月曜日(1月22日)から始まった全日本卓球選手権大会も、土曜日を迎え佳境に入ってきた。
今日土曜日のタイムテーブルは、
午前9時から男女シングルスの準々決勝
11時30分から混合ダブルスの準々決勝
12時35分から混合ダブルス準決勝
13時40分から女子ダブルス準決勝
14時45分から混合ダブルス決勝
15時20分から男子ダブルス決勝
15時55分から女子ダブルス決勝
…とあわただしかった。
大会前からの報道で注目は、パリオリンピックの代表選出に関してのこと。
特に、女子。
平野美宇と伊藤美誠のどちらが第2代表になるかということだった。
だが、それは昨日の6回戦で決着がついた。
ベスト8に勝ち残った平野美宇が、ベスト16で敗れてしまった伊藤美誠よりポイントを上回って、代表に内定した。
誰がチャンピオンになるか、ということが次の注目だ。
安定した強さを見せる早田が大本命だろうけど、互いに準々決勝を勝ち上がれば準決勝で早田―平野戦になる。
五輪の代表となって吹っ切れた平野がどれだけやれるか、と2人の顔合わせが楽しみだった。
ところが、準々決勝で平野は、赤江夏星(かほ)に、3-3とゲームオールの最終ゲーム9-11で落とし、負けてしまった。
代表が決まってホッとしたことがあるのかもしれないが、それ以上に今大会波に乗る赤江の思い切りのよい攻めに振り回された感があった。
私はよく知らなかったので調べてみると、赤江は現在19歳。
2022年のインターハイでは優勝しているが、全日本ではジュニアでベスト8に入ったのが最高という選手だった。
しかし、今日の試合を見ると、きっと今が伸び盛りの選手なのだろう。
強いボールが打てるし、守りもかたい。
意外性のあるボールも打てる。
19歳は、今まで2度全日本で準優勝している木原美悠と同い年だ。
その意味でいえば、伸び盛りと書いたが、遅咲きに近いかもしれない。
明日、現女王の早田戦でどんな戦いを見せるかが楽しみだ。
反対側のブロックの準々決勝では、その木原美悠対張本美和の試合が注目された。
木原は、一番安定感のある選手。
なにしろ、今日を迎えて、女子シングルスも、女子ダブルスも、混合ダブルスも、みんなベスト8に残っていたのだから。
ちなみに今日、最もたくさんの試合をしたのは、彼女だった。
シングルス1試合、女子ダブルス3試合、混合ダブルス3試合。
しかも、ダブルスは2種目とも決勝に進出し、混合ダブルス優勝、女子ダブルスも優勝と、2冠となった。
実力がなければ、達成できない。
その実力者の木原を、なんと4-0のストレートで下して、張本美和が準決勝に進んだ。
張本美和は、まだ15歳。
去年は、世界チャンピオン孫穎莎にフルゲームの接戦を演じたこともあった。
(もっとも、その後の対戦では0-11でゲームを取られて敗れたが)
今、一番波に乗っている選手と言ってもいいだろう。
きっと、明日の準決勝で横井咲桜(さくら)にも勝って、決勝に進むと予想される。
だが、優勝するのは、やっぱり早田ひなだと思う。
今日の準々決勝では、数年前にジュニアの世界チャンピオンになった長崎美柚を寄せ付けなかった。
ポイント上では並んだり逆転されたりもあったが、終始攻めるのは自分から。
ラリー戦になっても粘れるし、一発で打ち抜く強さも見せた。
バック系の技術の進化、新しいサービスなども披露しながら、結局4-0のストレートで準決勝へコマを進めた。
明日は、赤江の挑戦を受けるが、懐の深さを見せてきっと決勝に勝ち上がることだろう。
そして、経験の豊富さで張本をしのぐ強さを見せてくれるのではないか、と期待している。
はたしてどうなるか?
それにしても、女子の選手たちは層が厚い。
まだ中国をしのぐほどではないが、いろいろな選手が台頭してくる。
パリオリンピックは、長崎や木原には譲らず、早田・伊藤・平野の3人は決まりだろうと思っていた。
ところが、わずかの間にこうして張本やほかの選手たちも力をつけてきた。
平野が代表を決められたのは、逆にポイント制による積み重ねのおかげと言われるかもしれない。
今だけの力で判断すれば、第3代表に選考されるのは誰になるか分からない。
とりあえず、明日の準決勝・決勝を楽しみに待ちたい。