俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『雉も鳴かずば撃たれまい』

2009-05-07 21:58:19 | Weblog
ワルポンは高校時代の部活で弓道をやっていたのです。

が、同じ部活の同級生から、断固許せない行為があったので教室の中で罵り合いになり、取っ組み合いの喧嘩になったのです。
俺は悪くないので、もう、同じ空気を吸うのも嫌になって、それで2年で部活をやめちゃったのです。

それがこの頃、何かの拍子に、再びやってみたいと思いついて、あっちこっちの弓道場を見て回っているのです。

       ☆       ☆       ☆       ☆

印旛村の中央運動公園にある弓道場を見ての帰り道、印旛沼のほとりと山裾を縫うように走る道を通ったのです。

車がすれ違うのにもスピードを落とさなければならないぐらいに細い曲がりくねった道です。多分、その道は、昔から地元の人たちの生活道路になっていて、荷車や馬車で米俵や野菜を運んだり、隣のと行き来した道だと思います。

ハンドルを右に切り左に切りしてドライブテクニックを楽しんで何度かカーブを曲がって走っていると、突然、目の前の路上を右から左へ、トットットットッと横切る物体に出くわしました。

慌ててブレーキを踏み、車を停めて、物体の進んだ道路から一段低い左側の休耕田に目をやると、じっと立ちすくんでいるメスのキジを確認しました。
案外と華奢な小柄で、こげ茶とうす茶のまだら模様が、去年の秋に刈り取った稲の切り株によって保護色になっていました。

運転席の後部座席からカメラバッグを引き寄せて、おもむろにカメラを取り出し、車を降りて写真を取ろうとしたその時、背後から“ケンッケーン”と、するどい鳴き声が・・・ ビックリして振り返ると、真っ赤な頭のオスのキジが見下ろしているではありませんか・・・ 瞬間!シャッターを切りました。

全身の姿を一枚撮らにゃと思って、そーっと近づくと、ギラギラ輝く濃い緑色の羽を全身にまとい、長い尾をピンと張り、真っ赤な頭の首をすっくと伸ばし胸を張って、誇らしげに悠然と雄姿を現したのです。ジャガイモ畑の前に・・・
その距離5m、さすが、国鳥! 王者の風格です。

素早くカメラを構えシャッターを押そうとしたその一瞬、くるッとひるがえってジャガイモ畑にもぐりこんでしまいました。

・・・ひょっとしたら、ジャガイモ畑の畝の間に隠れているのかもしてないと思って、さっき彼がいたあたりに忍び足で行ってみたのですが、いくら探しても、もうどこにも姿は見当たりませんでした。

道路の反対側の休耕田の彼女の姿も、どこにも見当たりません。

       ☆       ☆       ☆       ☆

「雉も鳴かずば撃たれまい」と云いますけれど、そんなことじゃございません。

メスの危険を察知したオスが雄叫びを上げて注意を引き、敵(ワルポン)を自分に引き寄せて、その間に彼女を逃がしたのです。
正に男の中の男、身を捨てて助けた彼に、彼女もきっと惚れ直したことでしょう。


いや~ぁ残念! 絶好のシャッターチャンスだったのにィ~・・・

口惜しくて云うのじゃありませんが、“ケンッケーン”という彼の鳴き声の“ケ”は、「ゲ」と「ギ」との中間ぐらいの、棘が咽に刺さったような濁声(だみごえ)の雄叫びでした。
先般、麻生さんがドイツへ出かけた際の演説も濁声で聞きづらかったけど・・・


ワルポンも高校時代に濁声を上げての喧嘩をしていなければ・・・
武士道を極めて今頃は王者の風格の紳士になっていたのに・・・ 

「雉も鳴かずば撃たれまい」




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