◎現状では希望に沿うことはできない(谷査恵子)
昨日の続きである。昨日は、籠池泰典さんと赤澤竜也さんの『国策不捜査』(文藝春秋、二〇二〇年二月)から、籠池泰典さんが証人喚問されたその日に、ジャーナリス卜の山口敬之さんが、谷査恵子さんのファクスを持って、テレビに出演したという話を紹介した。
本日は、二〇一七年三月二三日におこなわれた質疑応答から、籠池さんが「谷査恵子さんからのファクス」について言及した部分を紹介してみたい。これは、『国策不捜査』の九二ページに掲載されている。
「(小学校用地は)国有地ということで、平成27年5月29日に定期借地契約を締結いたしました。その土地の買上げの条件として10年だったものをもっと長い時間へ、期間へ変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けをいただこうと考えまして、昭恵夫人の携带に電話をいたしました。平成27年の10月のことです。留守電でしたので、メッセージを残しました。
すると、後日、内閣総理大臣夫人付きの谷査恵子さんという方から御連絡をいただき、『なかなか難しい』とのお返事をいただきました。平成27年11月17日に総理夫人付き谷査恵子さんからいただいたファクスでは、『大変恐縮ながら現状では希望に沿うことはできない、なお、本件は昭恵夫人にも既に報告させていただいております』というお言葉をいただきましたが、お骨折りに感謝しておったところでございます。
しかしながら、私は財務省の中でこの間どのようなことが起きていたのか詳しく存じ上げません。昭恵夫人、谷さん、財務省の関係者に詳しくその経緯を聞いていただきたいと思います」
関係者の間に緊張が走ったことは、想像に難くない。
ところで、この『国策不捜査』という本の奥付を見ると、「発行者 新谷学」となっている。新谷学さんは、『週刊文春』の編集長として、スクープを連発したことで知られるジャーナリストである(現在は、週刊文春編集局長)。この新谷さんは、山口敬之さんの著書『総理』(幻冬舎、二〇一六年六月)の幻冬舎文庫版(二〇一八年四月)で、「解説」を担当されている。
もし今後、『国策不捜査』が文庫化されることがあれば、その「解説」は、新谷学さんが最適なのではないかと思った。
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