goo blog サービス終了のお知らせ 

Log Book

日々の日記など

20181127 大人の社会科見学 vol.47@「東京で学ぶ京大の知」シリーズ29『ソーシャルメディアの光と影』②

2018-11-27 | 大人の社会科見学
今日(20181127)は、新丸ビルにある京都大学の東京オフィス
京都アカデミアフォーラムで行われるセミナー。

「未来につながる情報化社会 -展望と課題-」がテーマの
シリーズ29の2回目の今回は、
『脳から心を読む技術』と言うタイトル。
講師は。情報学研究科教授の神谷之康さん。

概要は、以下の感じですかね

  • 今回の講演テーマのこの研究の事を、ブレインデコーディングと呼んでいる。
  • 心の状態は脳でcodingされていると考えているので、脳の情報をdecodeすると心の状態がわかるのではないか。心の状態と脳の状態には、対応関係があるのではないか
  • fMRIで脳の状態を測りながら、人が手を動かすと、その時の脳の状態を読み取ってロボットの手を動かすことが可能。ただし、数秒のタイムラグがある
  • コンピュータを活用して、コンピュータにdecodeさせる。そして、機械学習を使ってどういう時にどういう脳の状態であるかを学習させる。その際、学習に用いていない新しいデータでテストすることが重要
  • 脳の情報処理一般で言えることだが、脳のある1箇所だけで表現されているわけではなく、脳の全体にちょっとずつ情報がある。なので、局所的な脳の情報の組み合わせで、ある情報を表現できる
  • 学習済みdecoderで、画像を見ることなしで画像を想像した状態を読むと、なんとなく想像している画像を読み取ることができる。mind-reading
  • その拡張で、夢を観測することができるか?と言う実験を行った。実は、人は必ずしもREM睡眠中に見ているわけではない。夢は、睡眠のどのタイミングでも見得る。
  • その実験は、人に脳波計をつけてfMRIの中で眠らせる。そして、寝入り端に起こして、夢の内容を確認すると言う実験。それを何回も繰り返す。1時間で、5~6回測定できる。夢を測定すると言うと、脳波で見ると言う様な事を思うかもしれないが、実は脳波だけでは、夢の内容(画像)は判らない。
  • 今回の実験は、夢の内容を説明する被験者の言葉から、物体の名詞を取り出す(抽出する)。その後、実際にものを見ている時の脳活動を測定。その覚醒時のデータで学習したデータでdecoderを学習させて、睡眠時のデータを入力する。実験していて分かったのは、起こす20~30秒前にも夢を見ていると思われるのだが、起こした時には、その内容は覚えていない。なので、20~30秒前の脳の状態のデータをdecoderに入力したら、そのもしかしたら、本人も覚えていない夢の内容もわかるかも?
  • 視覚像再構成は、像が単純な線では無いと言う事もあって難しい。画像の各ピクセルに対応するdecoderを作り、その組み合わせで、画像を再構成すると言う手法を取る
  • 実は、ここまでの話は、10年前の研究。今は、どこまで進んでいるか?
  • 多層の深層ニューラルネットワーク(DNN)を作り、入力信号(画像)に応じてDNNのどの部分が反応するかを、画像をピクセル単位で入れてみて観測する。それを繰り返すことで、脳で見ている画像を再構成できる。10年前は単層だったが、今は多層のDNNで実現できることが違う
  • 人間の視覚野は、認識する物体の複雑さに応じて、様々な部位が関与している事がわかっている。今回の研究でのDNNでは、その視覚野の低層部分はDNNの低層で表現でき、高次の視覚野は高次のDNNで表現できることが確認された
  • DNNを使うことで、10年前には低次の脳活動しかわからなかったが、高次の脳活動が測定(予測)できる様になった
  • 脳波で、人の細かい意図を読み取ることはできない。世の中には、そういうものがはんらんしているが、そう言うものは全部嘘。何か、読み取っている様に見えても、実際には顔の表面筋肉の動きを読んでいるに過ぎない。
  • 所謂植物状態の人には、表面的に意識が無いように見えても、実は意識があると言う人がいる。覚醒した後で、本人に話を聞いてみると、話の内容の判っていたと言う事であった。そして、本人は“意識がある”と認識していた。イギリスやベルギーでは、植物状態の人のうち5%程度そう言う人がいると言われている
  • 脳コード変換器を作る上で問題なのは、同じ入力情報であっても、脳のどの部位が反応するかは人によって共通だが、反応のパターンが人によって異なると言う事。それゆえにdecoderは人によって違う。decoderの汎用化は研究中。なんとなくははできてきた。ただ、まだ精度は低い。

そんな感じでしょうか?
究極的には、脳の情報を直接やり取りしている相手に送ると言う、
“脳情報通信2.0”と言う話も、最後の方にしていましたね。
そこまで行くと、変な事は考えられないですね(笑)

20181124 大人の社会科見学 vol.47@JAXA金井宣茂宇宙飛行士講演会「未来に開く きぼう の扉」@大妻女子大学

2018-11-24 | 大人の社会科見学
この数日、講演会ラッシュですが、今日も講演会。
先日、ISS長期滞在ミッションから帰還した、
金井宇宙飛行士による講演会です。

いやぁ、本当は、JAXA主催の帰還報告会があって、
そっちに行きたかったのですが、スケジュールが合わず断念。
その代わりと言っては何ですが、
偶然発見したこちらの講演会に参加です。

場所は、大妻女子大大妻講堂。
女子大への潜入ですよ(笑)

行って見ると、道から直ぐ入れるところに講堂は位置していました。
女子大の奥深くへの潜入はできませんでした(笑)
残念。

受付とか、会場案内、会場での司会は、大学生が実施。
学生主体に運営なんですね?
110周年記念事業なので、学生の企画と言うより、
学校法人側の企画の様な気もしますけどね?
だからか、大学生だけではなく、
付属の中学・高校からの参加者もいました。
数としては結構多かったです。

中学・高校生&保護者席と、大学生席、
そして、その他の一般席(大学生保護者含む)と
あったんですが、一般席が座席数としては一番多く、
次に中学・高校生&保護者席、大学生席は、ほんの少し。
場所は大学なんですけどねぇ。
まぁ、宇宙飛行士は、理系の人しかなれないので、
文系主体の大妻女子大学の学生の興味は引けなかったのかな。
中学生、高校生は、その後の進路次第で、いかようにもできるしね。
実際、中学・高校席は、結構いました。

時間になり、初々しい学生の司会で講演会開始。
まずは、学長挨拶があって、いよいよ開始です。

ダイジェストで以下の感じです。

    [金井宇宙飛行士講演]
  • 国際宇宙ステーションISSは、地球上空400kmに浮いている。地球一周は90分。ISSの大きさは、太陽電池パネルまで含めるとサッカーフィールドと同じくらい
  • ISS建設には、昔あったアメリカのスペースシャトルで、部品を一つ一つ打ち上げ、宇宙空間で組み立てた
  • 日本の実験棟「きぼう」があり、管制は筑波宇宙センターで実施。そのほか、ISS参加各国の実験棟もある。
  • 実験装置に点滴の様なバッグから水を補給する際、人がクルクル回って空気を片方に寄せて、実験装置に入らない様にする。
    プレゼン自体は、30分ほどで終了。随分とショートです。

    [生徒、学生によるインタビュー]
    Q:宇宙での実験は、私たちになにをもたらす?
    A:無重力を使う事で、地球ではできない実験ができる。例えば、たんぱく質の綺麗な結晶とか。それを地球で分析すると、たんぱく質の性質がわかり、創薬とかにつながる。地上の実験室の延長として宇宙の実験室があると考えてもらえるとよい。

    Q:民間人の宇宙旅行について
    A:宇宙は、そんなに特別なところでは無い。宇宙飛行士として訓練を受けたが、それは、非常事態に対処したり、実験したりするため。宇宙に行って帰ってくるだけなら、訓練は不要では?

    Q:漫画宇宙兄弟で、宇宙空間でのトラブル描写あったが?
    A:たしかに、宇宙への飛行は、安全が完全に確保されているわけでは無い。だからこそ、宇宙飛行士は訓練を受けている。それにともない、民間人が宇宙に安全に行けるようにもなっていくだろう

    Q:医師経験は役立った?
    A:いろんなバックグラウンドを持った宇宙飛行士がいる。自分は、実験が好きだった、楽しかったが、医師経験が役立ったと思う。パイロット出身の人は、宇宙船の操作が楽しそうだったし、エンジニアは、宇宙船や実験装置の修理とかが好きそうだった。自分の得意分野で貢献し、苦手なところは、他の人に助けてもらうという役割分担で、宇宙飛行士のチームは成り立っている

    Q:海中と宇宙での仕事を経験されたが。船酔いと宇宙酔いは、同じ?
    A:前職では海上自衛隊の潜水医官だった。確かに、宇宙では宇宙酔いがある。気分は悪い。船酔いと同じように、酔い止めも効く。細かくいうと、宇宙酔いと言うのは、上下左右がないこと、無重力による体液シフトなどの影響で逆立ちして頭に体液が寄るのと同じ様な現象が起きるなどの理由による。そういう意味で、医学的には、船酔いと宇宙酔いは違う。

    Q:宇宙酔いを防止するための訓練は?
    A:ロシアには面白い訓練がある。ガガーリン以来の訓練で、回転椅子訓練。そこで、気持ち悪さを自分でコントロールしたり、どういう体勢をすれば気持ち悪くならないかなどの訓練を行う。これらは、打ち上げ直前に行った。また、足を上げてベッドで寝たりして、敢えて体液を頭の方に集めるような訓練もした

    Q:宇宙酔いしたか?
    A:人にもよるが、自分は大丈夫だった。酔い止めもあるし、訓練も受けている。

    Q:潜水艦と宇宙船は、どちらも、閉ざされて狭いと言う共通点があるが
    A:閉ざされて狭いと言う観点で確かに似ている。同じ人と顔を付き合わせて生活すると言うのも同じ。しかし幸い、ISSは潜水艦よりも大きい。また、電話BOXくらいの個室も持てるので、プライバシーは確保できる。そういう意味では、潜水艦にくらべると豪華だった。

    Q:潜水艦での経験は生きた?
    A:自衛官としての訓練成果は、非常事態に対処すると言う意味もあって、活きた。ISSで非常事態があっても、冷静に対処できると思った。幸いに、そう言う事態は無かったが。

    Q:大変だったと思ったことは?
    A:緊張はした。宇宙は、訓練とは違い実戦。ロボットアームを使って捕まえると言うのは、訓練では失敗しても実害はないが、本物で失敗すると大事故だし、大損害なので、緊張して操作するのは大変だと思った。

    Q:潜水艦よりプライベート空間があり、快適だったと言うことだったが、6ヶ月の思い出は?
    A:宇宙ミッションは過酷で大変なところもある。なので、ON/OFFのメリハリが重要。毎週金曜夜の夕食会をする事にして、ロシア側とアメリカ側で交互で、料理でもてなした。また、土曜夜は、ムービーナイトと言って、映画を見て楽しんだ。

    Q:宇宙での体験を一言で
    A:難しい・・・。好奇心。宇宙は、特殊な環境。だから実験をするが、地上で考える考え方では思いつかないことが起きる。宇宙をもっといろんな人が使うことで、イノベーションが起きるのではないかと思う。それが、宇宙ならではのおもしろさ。

    Q:SNSでの情報発信で、世界の風景夜景をUPしていた。ミッションの初期と後期では、写真の撮り方が違っていたと思ったが?
    A:写真は得意では無いので、あんまり技術的に変わったとは考えていないが。難しいと感じたのは、地球の美しさは変化にあると思うが(それを写真に撮る事)。季節、昼夜。そう言う変化は美しいと思うし、壮絶と思った。それを撮りたいと思ったが、なかなかできなかった。これは、宇宙に行って自分の目で見て欲しい

    Q:宇宙と地上の風景、どちらが美しい?
    A:比較ではない。自然の美しさは、宇宙でも地上でも感じる。差はないと思う。

    Q:夜景は、都市部ではどう言う動き?
    A:街の光は宇宙からも見える。昼は慣れないと地面の形がわからないが、夜になると、パッと光がつくのでよくわかる。中国も、中東も、美しい。不思議にも思う。

    Q:星の見え方は、宇宙と地上では違う?
    A:地上400kmなので、宇宙のスケールで考えると(ISSと地上は)同じ。ただ、宇宙は空気がなくて、星が瞬かない。また、ISSは速度が大きいので、見ているうちに、どんどん見える星が変わると言う違いもある。

    Q:食事は、何を食べた?
    A:チューブに入った宇宙食とかを想像するかもしれないが、いまの宇宙食は、食品技術がすごくて、パウチに入っていてそのまま食べられたりするものもある。コンビニの弁当と同じで美味しい。JAXAでは、宇宙日本食と言う取り組みを行なっている。ラーメンもある。バラエティに富んだメニューで、6ヶ月で飽きることはなかった。

    Q:宇宙食の条件は?
    A:保存が効くと言うこと。ミッション期間が長いので。あと、安全であること。腐ったり、カビたりしないこと。日本の食品加工技術は高い。

    Q:ミッションについて。アミロイドの実験を行ったようだが。
    A:アミロイド実験を行った。アミロイド線維を地上で作ると、対流の影響を受けるが、宇宙ではその影響がないので、綺麗な結晶ができる。アルツハイマーとか、糖尿病とかの治療や原因究明に繋がるとよいと思う。アミロイドの性質は、良く分かっていないので調べるために行った。基礎実験のレベル。

    Q:今後は、原因が究明されて、治療や創薬につながる?
    A:基礎実験のレベルなので、ゴールが見えてやっていると言うわけではない。まずは、現象を調べると言うところ。アミロイドそのものの性質を調べる段階。

    Q:人生を振り返って、学生や若者へのメッセージを
    A:実は、子供の頃から宇宙飛行士に憧れていたわけではない。医師には、なりたいと思っていた。医師になってみたら、国際協力をしてみたいとか、興味の分野が変わっていった。そうした中で潜水医官をしていて、宇宙飛行での医療の事に興味を覚えて、宇宙飛行士になった。目標があって、まっすぐ行ければ良いが、なかなかそういかないときもあるので、そのときその時の興味のある所をやっていると、その先に違う興味深い事、面白いことが見えてくると思う。

    [会場との交流タイム]
    Q:ドラえもんで、玉になった水が顔にくっついて窒息しそうになると言うエピソードを見てから、宇宙では水は玉になると言うので気になっている。洗顔はどうするのか?
    A:その通り、宇宙空間では、水は玉になる。顔に着くとスライムみたいになるので、危険と言えば危険。適量の水をつければ、洗顔できないこともないと思うが、通常は、洗剤のついたタオルで顔を吹いたりする。シャワーもないので、そのタオルで体を拭いて清潔を保つ

    Q:宇宙に行ったことで、命とか、生きると言う事について変わったことは?
    A:宇宙でできる医療行為は限られている。そういう観点で、健康な人を選抜して宇宙に送っているし、睡眠時間をきっちり取り、緊張感を抜く時間もとって精神的な安定も保つようにしている。そう言うことは、地上にいる人も同じで、同じようにしても良いことだと思う。

    Q:ISSで家族と話したり、メッセージを交換したりできる?
    A:そう言うコミュニケーションは重要。家族とは、週一回TV電話で話ができるし、ISSからは電話をかけることもできる。逆は出来ないが。また、Eメールもできる。

    Q:宇宙酔いになる宇宙飛行士は、どのくらいいる?
    A:半分もいないと思う。ただ、初めて行く人は、気持ち悪くなる人が多い。2回目、3回目になると、慣れるのか、あんまり気持ち悪くならない人が多い。ただ、無重量から地球に帰ってくる時は辛い。三半規管が狂って、調子が悪くなる。三日位寝込んだ。これには経験による慣れはない。

    Q:金井宇宙飛行士がアメリカに留学した際、アメリカの女性医師から宇宙飛行士になった人が居ると聞いて、宇宙飛行士を目指したと聞いた。宇宙飛行士に必要な資質のうち、リーダーシップとは?また、忍耐力は、どうやって身につけた?
    A:リーダーシップは難しい。「俺についてこい」で引っ張るタイプの人もいれば、「君はどう思う?」と人の意見をもとにキメるタイプの人もいる。どちらが良いとかは決められない。宇宙飛行士はチーム。チームとして仕事をする際、チームの成績を上げるために、全体の成果をどうやって上げるかと言うことが優先される。先輩後輩と言う人間関係まで含めた環境の中で、最初は「俺についてこい」とやるのかと思っていたが、そう言う事では無くて、徐々に自分は自分でいいと言う気持ちになっていった。チームに対して、自分が貢献できることはあると思う。それと、忍耐力だが、昔は看護師と喧嘩もした。しかし、医師の仕事をしていると、「これをしないと、患者が死んでしまう」とか言うような、絶対引けないと言うことがある。そう言う仕事をしていく中、人生経験の中で忍耐力が培われたと思う。自分の飛び込んだ世界で、精一杯やって経験を積んでいくこと言うことが重要。なので、宇宙飛行士は、社会に出て、人生経験を持った人しか採用されない。

司会とか、会場運営とかが、中々初々しい感じでしたが、
中身は濃い講演会でした。
特に、最後のQ&Aは、良かったです。

残念ながら、会場内での撮影は不可だったので、
金井宇宙飛行士の写真はありません。
会場との質疑の時、めっちゃ近くにいたんですけどね:-p

20181122 大人の社会科見学 vol.46@「東京で学ぶ京大の知」シリーズ29『ソーシャルメディアの光と影』①

2018-11-22 | 大人の社会科見学
今日は、新丸ビルにある京都大学の東京オフィス
京都アカデミアフォーラムで行われるセミナーに初参戦。

今回で29回目と言う事だそうなのですが、
1回の開催で、複数回の講演があるようなので、
講演数で数えれば、29の数倍の数になるようです。
それを、今まで知らなかったなんて・・・
不覚だ。

で、29回目の今回ですが、
テーマは「未来につながる情報化社会 -展望と課題-」
そして今日は、そのシリーズの1回目で、
『ソーシャルメディアの光と影』と言うタイトルの講演です。
フェイクニュースとかもありますし、学校でのいじめ問題もあって、
中々興味を引く内容です。

ポイントは、以下の感じでしょうか。


  • 人のつながりには、「公共圏」と「親密圏」がある
  • 公共圏。従来は、典型的にはマスメディアによって作られてきた空間
  • 『ソーシャル疲れ』と呼ばれる「親密性の過剰」の状態が顕在化してきているが、従来は匿名的であったインターネットの世界で、SNSが普及するにつれて現実世界との関係が再構築されて、『ソーシャル疲れ』につながる
  • 「ソーシャル疲れ」の実態は、過剰なまでに、友人の事を意識してしまう事。しかし、ネガティブ経験をしたにもかかわらず、SNSを継続利用している。その理由は、止めることは、既存の関係に悪影響を与える懸念から
  • LINEの“既読無視”はマナー違反とされているが、その回避策を利用者は模索。雑談のためにLINEを使うのではなく、何か目的があるときだけLINEを使うこと事や、既読無視する事をキャラとして定着させるとか、既読無視自体をネタとしてしまうなどで、利用者は既読無視によるトラブル回避をしている。
  • 親密性のイデオロギーが強まると、(欧米社会において)公共性が喪失されるようになってしまった
  • Facebookによる利用者の個人情報に基づくターゲティング広告で、一度公共性が解体してしまっているが、その後、趣味や、地域など、目的や志向別でコミュニケーションを再整理する事で、「デジタル公共圏」としてのフェイスブックが出てきている
  • また、親密性と公共性が対立するのではなく、親密性と公共性が整合する事で活性化する事例も出てきている

などでしょうか。

中々勉強になりました。

20181110 大人の社会科見学 vol.45@科学技術振興機構 サイエンスアゴラ

2018-11-10 | 大人の社会科見学
今日は、お台場のテレコムセンターで開催されている
SCIENCE AGORAに初参戦。
JSTでお馴染みの、科学技術振興機構のイベントです。

昨日の11/09に日本科学未来館で開幕し、
土日はテレコムセンターに会場を移しての開催
と言う事だそうです。

まずは、午前に開催されるセミナーに参加する予定だったのですが、
「0945に受付開始」と、事前受付メールに書いてあるにも関わらず、
テレコムセンター1Fの総合受付に行くと、「受付開始は10時です」と言う
ちぐはぐな対応。
スーパーバイザー的な人だけ、事情を把握している様で、
セミナー参加者は10時前に優先受付と言う扱いの様でした。
アルバイトを雇ったのかもしれないけど、きちんと教育してね。

ま、でも言う程のトラブルでも無く受付終了し、セミナーへ。
セミナーは
「Society 5.0 における学びとは?~AI技術は学びをどう変えうるのか」

と言うもの。

と言う内容です。

セミナー講師はこういう方々。

前半に、講師の方々によるショート講演を行い、
後半に、ディスカッションと言うスケジュールだそうです。

トップバッターは、NTTの柏野さん。

スポーツ脳科学で有名な方ですね。
講演で面白かったところは、こんな感じ

  • 日本女子ソフトボールチームの強化に関係しているが、中身は言ってはいけない事になっている。MLBも強化に関係しているが、契約でどこのチームか言ってはいけない事になっている。
  • 研究所の地下に、ソフトボールや野球の選手に実際に動いてもらえ、データを取ることが出来るスマートブルペンがある。
  • 運動選手が上達するには、相手選手の事も選手の成績と言う事には関係してくるので、自分の技能を上げるだけではダメ。
  • この研究では、スポーツ選手の感覚と言うものは、本人も意識していないくらい潜在的。主観と客観のズレや選手とコーチのコミュニケーションの壁と言うものもあるので、潜在を顕在化することを行っている
  • スマートブルペンでVRを使って、ソフトボールのストレートと変化球のフォームを入れ替えたりすると、打者は打てなくなる。
  • 選手の動きを、何秒か遅らせた遅延映像を選手自身が見る事で、選手は自分の状態が把握できて、改善点を知る事ができる。
  • 野球のピッチングでの例。ビデオだと、ピッチャーのフォームの形はわかるが、どこで力を入れるかと言う事がわからない。そこで、投球動作の際の筋活動を音に変換して聴かせている。草野球程度の選手は投球動作全体で力んでいるが、プロは、ここは力を入れるところ、ここは力を抜くところと、力の入れ方にメリハリを付けた動作を、一連のピッチングの中でしている。
  • 将来は自律的トレーニングになるだろう。選手が、自身の問題意識を、ICTを活用して科学的に検証。指導者の役割は、データと読み解いて選手に通訳、トレーニング選択肢の提示などになるだろう


二番手は、明治大学の五十嵐さん

手芸とか、ハンドメイドのものに対して、ICTを活用したアプローチをしている方
面白かったところは、こんな感じ

  • オリジナルな手芸作品作りでは、型紙作成が難しい。だいたい市販しているものを購入して使う事が多い
  • PCでマウスを使ったり、ペンタブレットで作りたいものを書くと、わたを入れた後の状態を考慮した手芸の型紙を出力するアプリを作った。また、作品の状態のシミュレーションもできる・これにより、専門家が作った型紙を縫うだけではなく、自分のデザインを容易に縫う事ができる
  • ビーズは、単なる三次元ではなくて、ビーズを糸で結んで形状を作っていくので、手芸以上にデザインが難しい。同じ大きさのビーズであると言う前提で、手芸のアプリの様な、最終形状を描くと、ビーズのパターン図に起こす事ができるアプリを作った
  • 子供が自分でやっているところに親が介入して教えてしまうと、子供は自分で考えることを止めてしまい、親が教えたそのままになってしまう。しかし、子供のやっているままやらせ続けると、何でそうなるかを子供が自分で考えさせるきっかけになる
  • 親が教えてしまうと、子供の発想力が伸びない
  • プログラミングは、発想を育てる道具。プログラミングスキルを磨く事が目的ではない


三番手は、京都大学の緒方さん

LMS(Learning Management System)と呼ばれる学習管理システムの研究者の方
元々は九州大学にいた方だそうです。
面白かったところは、こんな感じ

  • コンピュータが教育に入ると、学んだ事、教えた事が全て記録する事ができる。ラーニングアナリティクスが出来る
  • 電子化された教材や教科書を使う事で、学生の知っている事、知らないことを自動的に知識状態モデルを作る事ができ、知識状態により学生をペアリングしたりする事もできる
  • 出席状態や、学習状態も管理できるので、成績が芳しく無いとか、出席がよろしく無いとかの場合、LINEで連絡するなど、学生に連絡がやりやすくなる
  • 大学一年の場合、異なる高校から来ているので、集団としてどこを知っていて、どこを知らないか知識状態を把握する事ができる。それにより、教える内容、教材を整える事ができる
  • 海外では、LAを導入する事で、成績下位者の成績が向上し、成績中間層が増したり、成績の芳しくない学生に介入する事で、成績を向上させたりできている事例がある
  • 日本で、全学的なLAを導入しているのは九州大学だけ
  • 教育現場のICT環境が整備されていない、国全体での教育データを利活用する仕組みがないとか、データに基づく教育カリキュラムの策定や、そのための教員の養成と研修を行う必要があるとか、データやエビデンスを長期的に蓄積して行くための継続的な予算措置が必要・・などの諸課題がある


最後の四番手は、
日本オープンオンライン教育推進協議会常務理事・事務局長で、
明治大学の福原さん

JMOOCの推進元の方ですね
面白かったところは、こんな感じ

  • 海外の事例として、Curtin大学。アジア太平洋地区で最も先進にデジタル化が進んだ大学。講義はデジタル化され、87%のコースは反転クラスに転換。そう言うクラスでは、オンラインで学んだことを、教室でディスカッションしてより理解を深めると言う様な事を行っている。
  • Minerva大学。全ての授業がオンライン化。合格率が1.9%と、世界でも最難関の大学。授業では、学生の顔がビデオで共有されるような仕組みなっているが、それぞれの学生がディスカッションに参加しているかorしていないかと言う事が教員にわかり、消極的な学生に対して教員がファシリテートする事が出来る様になっている。
  • MOOCは海外の方が進んでおり、コンテンツも英語のものが多いが、AIがMOOCに取り入れらる事で、そう言う沢山ある海外のコンテンツを翻訳して利用する事が出来る様になるので、日本に居ながら、日本語で世界中の様々な学習者と交流する事が出来る様になる


この後は、ディスカッション。

    テーマ「多くの教育のシステムは、明治維新後、座学中心に作られたのが、今まで踏襲されてきている。しかし、いまでは、一人一人に合わせた教育ができる環境ができている。教師やコーチの役割が変わってきているのでは無いか?」
  • インタラクティブ性は、ドンドン増してきている。教師や、コーチが方向性を決めて強制するのではなく、ファシリテートして、学びをアシストするようになる
  • 過去、現在含め、情報が多い。そんな状況で、(特に子供は)気づく事が難しい。教える側は、気付き、学びのきっかけを与える事が役割に。
  • 自分のデータを取る事ができる時代。気付きを与える役割は大きい。
  • 世界と比較をしてみると、日本の場合、提供側の論理に陥っている。本来、学んでいる人の成長に合わせ学びの側に寄り添うべき。教えると言う考えから、学びをencourageすると言う方向に変わっていくべき。

    テーマ「新しい教育を行う上で、教育環境、ICT環境について、コストも含めて、新しい教育環境をどうやって整備して行くべきか。いまの、机を並べる形態が良いのか?」
  • センサを張り巡らせるのは、たしかにどこのスポーツクラブ/チームでもできるわけでも無い。今はトップ層をやる事で、何をやるとわかると言うことを試している段階。将来は、松竹梅のように、目的、コストに合わせて、選べるようになって行くと思う。
  • デジタル黒板が導入されていても、使いこなされていない。一方で、ジグソー法を取り入れて、上手くやっている教育現場もある。
  • 幼稚園から大学まで含めると42000くらいの機関がある。一気に全てにICTを入れることはできないので、どうすればどうなるかと言うエビデンスを示して、情報を共有すると言うのが大事。
  • 日本の場合、環境整備はハードウェアに偏りがち。アプリケーション、使い方を開拓していくと言う取り組みも大事。お上にお任せと言う事では、上手く行かない。民間の取り組みも大事。
  • リカレント教育へのMOOCの取り入れと言う観点もあり、企業でのMOOC活用の事例としてDENSOがある。全社員に対する健康と学びの施策で、JMOOCを取り入れる。約50000程度の社員数に対して、登録アカウントは40000くらいある

    テーマ(結び)「Society5.0の学び?」
  • 学ぶ側の主体性、自主性というのは、やはり必要
  • 幅を広げるというのは大事。理系文系ではなく、文理融合型と言う時代。
  • 日本は、資源がない国なので、人材育成が大事。人材育成を社会全体で語る事が大事
  • 東南アジアでは、学びたいと言う要求は大きいが、コンテンツが少ない状況。学ぶ事で社会は変わるので、学び疲れの日本でも、学ぶことの重要さを再認識する事が大事

あまりAIとの関連は見られませんでしたが、内容的には興味深かったです。

ランチの後の午後は、展示物を見学。
どちらかと言うと、科学に子供を親しませようと言うのが意図ですかね?
そう言うワークショップ的な企画が多かったです。
大学の研究室や、高校の科学部みたいなところの展示もあって、
一種の文化祭的な雰囲気もありました。

意外に面白かったです。

20181103 大人の社会科見学 vol.44@理化学研究所科学講演会

2018-11-03 | 大人の社会科見学
文化の日!
文化の日は、晴れの特異日らしいのですが、
今日もその例に漏れずに晴れ!

そんな晴れ上がった今日ですが、屋内でのイベントの
理化学研究所の科学講演会です。

“理化学研究所”“科学講演会”とか言うと、
なにやら訳の分からないところで、
小難しい話の様に感じるかもしれませんが、
一般向けの講演会なので、そこは大丈夫でしょう。

12:40開場なのですが、その間もない時間に行ったのですが、
既に、多数の人が来ていました。
まぁ、こういうちょっと珍しいイベントに来るような人は、
そう言う事が好きな人でしょうから、早くから来るか。
まぁ、私もそのもの好きの一人ですけどね:-p

13:30の講演開始時間になって、イベントが開始です。

最初の講演者ですが、理研の松本紘理事長だったのですが
“多忙”と言う事で、小安重夫理事による代打です。
それによれば、理研の科学講演会と言うのは、
実は今回で40回目だそうで、年1回の開催なので初回は1978年。
そんなに昔からやっているとは知りませんでした。
内容的には、“科学”と言う言葉は、錬金術から来ていると言う
話に始まり、その昔は(その音から)“舎密(セイミ)”と表記していた
時代もあったらしいのですが、1861年に川本幸民の著書『化学新書』で
初めて“化学”と言う言葉が使われたそうです。
そういう意味では、結構最近ですね。
その他には、100年前の報知新聞による「100年後の世界」は、
ほとんど実現しているとか言う話であったり、
シンギュラリティ2045年問題とか、
日本は、課題先進国としてだけではなく、課題解決先進国として、
これから行くべきだとかと言う話から、最後に、
科学者に求められるものとして、幅広い教養と社会への関心と繋がりを持つこと
と言う事で、終了です。

そのまま引き続いて講演したのが、三好 建正・計算科学研究センター・
データ同化研究チーム・チームリーダーの
「データ同化研究 ~ゲリラ豪雨予測からその先へ~」と言う講演。
スーパーコンピューター京を使う事で、シミュレーションは
飛躍的に向上したが、それでもゲリラ豪雨はまだまだ予測できない。
そこに、観測データを加味したデータ同化と言う手法を使うと、
ゲリラ豪雨も、非常に上手くシミュレーションできるという話。
たしかに、ゲリラ豪雨の予測は出来ないという話はよく聞きますが、
それを予測できるようになってくれば、日常生活においても、
かなり便利になりますね。

三好さんの講演の後、休憩を挟んで、後半戦の二本の講演。

後半戦の一本目は、環境資源科学研究センター・細胞機能研究チーム・
チームリーダーの杉本 慶子さんで「植物の再生のふしぎ」と言う話。
この講演の後は、再生医療の内容なので、植物と動物で、
再生と言う事がらがどう違うのかと言う、良い対比になります。
植物においては、接ぎ木や、株分けとかにもある様に、
比較的再生は容易で、しかも、分化の終わった細胞でも
それは可能であると言う話に始まり、植物の再生の際に、
機能しているホルモンや、再生をコントロールする遺伝子発現の話とかでした。
質疑の際、「植物を育てるのを趣味としているが、最近の接ぎ木で作られる
苗は、勢いが無く直ぐにしおれてしまう。そう言う事が無い様な
研究をしてほしい」と言うお年寄りの発言があって、
品種改良による奇麗な花とか、たくさん実がなるとかの産業的な意義を
杉本さんは言っていたものの、納得しないお年寄りに炎上する雰囲気を感じたのか、
最後には「研究課題ありがとうございました」と言っていました。
うん、あのまま行っていたら、炎上していたね。

そして最後は、動物の再生(医療)の話と言う事で、
生命機能科学研究センター・器官誘導研究チーム・チームリーダーの
辻 孝さんで、「次世代再生医療としての器官再生の実現を目指して」と言う話。
再生医療と言うと、iPS細胞の話かと思いきや、その先の話。
再生医療としては、骨髄移植とかの幹細胞移入療法が第一世代で、
皮膚移植、心筋移植、軟骨移植とかの組織再生が第二世代。
そして、次世代の再生医療として、臓器移植ではなく、
再生臓器で置き換える器官再生を目指して研究している再生医療が、
第三世代の再生医療になると言う話から始まります。
いままでのところ、歯、唾液腺、涙腺、毛包などについて研究開発をしていて、
それぞれ、動物実験では、それなりの成果が出てきているそう。
そして、歯、毛包については、2019年に臨床試験に進んでいくと言う話でした。
毛包の話については、質疑でも話が集中していましたね。
まぁ、実現したとしても、保険診療では無くて自由診療の範疇でしょうけど、
関心は高いみたいです。

13:30から16:45と、結構長丁場の講演会でしたが、なかなか面白かったです。
勉強になりました。

20181008 大人の社会科見学 vol.43@旧朝倉家住宅

2018-10-08 | 大人の社会科見学
デンマーク大使館及び大使公邸一般公開の後は、
直ぐ帰ろうと思ったのですが、
『旧朝倉家住宅』と言う文字を発見。
“旧XX家住宅”とかいう場合、一般には、
文化財であることが多いので、行って見たところビンゴ!
重要文化財の住宅でした。

その歴史とか詳しい説明は、渋谷区のHPにお任せ。

面白かったのが、トイレ。
1階と2階にあったのですが、男性用小便器が、
何れも2基設置されているんですよね。
男性客が多かったと言う事ですね。
って言うか、女性用が、現用のものを除き、
見当たらなかったのですが?
1階、2階のトイレの大便器側を使用したと言う事でしょうか?
トイレの話が続きますが、1階のトイレは、
洋式であったのですが(写真は撮れず)、
2階は和式と言うのも興味深いです。

それと、合わせて、照明とかエアコンとかが、
意外に今風。
この建物、最近まで経済企画庁の
渋谷会議所として使用されていたと言う事なので、
その経緯もあって、そう言う改装が行われていたんでしょうね。

それと、窓ガラスですが、これは昔から使われていたもの。
だから、2階から中庭を撮った写真を見るとわかるのですが、
厚さが均一では無いので、外が歪んで見えます。

通常は、観覧料が大人で100円かかるのですが、
今日は、無料公開でした。

それらも含めて、写真は以下から。

20181008 大人の社会科見学 vol.42@デンマーク大使館及び大使公邸一般公開

2018-10-08 | 大人の社会科見学
三連休最終日。
昨日の、季節が逆戻りしたかの様な暑さからは一転、
どんよりとした曇り空。
気温は、平年よりは高い?
でも、昨日よりは低いので、過ごしやすいです。

そんな今日は、猿楽町で行われている猿楽祭の一環で
デンマーク大使館及び大使公邸一般公開があったので、
行って見ました。

猿楽祭は、代官山ヒルサイドテラスのイベントなのですが、
代官山・・・アウェー感半端なくて、馴染めないっす(苦笑)

そんなアウェー感を感じながら旧山手通りを歩いていくと、
こんなレゴが。

レゴは、デンマークでしたね。

入口にもレゴがあるんですが、このデザインは、狙いですか?

警官ですからね。

特に受付する事も無く中へ。

入って直ぐの辺りにある仮設の建物の中では、
一時期話題にもなった“Hygge”な写真の展示スペース。

最もHyggeを感じた写真の投票イベントもやっていました。

大使公邸の入口には、狛犬の如くレゴがなっています。


剣を持っているので、守っていると言うイメージ?

中に入ると小さめの玄関ホール。
壁には、こんな飾り。

右側の飾りは、扇をイメージしているんですかね?

そして、左に行くと、小さなレセプションスペース。
軽食の提供も行われていました。

そして、そのレセプションスペースの壁際には、
こんな飾りと壁時計。


こちらが壁時計のアップ。

良く見ると、古い壁時計です。

文字盤には、天使が居ました。


大使公邸の中には、小さな池と石灯篭。

日本をイメージしているんですね。

帰り際、大使公邸の入口の壁を見ると、こんな銘版。


障子を使った部屋もありますが、北欧を感じさせる、
中々オシャレな建物でした。

20180707 大人の社会科見学 vol.41@歌舞伎鑑賞教室(国立劇場)

2018-07-07 | 大人の社会科見学
七夕牡丹餅
一発かまさないといけないお約束ですよね?
違う?

それはさておき、七夕の今日は、
国立劇場で行われる歌舞伎鑑賞室に行って来ました。
やっぱりね、いい歳の大人になって来たので、
“日本の文化”と言うものを勉強しようかと
思うようになってきました。
これまで、落語は何度か行っているのですが、
歌舞伎は「勉強しよう」と思うだけで、未だ未体験。
そんな折にちょうど良く、歌舞伎鑑賞教室なるものが
開催されていると言う事を知ったので、
さっそく行って見ることにしました。

歌舞伎と言っても、場所は歌舞伎座じゃ無いんですね。
“教室”と銘打っているだけの事はあって、
国立劇場での、歌舞伎鑑賞教室です。
そうですよね。
国民に広く遍く普及促進を図ると言う観点を鑑みると、
国立劇場での開催と言うのは納得です。

最寄りの半蔵門駅からアクセスすると、
国立劇場の裏手の方にたどり着きます。


行く途中、なにやら、子供の姿が目につきます。
「え?子供がこんなに歌舞伎鑑賞教室に来るの?」と思ったら、
どうやら違った様で、
小劇場で行われる「親子で楽しむ舞踊・邦楽」だったようです。

あと興味深かったのは、某私立大学の比較文化学科と言う
受付があった事。
学科の学生の実習なんでしょうかね?
学生さんが、見に来ている様でした。

国立劇場の中に入ると、入り口正面の付近に、
連獅子が飾られています。

まぁね、歌舞伎と言うと連獅子を連想するでしょうからね。
これは鏡獅子で、昭和33年、1958年の作品で、
元々は国立近代美術館のものなのですが、
昭和41年、1966年のこの国立劇場開場を記念して、
ここで展示されているものなのだそうです。

開演まで、まだ若干時間があったので、
ロビーをうろつくと、こんなものが!
ちょっと良く分からないのですが、
アニメキャラ風のパネル展示がありました。

なんの作品かは、知りません(苦笑)

こちらは、アニメキャラではなくて地方創生?

岩見神楽の「大蛇」のようです。
今日の演目も、八岐大蛇が関係してくるのですが、
その岩見神楽における八岐大蛇が、これみたいです。

さて、今日のタイムテーブルはこんな感じ。

初めの方に「歌舞伎の見方」と言う解説があり、
それが終わった後に、実際の歌舞伎鑑賞と言うスケジュールの様です。

時間になって、前半の「歌舞伎の見方」の始まりです。
案内役は、この後の「日本振袖始」で稲田姫を務める板東新悟さん。
こういうのって、若手の役目なんですね(苦笑)

色々と面白おかしく、舞台の話や、
お囃子さんの解説などをしてくれるのですが、
半分くらい過ぎた所でしょうか、
それまでは生の解説だったんですが、
ビデオでの解説に切り替わります。
その後の出番での、メイクやら衣装やらの都合だと思います。
この「歌舞伎の見方」時、“狙ってんなぁ”と思ったのは、
「半端ねぇ」とか、「逃げ足が大迫並に早い」とか、
盛り上げるために出てきた人たちが、時事に即したセリフを言っていたこと。
そうなんですよねぇ。
そもそも、歌舞伎って、大衆芸能なので、
時事ネタが盛り込まれていても、不思議では無いんですよねぇ。

「歌舞伎の見方」が終わった後は、休憩を挟んでの歌舞伎の上演です。
演目は「日本振袖始」なのですが、あらすじを聞いてみると、
とこかで、かすかに聞いたことがある話。
どこかでかすかに聞いた話と、歌舞伎が一致した瞬間でした。

今回は、初めてと言う事もあり、
イヤホンガイドを聞きながら鑑賞したんですが、
イヤホンガイドも、良し悪しですねぇ。
舞台の上手・下手のところに、字幕表示があるんですが、
それを見るのが良いのか、イヤホンガイドの音声を聞くのがいいのか、
中々難しいところです。

それともう一つ思ったのは、拍手のタイミングの難しさ。
今日は、上記の“比較文化学科”の先生?をチラ見しながら、
拍手のタイミングを図っていましたが、
そういうのが無いと、拍手のタイミングが難しいですね。
なんか、クラシックのコンサートで、
楽章と楽章の間に拍手してしまうような間抜けな拍手は避けたいですからね。

とはいえ、伝統歌舞伎を生で見たのは初めてなので、
いい勉強になりました。
次があるかは、不明です(笑)

20180616 大人の社会科見学 vol.40@アメリカ海軍病院船マーシー一般見学会

2018-06-16 | 大人の社会科見学
どんよりとした空模様の土曜日は、
アメリカ海軍の病院船マーシー見学会です。

Facebookか何かで、告知されていたので申し込んでみたんですが、
当選したので、行って来ました。

マーシーがいるのは、大井ふ頭なのですが、
見学会の集合場所は品川。
そこで、見学の受付。
こんな、パスを渡されました。

その後、バスで大井ふ頭まで移動して
見学と言う運びです。

受け開始時刻に、品川の受付会場に行ったのですが、
既に、私の前の回の見学のグループが見学に向かうところ。
今日は、何回転もするようです。

受付を終了し、バスで大井ふ頭に移動します。

大井ふ頭には、こんな感じでパネルが出ていました。

ここで、米軍兵による身分証明書の確認があります。
でも、彼・彼女たち、日本語が読めるはずもなく、
“一応確認しました”と言うセレモニーですね。

そして、ふ頭に近づくと、この光景。

後ろ側ですが、マーシーの大きさを実感です。

しばらく、倉庫の一角の待合所で、
米軍側の案内を待ちます。
このままスムーズに中に入れるわけでは無かったようです。
って言うか、上記にも記しましたが、
今日の見学会は、何回転もするようなので、
船内で渋滞が発生するのと、説明員の都合で、
フローコントロールをするようです。

しばらく待って、やっと呼び込みがかかって中へ。
って言うか、呼び込みは、たぶん中佐クラスの人ぽかったです。

マーシーのロゴのマット。



病院船とは言っても、やっぱり海軍の船なんですね。
当直のいるところはこんな感じです。


こちらは、歴代のアメリカ海軍病院船でしょうか?


マーシーの名前の入った鐘です。


こちらは、マーシーの銘版


当然と言えば当然なんでしょうけど、
砂漠の嵐作戦にも参加していたようです。


マーシーの中はこんな感じ。
ER区画です。


1区画当たり4つのベッドがあるそうです。


これは、ERの訓練用設備。

マネキンがベッドに寝ています。
病院船ですからね、日ごろの訓練が重要ですね。

こちらはレントゲン科

これらポータブルのレントゲン機器の他、
4つのレントゲン室があります。

そしてこちらは、CTの部屋




下手な病院よりも、設備が充実していますね。

手術室区画です。




こちらは、術前の事前準備のエリア


手術室は撮影できませんでしたが、ダ・ヴィンチは撮影できました。

ダ・ヴィンチは、日本には2016年9月末現在で237台あるわけですが、
病院船と言う、常には使わない設備にも
ダ・ヴィンチが設置されているのにはビックリです。
って言うか、病院船こそ、ダ・ヴィンチが必要なのかもね。
ちなみに1台4億円。

物凄い駆け足での見学です。

こちらは、船の中の通路。

こんなところにも、担架が準備されているのは、
さすが軍隊の病院船ですね。

これらは、病院船として活動したことに対しての、
感謝の記念品だそうです。

写真は一部です。
上述の様に、ものすごく駆け足の見学なので、
ゆっくりと見ることが全然できません。

先に進んだところにも、担架。


船に乗った時点で気が付いたのですが、
軍の船の筈なのですが、通路がめっちゃ広いです。

そして、階段ではなく、可能な限りスロープ構造です。
病院船ですからね、担架を運び入れることを考慮した作りになっていますね。

あっという間の、見学終了。
先ほどは後ろ姿でしたが、前に行ってみました。


いや、めっちゃ駆け足だったのは、ちょっとどうかとも思いますが、
病院船の内部を見学できたのは、勉強になりました。
写真は撮れませんでしたが、名誉勲章を受けた人たちの、
感状を展示していたエリアもありました。

下手な日本の田舎の総合病院よりも、
装備が充実していました。

20171112 大人の社会科見学 vol.39@明治生命館

2017-11-12 | 大人の社会科見学
クリスマス飾り散策の際、
明治生命館に通りかかったので、
久しぶりに見学してきました。
対日理事会が開かれた部屋が見たかったんですよねぇ。

1Fのラウンジからレトロなエレベータで二階に上がり、
見学コースに沿って見学します。

資料展示室の後、最初に来た会議室。

これが、対日理事会が開かれた部屋です。
うーん、イメージ通りですね。

こちらは、その会議室の隣の控室。

控室と言っても、結構立派な椅子です。
まぁ、当時もそうだったのかはわかりませんが。

部屋の外に出ると、吹き抜けのところにある手すり。

この下は、さっき通ってきたラウンジです。
戦時中は、金属回収で撤去されてしまったそうですが、
昭和31年(1956年)、改修工事に際して当初と同様に
復元されたそうです。

これは、吸塵バルブ

昭和初期の建築ですが、当時としても、今としても珍しい、
吸塵バルブだそうです。
今も使っているのかな?

次の見学場所の控室。

またも“控室”と言う名前の部屋ですが、
雰囲気がちょっと違いますよね。
この隣に食堂があるので、そのための配膳室ですね。

そして食堂。

明治生命幹部たちの食堂なのでしょうかね?
この写真の奥の方が、先ほどの控室です。

廊下にあった消火栓

たぶん、生きてると思います。

メールシュートがありました。

アップ。

これと同じようなものが国会にもありますよね。

再び“応接室”

XX応接室とかじゃなくて、単なる応接室と言う
名称になっているので、同じ名前の部屋が沢山。
これは、その応接室の隣の執務室。

先ほどの応接室は、この執務室の主のものの様です。

廊下を歩くと、またも“応接室”

先ほどのものとは違い、広めの応接室です。

その隣も“応接室”

応接室繋がりなので、共用の応接室なのかな?

そして、さっきの大きい応接室の反対側の隣には、
健康管理室。

昭和13年(1936年)の創設。
この手前側に相談者が座って、奥側が医師?

これは健康管理室にあった棚。

カルテ棚っぽく見えますね。

見学できる歴史的場所はここまで。
一階に戻ります。
ここのフロアは、いまも現役で使われているフロアなんですよね。
って言うか、ビル自体が、明治安田生命の現役本社ですけどね。

一階の床のイタリア北部産の大理石には、アンモナイトの化石

これを含め、少なくとも、二か所にありました。

ここまで見られて只。
空いているし、良いです。
第一生命のマッカーサールームも公開すればよいのにと
思わずにはいられません。
って言うか、昔は公開されていたそうなんですが、
公開によって荒れてしまったので、
保存のために原則公開していない様です。