期までに決定に到らず、一律に「通知期限の延長」を報らせてきた。筆者に届いた延長通知によれば「文書の探索及び精査に時間を要している」という。さらに3カ月後の5月中旬には各庁から「再延長」の通知が届き、開示・不開示の決定に思いのほか時間がかかっていることが察せられた。

 ■郵送の文書開示拒否

 7検審の中で最初に開示決定に到ったのは、現時点で唯一の決定庁となっている小樽検察審査会。6月25日付の決定通知書を手にした筆者は、『審査事件簿』など5枚の公文書の一部開示が決まった結果を確認できた。いうまでもなく、請求人としてそれらすべての写しを入手する考えだったが、通知書の封書には「文書開示の実施方法の申出書」が同封されていない。これは検察などの行政庁や裁判所などが開示決定に伴って請求人に提供している用紙で、必要事項を記入した用紙に謄写(コピー)手数料ぶんの収入印紙と返信用郵便切手を添えて返送すれば、対象文書の写しが郵便で届けられることになっている。小樽検審からの決定通知にその用紙が同封されていないということは、コピーの郵送交付ができないということを意味していた。通知をよく読むと、まさしく「閲覧の場所 小樽検察審査会事務局」とあり、「開示実施の期間 令和7年6月26日から7月25日まで(土、日、祝日を除く。)の午前9時から午後4時まで(午後零時15分から午後1時までを除く。)」との但し書きが添えられていた。(*下の画像参照)

 筆者の居住する札幌市は、たまたま小樽市と隣接している。公共交通機関で片道1時間ほど、容易に日帰りで往復できる距離だ。とはいえ、それは飽くまで「たまたま」のこと。仮に請求人が重い障碍を持っていたり高齢だったりして移動がままならなかった場合、あるいは一般的な勤め人で平日の午前9時から午後4時までに空き時間を作れなかった場合、文書の閲覧・謄写は断念せざるを得ないということになる。

 7月上旬、筆者は小樽を含む先述7検審のうち地元・札幌を除く6庁へ問い合わせを寄せ、郵送による写しの交付の可否、及び閲覧・謄写の代理人への委託の可否を尋ねた。結果は、いずれも不可。これから決定が出ると思われる旭川や函館、帯広、釧路、北見の各地へ、筆者はただ文書のコピーを受け取るためだけに赴かなくてはならないということだ。なぜ不可なのか問いを重ねたところ、どうやら裁判所や検察などで設けている「謄写手数料」の規定がなく、そのため郵送交付に対応できないということらしい。しかし、国民への情報提供に際し「規定がないからできない」とは本末転倒ではないか。検審の情報は各庁の持ち物ではなく、国民の財産。小樽の検審の文書を札幌市民は入手できるが九州や沖縄の住人は入手できないというのでは、憲法が認める「知る権利」に地域格差が生まれることになり、公平性に欠ける。

 対応に疑問を感じた筆者は、上記のやり取りなどをツイッター(現・X)に投稿(⇒こちら)。するとその1時間半ほど後に各検審から連絡が寄せられ始め、代理人への委託の可否については改めて検討するとの意向が伝えられた。一夜明けて再び各庁から届いたのは「使者(代理人)への委託は可」との結論。開示決定文を各地の知人などに託し、代理で閲覧・謄写してもらうことは問題ないということになった。

 ■不透明な組織運用

 ここで根源的な疑問が湧く。検察審査会は、検察庁や裁判所などのような「上級庁」を持たない。全国165カ所の検審すべてが独立している建前だ。つまり「上」にお伺いを立てることなく主体的にあれこれを決めることができる機関だ。しかしながら、今回の問いへの対応は6検審すべて「郵送不可・代理人委託可」と足並みが揃っている。先述した「規定」に則った対応なのかもしれないが、ならばその規定は誰が決めているのか。国民としてそのルールの改善を求めることはできないのか。

 検察審査会の情報開示では、一般の役所のそれと同じように苦情申し立て(審査請求)ができることになっている。審査にあたるのは、やはり第三者からなる検察審査会情報公開・個人情報保護審査委員会。その事務局が東京都内の東京第一検察審査会にあると知った筆者は、同検審へ問い合わせを寄せ、「開示の実施方法」への苦情申し立てが可能なのかどうか、つまり郵送対応不可への苦情が可能なのかどうかを尋ねてみた。

 結論を言うと、この問いへの明答は結果的に得られなかった。だがやり取りを通じ、検審や先の審査委員会が対応の根拠としている「申し合わせ」の内容を確認することはできた( ⇒こちら )。郵送不可などのルールはつまり、この申し合わせに拠っていたようだ。上掲の文書によればこれは「全検察審査会申し合わせ」、つまり全国165の検審すべてがなんらかの話し合いの場を設けてそのルールを定めたことになっている。では、その音頭をとったのは誰なのか。国民がルールの変更を求めるとしたら、どこに要望を寄せればよいのか。繰り返しになるが各検審には上級庁が存在せず、即ち165庁を束ねる機関がどこにもないのだ。第一東京検審にこの素朴な疑問を寄せてみたことろ――、

 「やはりそれは、各庁へご要望をお寄せいただくしかないかと。その上で、各庁から声が上がって変えていく、という形は考えられると思いますけれども・・・」

 検察審査会は、捜査機関の処分を第三者として監視する重要な機関。もとよりその存在意義はあきらかだが、情報公開のあり方に限ってはまだまだ発展途上にあると言わざるを得ない。最初の開示決定から3週間ほどが過ぎた7月中旬、筆者は小樽検審を訪ねて一部開示文書計5枚のコピーを入手することができた。費用は1枚あたり20円、5枚で計100円。だがそれを上回る交通費を負担して手に入れた文書は、ことごとく墨塗り処理だらけの「海苔弁当」となっていた。審査事件の概要は容赦なく真っ黒に塗り潰され、あろうことか審査の結果、つまり議決までもが不開示となっていた。これにはさすがにコピー作業中に疑問の声を挙げ、そもそも前述の掲示板で日常的に不特定多数へ公開している議決文が開示対象に含まれていない理由を尋ねたが、やはり明答は得られなかった。「掲示されている議決文は『公文書(検察審査会行政文書)』ではないのか」の問いにも、答えは返ってこなかった。

 追って、函館や北見などの遠方からも一部開示決定が伝わることになる。筆者はそれらの決定を受け、安からぬ交通費と短かくない時間をかけ、場合によっては宿泊費も支出し、その上で身も蓋もない海苔弁当を受け取ることになるようだ。

 (小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政・社会 【社会ニュース・話題・検察審査会】  2025年07月23日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【HUNTER・06.06】:【鹿児島県警の闇】:枕崎盗撮事件再検証(下)|県外被害隠ぺいの可能性

2025-07-31 07:03:20 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・06.06】:【鹿児島県警の闇】:枕崎盗撮事件再検証(下)|県外被害隠ぺいの可能性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・06.06】:【鹿児島県警の闇】:枕崎盗撮事件再検証(下)|県外被害隠ぺいの可能性 

 鹿児島県警において、野川明輝前本部長が常態化させたとみられている組織的な事件のもみ消しや隠ぺい。その代表事例が、枕崎署の現職警官による盗撮事件だった。一度ウソやごまかしをすれば、つじつま合わせの繰り返しによって疑念が深まるのが常。組織内の腐敗が進んだせいか、県警への情報公開請求で入手した同事件の捜査関連資料も黒塗り非開示ばかりとなった。不必要な黒塗りは、盗撮事件に依然として隠された事実があることを示している。

■隠ぺいされた犯行場所と日時

 開示された枕崎盗撮事件に関する捜査関係資料は、署長指揮事件指揮簿が2件分(5枚)、本部長指揮事件指揮簿が8件分(34枚)、犯罪事件処理簿が10件分(10枚)、犯罪事件処理簿が4件分(8枚)。ほとんど黒塗りで、事件に関係する日付や、どうでもよさそうな部分まで非開示となっている。枕崎署員の盗撮事件に至っては、公表された事項まで非開示だ。その中にあってハンターが着目したのは、2件の「犯罪事件処理簿」と添付された『犯罪事実』及び『別表』(*下の画像参照)。わずかに開示された部分の記述から、新たな疑惑が浮上する。まず1件目の事案。

 『犯罪事実』にある《もって通常人が衣服等の全部又は一部を付けない状態でいるような場所において、当該状態でいるものに対し、著しく羞恥する様な卑わいな行為をし》という記述については前回の配信記事で述べた。“著しく羞恥する様な卑わいな行為”が、公表されている建造物侵入、性的姿態等撮影、不安防止条例違反といった事案とは別のもので、県警がそれを隠しているのではないかというものだ。

 『別紙』も『別表』も黒塗りだらけで詳細不明だが、別表には「1」としてこの件を含む3件の“建造物侵入、不安防止条例違反”事案の日時、場所、内容が、「2」には8件の“建造物侵入、性的姿態等撮影”事案のそれが記されている。注目したのは「発生場所」で、11件すべてが「鹿児島県」内だったことが分かる。

 次に2件目。事件名から建造物侵入と不安防止条例違反が省かれている他、性的姿態等撮影の「被害者」については「不詳」となっている。つまり、隠れた被害者がいるということだ。

 「別表」の日時、場所、内容を確認してみると、これまたほとんどが黒塗り。犯行のあった場所を公表すれば、新たな被害者が名乗り出ることも可能だろうに、県警はなぜかこれを伏せた。しかも、前掲の別表にはなかった「被害者の着衣等」という項目が加えられている。残された防犯カメラの映像から、被害者の着衣の状態が確認できたということだろう。

 最大の問題は、1から10までの事案の内、1,3,4,6の犯行場所が「鹿児島県」であることを開示していながら、2,5,7,8,9,10の犯行場所がすべて黒塗りにされていることだ。杜撰な黒塗りではなく、意図的に隠したとみるのが妥当だろう。つまり、犯人の警察官は、鹿児島県以外の場所=県外で盗撮に及んでいた可能性があるということを示している。

 盗撮が行われた日時や犯行場所を周知することは、県民の安心・安全を維持するという崇高な使命を負った警察組織として当然の義務だろう。ましてや犯人は現職警官。失った信頼を回復するためにも卑劣な犯行の詳細を県民に知らせるべきだが、県警は逆の方向に走った。県警の隠ぺいによって、盗撮された大勢の人たちが被害を自覚する機会を奪われている。鹿児島県警の情報開示に対する姿勢が浮き彫りにしたのは、「住民より組織」という警察一家特有の悪しき体質なのである。

 (中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・組織的な事件のもみ消しや隠ぺいが常態化している鹿児島県警】  2025年06月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【HUNTER・05.23】:【鹿児島県警の闇】:枕崎盗撮事件再検証(中)|捜査資料黒塗りで真相隠ぺい|別件隠した疑いも

2025-07-31 07:03:10 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・05.23】:【鹿児島県警の闇】:枕崎盗撮事件再検証(中)|捜査資料黒塗りで真相隠ぺい|別件隠した疑いも

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・05.23】:【鹿児島県警の闇】:枕崎盗撮事件再検証(中)|捜査資料黒塗りで真相隠ぺい|別件隠した疑いも 

 警官不祥事のもみ消しを指示した疑いがある鹿児島県警の前本部長野川明輝氏。その野川氏が、保身のため犯人を見逃すよう命じたのが枕崎署の現職警官による盗撮事件だった。改めて同事件の捜査関連資料を情報公開請求で入手したが、別の文書では開示した事件の発生日付を含め、ほとんどの記載は黒塗り非開示。腐敗組織らしい隠ぺいの証明となった。開示された捜査関係資料の内容はほんのわずかだが、それでも次々と疑問が生じる。

 ■「静観しろ」で事件もみ消し

 情報漏えいがあったとして国家公務員法違反に問われている県警の元生活安全部長が北海道のジャーナリスト小笠原淳氏に郵送した文書から、隠ぺいされた2人の霧島署員による2件のストーカー事件と現職警視の不正、そして枕崎署員による盗撮事件の実態が明らかとなった。輸送された文書が「公益通報」であったことは疑う余地がない。

枕崎署員の盗撮事件で開示された捜査関係資料は、黒塗りばかりで事件の詳細が完全に伏せられた形だ。念のため、元生安部長の公益通報文書にあった事件の概要を示しておきたい。

・2023年12月中旬 枕崎市内の40代女性が公園のトイレ内に入った際、スマートフォンのようなものが見えたため声を上げたところ男が走って逃げたと通報。女性はパトロール強化を要望。

・同トイレにおいて過去にも盗撮容疑事案の相談があったことから、付近の防犯カメラ映像を回収し、犯行時間帯の映像を精査。容疑車両が枕崎署の捜査車輛であることを確認し、同時刻に車両を使用していた捜査員を特定

同署は警察職員による盗撮容疑事件と判断し、県警本部刑事部へ通報

・本部指揮事件であることから本部の指揮を受け、早急に当該職員のスマートフォンを差し押さえて画像を解析し、事情聴取、強制捜査へと向かう方針で検討していたところ、本部から「静観しろ」との指示。

・事件は隠ぺいされたが、枕崎署は再犯を防ぐため、全署員に対し「盗撮防止」の教養を実施。

・令和6年春、当該職員が人事異動で配置換え。

 開示された枕崎盗撮事件に関する捜査関係資料は、署長指揮事件指揮簿が2件分(5枚)、本部長指揮事件指揮簿が8件分(34枚)、犯罪事件処理簿が10件分(10枚)、犯罪事件処理簿が4件分(8枚)。ほとんど黒塗りで、事件に関係する日付や、どうでもよさそうな部分まで非開示となっている。枕崎署員の盗撮事件に至っては、公表された事項まで非開示だ。

 ■不必要に黒塗り非開示

 捜査関連文書の開示請求に先立って入手した「懲戒処分台帳」には、処分年月日、付された処分、処分理由が記載されている。県警が処分したのは昨年の6月21日。「職員は、令和元年9月17日から令和5年12月23日までの間、複数回にわたり、女子トイレに侵入し、他人の性的姿態を撮影するなどしたもの」という長期間にわたる卑劣な犯行に対する処分は「停職3月」というものだった。民間なら即解雇のケース。やはり警察は身内に甘い。

 これまで述べてきた通り、処分台帳では開示された犯行の日付が、「署長指揮事件指揮簿」「本部長指揮事件指揮簿」「犯罪事件処理簿」「犯罪事件処理簿」では隠されている。これは県警が、情報開示を場当たり的に行っていることを示している。おそらく、同じ文書であつても、他の報道機関に開示したものとハンターに開示したものでは黒塗りの箇所が違っているはずだ。

 元生安部長の公益通報を知った県警は相当あせったらしく、同じ盗撮事案の捜査記録であるにもかかわらず、事件処理に関する記載内容には統一性がない。それは、入手した資料からまとめた署長指揮事件指揮簿と本部長指揮事件指揮簿の「事件の概要」、犯罪事件処理簿にある「被害程度」、犯罪事件処理簿記載の「犯罪事実」に記載された内容をみれば瞭然だ。(*表中の「■」は黒塗り個所)

 頻繁に出てくる「便所」「トイレ」「スマートフォン」「姿態を撮影」によって、一連の文書が盗撮事件のものであることは分かる。しかし、事案ごとの発生日付、場所、手口は黒塗りだらけで処分の妥当性を確認することはできない。犯行場所が枕罪市内だけではなかったことが明らかになっているが、正確な犯行場所や日時を開示しなければ、隠れた被害を暴くことはできない。県警は意図的にこうした操作を行ったとみるべきだろう。事件詳細の隠ぺいは、犯行を知らない被害者が大勢いることを県警が軽く見ているか、真相を隠して組織への批判を防ごうとする意識が働いた結果であるかのどちらかだ。

 酷いのは本部長指揮事件指揮簿6にある、トイレを「といれ」とひらがな表記した箇所。訂正もせぬまま、決裁が通ったというわけだ。

 ■盗撮以外の「卑わいな行為」とは?

 次に注目したのは、「犯罪事件処理簿」の2にある《もって通常人が衣服等の全部又は一部を付けない状態でいるような場所において、当該状態でいるものに対し、著しく羞恥する様な卑わいな行為をし》という記述である。(*下の画像参照)

 開示された資料によれば、犯行に及んでいた巡査部長の行為は建造物侵入、性的姿態等撮影、不安防止条例違反にあたることが明記されている。他に罪名や罰条は出てこない。つまり、被害者と一定の距離を置いた上での盗撮ということだ。しかし、《もって通常人が衣服等の全部又は一部を付けない状態でいるような場所において、当該状態でいるものに対し、著しく周知する様な卑猥な行為》というのは直接的な身体接触をともなう行為ととれないこともない。

 「撮影」と「卑猥な行為」は明らかに別の話だろう。盗撮や建造物侵入、条例違反以外に「別件」があった疑いが生じる。県警は、当該事案について公表した盗撮以外の犯罪行為を隠しているのではないか―ー?開示された黒塗りだらけの文書をみれば、その疑いは一層濃くなる。(以下、次稿)

 (中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・組織的な事件のもみ消しや隠ぺいが常態化している鹿児島県警】  2025年05月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【HUNTER・05.15】:【鹿児島県警の闇】:枕崎盗撮事件再検証(上)|公益通報文書の内容初公開

2025-07-31 07:03:00 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・05.15】:【鹿児島県警の闇】:枕崎盗撮事件再検証(上)|公益通報文書の内容初公開

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・05.15】:【鹿児島県警の闇】:枕崎盗撮事件再検証(上)|公益通報文書の内容初公開 

 組織的な事件のもみ消しや隠ぺいが常態化している鹿児島県警。背景にあるのは警察一家擁護を最優先にする悪しき体質だ。さらにタチが悪いのは警察庁。同庁が出向させたキャリア警察官の地位だけを特別扱いし、逮捕されるべき事件でさえも軽い処分で済ませている。前任の県警捜査2課長・安部裕行警視は、情報漏えいや不同意性交の疑いで送検されながら不起訴。処分は停職1か月という軽いものだった。いくつもの事件を闇に葬ろうとした疑いがある野川明輝前本部長が、懲戒にもならない長官訓戒という監督上の措置に終わったことも記憶に新しい。

 その野川氏が保身のため隠ぺいしたのが、現職警官による枕崎の盗撮事件。改めて同事件の捜査関連資料を情報公開請求で入手したところ、多くの疑問点が残されていることが分かった。

 ■元生安部長の告発文にあった枕崎盗撮事件の記述

 枕崎署の現職警官による盗撮事件が表面化したのは昨年5月。県警は、同署に勤務していた巡査部長を性的姿態撮影処罰法違反(撮影)などの罪で逮捕し、公表した。その後、当該警察官は起訴され懲役2年執行猶予3年の判決が下されるが、この事件は当初、闇に葬られるはずだった。現職警官による卑劣な犯罪の隠ぺいを防いだのは、元県警生活安全部長による「公益通報」だったことは周知の通り。元部長が北海道のジャーナリスト小笠原淳氏に郵送した告発文書に記されていた4件の隠ぺい事案のうちの一つが、枕崎の盗撮事件だった。

 現職警察官による盗撮疑いを把握した枕崎署は、当然ながら容疑者である警察官のスマートフォンを差し押さえるなどの捜査を検討。告発文によれば、これに県警幹部が待ったをかけたという。具体的には「静観しろ」との指示があったとされる。小笠原氏の許可が得られたため、改めて元生活安全部長が告発文書に記した枕崎盗撮事件についての大まかな記述内容を紹介しておきたい。

・2023年12月中旬 枕崎市内の40代女性が公園のトイレ内に入った際、スマートフォンのようなものが見えたため声を上げたところ男が走って逃げたと通報。女性はパトロール強化を要望。

・同トイレにおいて過去にも盗撮容疑事案の相談があったことから、付近の防犯カメラ映像を回収し、犯行時間帯の映像を精査。容疑車両が枕崎署の捜査車輛であることを確認し、同時刻に車両を使用していた捜査員を特定

同署は警察職員による盗撮容疑事件と判断し、県警本部刑事部へ通報

・本部指揮事件であることから本部の指揮を受け、早急に当該職員のスマートフォンを差し押さえて画像を解析し、事情聴取、強制捜査へと向かう方針で検討していたところ、本部から「静観しろ」との指示。

・事件は隠ぺいされたが、枕崎署は再犯を防ぐため、全署員に対し「盗撮防止」の教養を実施。

・令和6年春、当該職員が人事異動で配置換え。

 この盗撮犯が逮捕されたのは昨年5月13日。県警はその約1ヵ月前の4月8日、地方公務員法違反事件(守秘義務違反)の関係先としてハンターに対する家宅捜索を行ったが、その際に押収したパソコンのデータから元生安部長の告発文書を把握した。あわてた県警は、その記載内容を事件隠ぺいの証拠としてハンターが記事化するとでも考えたのか、いったんは逃がしてやった不良警官を逮捕。後々騒がれないように形だけ整えた。元生安部長の逮捕は、盗撮犯逮捕から2週間ほど後となる5月末。つまり盗撮犯逮捕は、公益通報潰しの第一段階だったとみられる。

 だが、40代の女性が盗撮の可能性を申告した直後に、犯人の特定ができていたのは明らか。これまでの大手メディアの報道や県議会での質疑では、「2日間」だけ捜査が止まったという点に焦点が当てられていたが、それは枝葉末節の話。実際には告発文で明らかな通り、「静観しろ」で捜査が中止され、再起動するのは事件発覚から5ヵ月も後だった。繰り返すが事件捜査が止まったのは「2日間」ではなく「5ヵ月間」。この点だけは強調しておきたい。

 ■妥当とは思えない「停職3ヵ月」

 県警の“歪んだ温情”で一度は逮捕を免れた巡査部長だったが、結局は逮捕・起訴され懲役2年執行猶予3年の判決が下される。盗撮は80回に及んでいたというから呆れるしかないが、県警が下した処分は解雇ではなく「停職3カ月」というものだった。

 なぜ懲戒解雇ではないのか――。どのような捜査が行われたのか――。ハンターは昨年11月、県警に対し、2023年1月から24年6月までに警官が懲戒処分、訓戒処分、注意処分などを受けた事案の中で、犯罪捜査の対象となったものの事件指揮簿や処理簿、受理簿などの開示請求を行い、計10件についての開示文書を入手した。そのうち、枕崎盗撮事件の関連文書についてまとめたのが下の表である。

 開示された枕崎盗撮事件に関する捜査関係資料は、署長指揮事件指揮簿が2件分(5枚)、本部長指揮事件指揮簿が8件分(34枚)、犯罪事件処理簿が10件分(10枚)、犯罪事件処理簿が4件分(8枚)。ほとんど黒塗りで、事件に関係する日付や、どうでもよさそうな部分まで非開示にしており、隠ぺいの意図がみえみえだ。県議会質疑や報道などで明らかになってる事項まで隠すという徹底ぶりには開いた口が塞がらない。

 上掲の「懲戒処分台帳」では犯人の警官が盗撮を行った期間「令和元年9月17日から令和5年12月23日」を黒塗りせずに開示しておきながら、捜査関係文書にあるはずの犯行の日付けは非開示にするというちぐはぐな対応ぶり。同様に、ある文書では事件送致の年月日を明示しながら、同じ種類の別文書では非開示とするなど情報公開の信頼性を疑わせる結果となっている(*下の画像参照)。

 しかし、わずかながら確認できる記述からは建造物侵入、性的姿態撮影等処罰法違反、不安防止条例(公衆に不安等を覚えさせる行為の防止に関する条例)違反と3つの違法行為があったことが分かる。にもかかわず、懲戒解雇ではなく停職3カ月。どうみても甘いと言わざるを得ない。開示文書の記載内容を詳しく調べていくと、杜撰な文書作成過程や、どうみても別件があったとしか思えない記述も出てくる。その点について、次週の配信記事でさらに検証を進める。 (中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・組織的な事件のもみ消しや隠ぺいが常態化している鹿児島県警】  2025年05月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・07.30】:投開票のデマ 選挙の信頼損なう問題だ

2025-07-31 06:10:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説・07.30】:投開票のデマ 選挙の信頼損なう問題だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・07.30】:投開票のデマ 選挙の信頼損なう問題だ

 交流サイト(SNS)が影響力を増した参院選で、憂慮すべきことがあった。期日前投票や開票事務で「不正が行われている」とするデマが拡散されたことだ。  

 投稿を見て、期日前投票を控える人がいた。有権者の投票行動に作用する以上、見過ごすことはできない。有効な対策が必要だ。  

 デマの投稿はX(旧ツイッター)やユーチューブで確認されている。「不正やりたい放題」とタイトルを付けた動画もあった。

  「期日前投票は書き換えやすり替えが可能」という投稿に確かな根拠はない。  

 期日前投票、投票日のいずれの場合も、投票所では自治体職員が最初に来た有権者に投票箱が空っぽであることを確認してもらい、複数の鍵をかけている。  

 鍵は別々の袋に封印し、開票まで厳重に管理する。開封したら痕跡が残る仕様になっている。  

 投票所の記載台の筆記具が鉛筆であることを理由に、書き換え可能と主張する投稿もあるが、投票用紙に部外者が触れるのは不可能だ。筆記具の持参も認められている。

 開票作業は公開の場で自治体職員が担い、立会人の監視下で票数の点検を重ねる。投票から開票までに、部外者が不正工作する余地はないとみていい。 

 投稿者の中には閲覧数を増やし、広告収入を得る目的があるとみられる。個人の利益のためや、面白半分で選挙を混乱させるのは悪質だ。  

 SNSへの接触機会が多い人は、デマや誤った情報を何度か目にするうちに不正を信じてしまう恐れがある。  

 期日前投票の期間中、SNSで不正防止策を説明する市長もいた。総務省と自治体が協力し、デマの浸透を少しでも防ぎたい。  

 一方、今回の参院選では投開票事務のミスが全国で相次いだ。デマが付け入る隙を与えないように、自治体に正確な事務を求めたい。  

 投票用紙を同じ人物に2度手渡すミスが北九州市などであった。投票済みの確認が不十分だった。投票用紙の二重交付は国政選挙のたびに起きている。 

 福岡県古賀市は期日前投票で、比例代表の記載台に架空の政党名や候補者名を掲示した。印刷確認用の模擬データを誤って使ったという。  

 ほかにも、選挙区と比例代表の投票用紙を取り違えて交付した自治体があった。  

 参院選で不正があったとするSNSへの投稿は投票日を過ぎても続いた。無効票が多かったことと不正を関連付けるものもある。  

 選挙は有権者が政治に参加する重要な機会であり、民主主義の根幹となる手続きだ。投票や開票事務への疑念が広がり、信頼が損なわれることがあってはならない。  

 自治体は担当職員への研修と入念なリハーサルを徹底してもらいたい。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年07月30日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・07.29】:首相の退陣要求 自民は古びた体質改めよ

2025-07-31 06:10:30 | 【政策・閣議決定・財政・予算・地方創生・優生訴訟・年収「103万円」の壁】

【社説・07.29】:首相の退陣要求 自民は古びた体質改めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・07.29】:首相の退陣要求 自民は古びた体質改めよ 

 参院選で大敗した責任をトップに押しつけるだけでよいのか。内向きの争いばかりにエネルギーを費やしている場合ではなかろう。

 自民党はきのう、両院議員懇談会を開いた。出席者からは党総裁である石破茂首相の責任を追及し、退陣を求める声が相次いだ。

 石破氏は首相を続ける意欲を重ねて表明している。敗因を検証し、自分の手で参院選を総括する考えだ。

 党内には反発が広がる。北海道連、栃木県連など複数の地方組織は辞任を求める文書をまとめた。党青年局は党執行部に事実上の辞任を要求している。

 石破政権は昨年秋の衆院選に続き、参院選でも自民、公明両与党が過半数割れする大敗を喫した。有権者に不信任を突き付けられたに等しく、退陣は当然である。

 石破氏はかつて党内野党の立場で、時の政権に苦言を呈してきた。首相に推されたのは、党の古い体質を改める期待があったからだ。

 しかし石破カラーは就任早々に封印し、政治資金改革でも指導力を発揮しなかった。衆院が少数与党となってからは熟議による野党との合意形成を唱えながら、目立ったのは密室での数合わせだった。

 参院選の大敗は、石破氏と自公政権に対する国民の評価そのものである。

 自民党は与党としての政策や政治姿勢を謙虚に省みるべきだ。支持基盤の弱体化、支持者が離反した原因に向き合わなくてはならない。

 物価高対策で参院選直前に打ち出した現金給付が不評だったのは、ばらまき偏重の政策形成に問題がある。

 派閥の裏金事件は依然として決着していない。党内でけじめのなさを指摘する議員は少なく、事件の当事者である旧安倍派議員までも首相の責任を問うている。事件が国民の政治不信を増幅させたことを忘れてはならない。

 こうした課題を脇に置いたまま「石破降ろし」に熱を上げる様子は国民の目にどう映るだろう。旧派閥で徒党を組むのは昔ながらの党内抗争に見える。

 首相は続投に理解を得ようと、首相経験者の岸田文雄、菅義偉、麻生太郎各氏と真っ先に会談した。その姿も、生まれ変われない自民党を如実に表していないか。

 「不満のガス抜き」と呼ばれる両院議員懇談会を開いたところで、退陣圧力は収まりそうにない。中堅・若手議員は両院議員総会の開催を求める署名を集めている。党の意思決定機関である総会で、首相の責任を問う構えだ。

 新興政党が躍進し、既成政党に厳しい審判が下った参院選を境に政治の潮目が変わったと評される。有権者の投票行動は従来と異なる。政治は変化を求められている。

 自民党は旧態依然とした体質を改めない限り、退潮に歯止めはかからないと心得るべきだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年07月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【2025年07月29日 今日は?】:英国のチャールズ皇太子とダイアナ・スペンサー嬢がロンドンで挙式

2025-07-31 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2025年07月29日 今日は?】:英国のチャールズ皇太子とダイアナ・スペンサー嬢がロンドンで挙式

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2025年07月29日 今日は?】:英国のチャールズ皇太子とダイアナ・スペンサー嬢がロンドンで挙式

 ◆7月29日=今日はどんな日 

  アマチュア無線の日

 ◆出来事

  ▼パリのエトワール広場に凱旋門が完成(1836)▼太平洋戦争で禁止されていたアマチュア無線が再開。全国の30人に予備免許発給(1952)▼英国のチャールズ皇太子とダイアナ・スペンサー嬢がロンドンで挙式。96年に離婚。ダイアナ元妃は翌年に交通事故死(1981)

エトワール凱旋門
Arc de triomphe de l'Étoile
エトワール凱旋門

 エトワール広場に集まる12本の放射状道路(アヴェニュー

 ◆誕生日

  ▼秋吉久美子(54年=女優)▼高木美保(62年=女優)▼ちゅうえい(78年=流れ星☆)▼ヤマダユウスケ(87年=俳優)▼岡副麻希(92年=フリーアナウンサー)▼村重杏奈(98年=タレント)▼五百城茉央(05年=乃木坂46)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2025年07月29日 00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする