まったり風景

アルビレックス新潟のゲーム画像と、散歩写真+戯言のブログです。

レストアもどき

2006年08月06日 | マッタリ風景



上の画像に写っているカメラは、キヤノネットQL19Eと言う古のカメラです。(因みにキャノネットと言う言い方は間違いだそうです)
昔、親父が中古で買って来たやつを、私が家族写真や旅行で随分と撮影に使用した思い出のあるカメラです。。
今現在は、撮影と言えばデジカメばかりを使っている人がほとんどでしょう。
何せ、銀塩写真と違ってフィルム代がかからないし、撮影した画像はパソコンへ転送すれば現像無しで大画面でじっくりと見ることができるから、仕方ないのでしょうね。
実家に帰省した時に、押入れの中からこのカメラが出てきて、懐かしさがこみ上げてきて、もう一度使って見たいと思ったので、持ち帰りました。






さて、最初に問題となったのは電池です。
このカメラ、当時としては画期的な機種で、さすがにフォーカスは手動ですが、露出はカメラ任せの全自動(当時はEEカメラと言っていましたね)。
露出を制御するシャッター部分はセイコー社のSEIKO-ESと言う部品が使われていて、全自動なるが故に電池が無いと全く動作しないカメラなのです。
悪いことに電池は「水銀電池」と言う現在国内では製造も販売もされていない電池が必要です。
Webを検索すると、同じようなことを考えている人が沢山おられるようで、ボタン型のアルカリ電池LR44が代用できるらしいことが分かりました。
とりあえず、この電池を仮接続して電力を供給したところ、無事シャッターが切れました。
でもこのカメラは電子シャッターなので電力を大食らいして電池が直ぐにエンプティになっちゃいます。
酸化銀電池SR44の方が安定して電力を供給できることが分かり、次からはこの電池を使用することにしました。
一つ問題があったのは、電池の大きさが違うことです。
本来の水銀電池は高さも横幅もあるので、ボタン電池に何らかのスペーサーを噛ませないと、カメラの電池ボックスに収まりません。
私は、100円ショップで売っているマジックテープを円形にして横のスペースを埋めて、電池のプラス極とカメラ側の蓋にできるスペースはこれも100円ショップで売っている銅線でバネを作って埋めました。(どちらも、たまたま手元にあった物を使用したに過ぎませんが)
なお、正確に言うと水銀電池は1.35V、SR44は1.5Vの電圧なので本来は電圧の調整が必要と考えられますが、このまま使っています。








電池が手当てできたので、早速フィルムを入れて撮影をしてみました。
このカメラで撮影をするのは、何十年振りのことだと思います。
現像に出してプリントを見たら、写ってはいました。
ただ、遠景はともかく人物を撮影した写真は、ピントがかなり後ピンになっています。
このカメラはレンジファインダー(距離計)が内蔵されていて、ファインダー内で二重に見えるターゲット画像をピントリングで合致することにより、ピントを合わせます。
実は、ファインダーの内部が経年変化で曇っている上に、無限遠でピントを合わせても画像がまだ二重に見えます。
Webで検索したら、距離計を調整すれば良いことが分かりました。
ありがたいことに、カメラの軍艦部を開ける方法なんかもWebで情報を得ることができたので、早速軍艦部を分解して見ました。
距離計は水平と垂直をカメラ側のネジで調整します。
ただこの19Eは、垂直調整ネジの情報が分からなくて困っちゃいましたが、何とか見つけることができました。(掲載した画像が、おのおののネジの位置です)
調整方法は「レンジファインダー」Webサイトの情報を参考にさせてもらいました。
ついでに曇っていたファインダーの清掃を行ったところ、明るさをほぼ取り戻した感じです。
ファインダーの清掃を行うとき、画像にあるハーフミラーだけは拭かない方が良いそうです。
蒸着したコーティングが剥がれてしまうと、ハーフミラーが使い物にならないとのことです。

一応自分でできる範囲のレストアが終了したので、再度撮影にチャレンジして見ようと思っています。
一つ心配なのが、露出計です。最初に撮影した写真では、空の調子が完璧に飛んでしまっていました。
露出計の心臓部であるCdSが経年変化で駄目になっているのかも知れません。(電池の電圧差が関係している可能性もあり)
因みに、キヤノネット一族はかなりの種類が発売されましたが、全自動カメラはこの一機種だけらしいです。
電子シャッターなるが故に、ここが壊れると修理不可能となるので、まともに動く中古は余り無いそうです。




このカメラが私の手元に来たとき、取り扱い説明書は付属していませんでした。
それで、駄目もとでキヤノン販売へ手紙をだして、取説の在庫があったら販売して欲しいと依頼してみました。
返送されてきたのが、写真の取説(コピー)です。
コピーではありましたが、きちんと対応してくれたのには、感激しました。
オマケなのか、自動と手動で使えるQL17とQL19の取説が同封されていました。