~ 夢の途中 ~

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江本孟紀氏の反論

2013年04月04日 | 久商野球部

昨日は乙武氏の『投球過多を制限すべきじゃ』の意見について書いてみた。

今日はその真逆・・・とまでは行かないが、プロ野球評論家の江本孟紀氏のブログをご紹介します。


済美 安楽投手の“余計なお世話”

さて選抜高校野球で、愛媛の済美高校の安楽投手(2年生)が投げた球数が正気の沙汰ではないと批判しているアメリカのスポーツ紙のニュースを見た。

上から目線のコメント記事だ。

安楽投手の「余計なお世話だ」というようなコメントが載っていた。全くアメリカの勉強不足と自分達の基準でモノを言うという傲慢さに呆れる。一度アメリカの若者達や指導者も日本の高校野球の練習やピッチングの技術などを勉強しに来たらどうか?

球数を投げないのがいかにも科学的で、スポーツ医学的にも自分達が優れているということを押し付けてくる。これには最近のプロ野球がこの風潮に惑わされ、折角の投手としての素質が開花されずに、むしろ投げないことで故障して育たないことも原因の一つになっている。(松坂などがいい例だ!)


アメリカのそのメディアよ、正気の沙汰とか言う前に、何故16歳の少年がこれだけの球を投げられるのか科学的に証明し研究してみれば?

みんながみんな投げている訳じゃないのだから。むしろ今は日本でも投げないことが多いのが現実だ!

しかし安楽投手のこの強い肩とスタミナが何故優れているのかを研究して、是非日本にも学びなさいと言いたい!

そして日本の高校野球を含めて、少年野球などの指導者、監督、コーチの優秀さも見習うことを勧めたい。


今回も恐らく昔のカミカゼニッポンの古風さを批判したいという心理があるのかもしれないが、日本の高校野球ついて大きなお世話だと反論してやるべきだ!

今更、高校野球の甲子園大会の球数制限だの球児の肩肘などの故障等を心配する前に、自分達の心配をしろと言いたい。

アメリカは肩肘を壊している故障者選手が今の考え方でいないのならまだしも、相変わらず故障者がいるではないか!

ただ何もみんなに安楽投手のように投げるべきだとは言っているのではない。投げられた投手を批判するなと言っているのだ!

参考の為に連投のきく投手の条件としては、元々連投のきく地肩の強いタイプがある。そして故障しにくい美しいフォームが出来ていること。それを作る為の練習方法などによって強靭な足、腰、肩が作られる。そして最後は手首・握力のパワーが連投できる元だ(これについては「知的スポーツのすすめ」深代千之著 東大出版会 の「投手編」を読めば参考になる)!

この安楽投手がそれに当てはまるのではないか?!

因みにオレは連投のきかないタイプでフォームもキレイではなかったが・・・。

まあこの手の話しになるとすぐに訳知りの意見として、肩は消耗品だとか連投は寿命を縮めるとかもっともらしいことを言うが、いずれは投げられなくなるし、年齢的なものもある。いつまでも投げられないのも当たり前だ!

だからと言って健康の為に投手をやっている訳じゃなく、肩肘など故障をするかもしれないリスクを、勝利という代償を得て戦いプレーするのだから、あれもダメ、これもダメ等と他人がとやかく言うべきじゃない。

その証拠に安楽投手は今日も堂々と投げて勝っているではないか!

それを故障して肩を壊すから止めろということは無責任でしかない。

本人が納得し、決めることなのだ!


なるほど・・・です。

これには個人的に賛成の意見と反対意見がある。ここで紹介されてる安楽投手の「余計なお世話だ」と云うコメント。もしこれを本当に彼が言ったのであれば痛快、アッパレです。まぁ、これぐらいの気持ちがないとあそこまで勝ち上がれなかったでしょうね。

次に反論したいこと・・・「本人が納得し決めることなのだ!」これだけは正気の沙汰とは思えない意見だ。先進派の江本さんらしくない。本人が決めるってもっともらしく聞こえるが、そのための判断材料を選手は持ち得ていない。これには相当な医学的知識が必要だからだ。たかだか高校で学ぶ時間で習得できるハズもないし、そんな中途半端な知識では判断はできないだろう。それこそ今と変わらない「行けるか?」「行けます!」で終わってしまう。

次は「アメリカでも肩、肘故障して投げられない選手がいるじゃないか!」って、そりゃ~いるでしょ。でも投球制限ってのは絶対に故障しないと云う保証ではなく、故障の確率、リスクを軽減させるためのモンでしょ。それを故障者がいるから・・・・で、終わらせるのはあまりにも乱暴すぎるし、それを言い出したら議論もストップですね。


次にこの意見・・・むしろ投げないことで故障して育たないことも原因の一つになっている。(松坂などがいい例だ!)
と、言っているが松坂投手の故障の原因ってそこなの?投球フォームから来るモンかもしれないし、高校野球で酷使し続けた結果が今出てるのかもしれない。

確かに甲子園で連投し続けて成功した選手もいるだろう。田中将大投手、松坂投手、桑田投手・・・その反面、酷使し続けたことにより潰れていった投手も沢山いる。(あえて名前は言わない。しかし名も知れず、草野球ですら投げられなくなった投手はゴロゴロいる)

昨日メジャーで惜しくも完全試合を逃したダルビッシュさん、高校時代は成長痛などで甲子園でも投球回数は少なかった。もし高校時代から万全の体調で投げ続けていたら・・・・もっとスゴイ投手になってるかもしれないし、もうプロの世界にいないかも知れない。
全て「知れない」と云う予測しか出来ないだろう。


私が考えうる投球数制限の最大のメリット。それは選手の肩・肘の故障防止にどれだけ影響があるのか分からないが、少なくとも今よりはマシになるだろう。
それよりもなによりも現状の一人のスーパーエースに頼りきって勝ち上がることが出来なくなる。それにより指導者が本氣になって勉強し、第二、第三の投手育成に取り組むようになるだろうし、ある程度失点する可能性も高くなる。そうなると点数を取らないと勝てなくなり、今のハンコを押したような「ただゴロを転がし走者を進める打撃」を教え込み、打者の可能性を阻害するような指導も出来なくなるだろう。

が、メリットです。

デメリットは本当の修羅場、疲労が出た頃にピンチを迎え交代!ではその投手が真のエースとして育たなくなる。ピンチに強い、逆境にも負けない投手が育つ土壌が失くなってしまう・・・です。

でも今夏は朝日新聞さんが何らかの対策を講じてくれるでしょう。なんせ今日の朝日新聞に『大会を振り返って』と称しこう書いてある。

※象徴的な言葉を抜粋しました。作為・悪意はありません。

「今大会は決勝に進んだ両2年生エースがほぼ1人で投げ続けたのには抵抗を感じた。準決勝進出4校のうち、複数投手を使い分けたのは高知だけだった」そう書いている。

であれば、春よりも過酷な条件下で戦う夏の甲子園は何かやってくれるハズです。なんせ天下の朝日新聞の主催大会ですから・・・。

まぁ、ハナっから朝日新聞なんかにゃ期待はしてないが・・・。