オーストラリアに住んでみれば

南国暮らしに憧れて、住み始めたオーストラリア。
住んで、暮らして、初めて分かる、色々な体験談をお披露目します。

オーストラリア 幼稚園、保育園 事情

2018-01-10 22:54:11 | 日記
オーストラリアも、幼稚園や保育園があります。


私は幼児教育課を出たので、日本の幼稚園で働いた経験がありますが、大雑把に言うと、


幼稚園は、幼児教育、保育園は、お母さんの代わりというのが主な目的と言う所でしょうか?


細かい違いはあるかとも思いますが、どちらも日本と似たようなものと感じています。



オーストラリアの幼稚園(プリスクール)は5歳から、


保育園(デイケア)は、園によって多少違いがあるようですが、0歳から入れます。


でも、先生の立場でいうと、大きな違いがあって、


両方とも、日本の先生のように、皆、達者にピアノを弾くわけじゃありません。


先生が音痴だったらどうフォローするンだろうと思います。


私が大学に通っている頃は、ピアノの授業が結構大変で、


子供のころからピアノを習ってなかった人は、かなり泣いてましたから、オーストラリアの先生が羨ましいのでは?



…それはさておき、



私はこういった保育園や幼稚園には、積極的に入れています。


何故なら、脳の発達の可能性無限大の幼児期。


出来るだけたくさんの経験をさせてあげたいけれど、


親が出来ることって、ああいう施設に預けるのと比べて、格段の量差があると思うし、


それに、2番目の子、Kaiが2歳の時、シングルマザーとしては、仕事を増やしたかったので、


マッサージの学校に通っていたからなのです。


その当時、ウェイティングリストに載せないとは入れないくらい、


ゴールドコーストでは人気があった”モンテッソーリ保育園にカイを入れました。


長男Akiは、ママに何の未練もなく、あっさりと保育園に行き、勇敢に


カラダの大きい、いじめっ子とも戦ってくれましたが、



下の子 Kai は、長男とは違う性格で、朝の別れの時


一言も文句も言わないし、泣かないけれど、


いつも、駐車場に向かって立っている園のフェンスの所に走って行き、


不安そうな寂しそうな顔をして、フェンスの向こう側から、私を呼ぶのです。


行くと、いつも、フェンスの周りに見える花を適当に指さして、 


“あのお花、とって欲しい”と言うので、


それで、その花をとってやり、小さな、手に渡してやると、一瞬、にっこりするので


その隙に、“じゃあ、あとで迎えに来るからね” と、後ろ髪をひかれながらも、逃げるように、立ち去る


のが、お別れの儀式でした。


バックミラーには、いつまでもこっちを見て、花を持ってフェンスにしがみ付いている Kaiが見えました。



ある日、いつものように夕方、迎えに行くと、Kaiが走ってきて、にっこり笑って、


小さな手を、私の目の前で開いて見せたのです。


そこには、私が朝、手渡してやった、“ねむの木の花”が、


Kaiの手のぬくもりで、湯気が出そうなくらいホカホカで、よれよれになってあったのです。


“ママ、待って” と言ってどこかへ走って行ったかと思うと、今度は、砂だらけになって、へなへなになった、


これも“ねむの花”があったのです。


園の先生が、“今日は一日中、お昼寝の時も、大事にそのお花、持ってましたよ” と仰ったとき、


にっこり笑うKaiの顔を見て、私は、涙が出そうになりました。




子どもは、3歳までに、その一生分の親へのお返しをしてしまうそうです。


もう、大きくなってしまった 私の子供たち。


あの、ちいさな手を握って一緒に歩いた思い出は、私の一生の宝物です。


因みに、あの時のねむの木の花は、押し花にして、今でも大切にしまってあります。