行く苗 来る苗 ~バラの手入れ(2)~初めての地植えも~

2013年12月23日 | バラの手入れ
毎年、12月の半ばになると、アンの庭でも冬の剪定や植え込みを行っています。

今年も4本の新しい苗がやってきました。冬にやってくる、根っこがむき出しの苗を「裸苗」
といいます。到着したらすぐにバケツに水を入れて根を浸けます。そして一晩、水に浸けて
吸水させてから植えつけています。

鉢に植える場合、苗の大きさにあった植木鉢を用意します。最低でも8号くらいの大きさの
ものを用意しています。。さらに根が太く、長いものは10号位の鉢を用意します。軽くて
扱いやすいので、長年プラスチック性のものを使っています。


鉢底石を敷いて、その上に園芸用土を全体の3分の1ほど入れます。そこにバラの肥料を
混ぜ込みます。その上に中高になるように土を少し被せて根を広げるように入れ、そこに
土を入れて植えこみます。
  

鉢の上部の5cm位下にある線を目安に土を入れます。ウォータースペースといって、
水やりをした時に土がこぼれてしまわないように、空けておきます。又、苗の継ぎ目が
土より上に出るように植えています。最後にしっかり土を抑えます。水を鉢底から流れ
出るくらいやって完了です。あとで気づいたのですが、真ん中の苗で枝の先が黒く変色
しているのがありましたので、そこはカットしました。

  

ここからは、育てている鉢バラの剪定です。

ハイブリットティーの最初の品種「ラ・フランス」です。花の枝をカットして、直立性なので
2分の1ほどに剪定しました。
 

イングリッシュローズの「アンブリッジローズ」です。これも直立性なのですが樹高が低いので
2分の1よりは長いめに剪定しています。普段はきってしまうのですが、固い花の蕾があったので、
この時点ではまだ残していました。
 


イングリッシュローズの「コーヴェデール」です。鉢でも大きく育っています。上から全体の
3分の1を剪定しました。
 


これもイングリッシュローズの「ジェームズ・ギャルウエイ」です。とても大きくなっていますので
上部の3分の1を剪定しました。
 

このように、育ち方によって剪定する箇所を変えています。直立性のものは、2分の1の強剪定しますが、
イングリッシュローズの半つる性のものは、上部の3分の1剪定にしたりして、性質もありますが、育ち
具合によって、切り方を変えています。、大きくしたいものは、最初の年度はあまり切らずにしたりもしています。
つるバラは、太い幹を大切にし、夏から秋にかけて伸び放題にし、先端だけを少し切って、誘引しています。

壁面に這わせている「ロココ」も枝をできるだけ、地面に対して平行になるように止め、先端を下げています。
右の写真のように、ほとんどの鉢の剪定を済ませました。
 

このようにして剪定を終えた直後の12月7日の様子です。


また今年は、育てていたバラのうちで、地植えにしたいものがあって、広いお庭に植えるのを
引き受けて下さる方があり、3本のバラがお引越ししました。

12月12日植え込みにお伺いした時の様子です。大きな穴を掘っていただきました。苗の間隔は
50cmほど離しました。バラの肥料と腐葉土を混ぜ込みます。その上に土を被せて、直接肥料に
根があたらないようにして植えつけました。

 

 

地植えでも 苗の継ぎ目は土より上にして植えこみました。最後に水をたっぷりやって完了です。
 

 

お家の方にも、お友達にも手伝ってもらって、記念植樹になりました。


さて今年の冬は、アンの庭でツツジが長年植わっていたスペースに、バラを地植えすることにしました。
ツツジは、バラ3本とともに、広いお庭に植えていただくことができて、とても感謝しています。

地植えしたバラ。前から
「アンブリッジローズ」、「ア・シュロプシャー・ラド」、「ジェームズ・ギャルウエイ」
です。

12月23日 今朝の様子です。
  


新しく来た苗、貰われて行った苗、元気に冬越しをして、来春それぞれの場所で笑顔を見せて
咲いてくれることを願い、今年を振り返り、来年を想う冬至過ぎです。











12月の庭 バラの手入れ(1)

2013年12月23日 | バラの手入れ

今年の冬は、例年よりも早く寒くなっているように感じます。
いつもは、15日過ぎから剪定などの手入れを始めるのですが、
今年は早めに行いました。

秋の花が咲いた後の枝は、花柄を摘んだだけになっていたものや
5月に一回だけ花が咲く一季咲きのつる性のバラは、伸び放題に
していました。

まだ緑の葉が沢山残っていますが、そろそろ触ったり風が吹けば
落ちる状態になっています。

  

毎回、剪定で気をつけていることは、バラ自体の持つ樹形を見て、
それにあった切り方をするように心がけています。

バラの樹形を分けると 3タイプに分けられます。

●ブッシュ(木立性)・・・・枝が直立して育つタイプ。品種として
 ハイブリットティー系統・フロリバンダ系統・ミニチュア系統のバラ

●シュラブ(半つる性)・・・枝がしなだれるタイプ。
オールドローズ・イングリッシュローズの大部分・モダンローズの一部。

●クライマー(つる性)・・・枝が長く伸び、寄りかかって、這って成長するもの。

                
その切る場所は、バラの育ち具合によっても変わりますが、おおよその目安として
前年の開花枝を2から3節残して切る。
太い枝、堅い枝は浅く、細い枝、柔らかい枝は深く切る。

ブッシュタイプは、ハイブリッドティーは、大きい花を咲かせるために 樹高の2分に1のあたり。
例、120cmに伸びたものなら60cm~
          
フロリバンダは、沢山咲かせるために やや浅いめに上から3分の1のあたり。

ミニチュアは、樹高の2分の1、樹高が1mになるようなポリアンサなどは上から3分の1程度にします。

シュラブタイプは、2分の1ぐらいを目安にします。

クライマータイプは、フェンスや、アーチ、ポール、トレリス、パーゴラ、オベリスク ベッド仕立てなど
いろいろな仕立てかたがあります。

冬には、これまで誘引していた枝をすべて取り外し、最初から仕立て直します。根元から出た新しい枝(ベーサルシュート)や若い年数の枝で這わせるのに必要な本数を確保できたら、古い幹を元から取り除きます。

足らないときは古い幹から出ているサイドシュートを這わせて使います。
古い枝を使うときは、その年咲いた開花枝を2~3芽残して切り詰めます。

以上は、『バラを美しく咲かせるとっておきの栽培テクニック』(NHK出版)や、ローズ・ガーデン講座から
学んだことを基に書かせていただきました。