オーストラリアに住んでみれば

南国暮らしに憧れて、住み始めたオーストラリア。
住んで、暮らして、初めて分かる、色々な体験談をお披露目します。

オーストラリア 武道 事情

2017-07-13 19:03:31 | 日記
言ったこともあるかと思いますが、実は私はカンフー有段者です。

この黒帯はオーストラリアで取得したものですが、

実は、オマケで取ったようなものなんです。



今日は、そのことをお話しします。



最初にカンフーを習ったのは日本で、タンロン(カマキリみたいなやつ)でした。


先生は、某総理大臣のボディガードをやっている方の御曹司で、彼もかなりの腕前だったのです。


とある方が頼んでくださったお陰で、彼に教えてもらうことにはなったのですが、たいして何も教えてくれなくて、


でも、彼は、怖がるな、死ぬ気でやれ!という心構えを教えてくれました。


次に、Wing-Chun(ブルースリーがやっていた自己防衛の型) わが子と一緒に習い始めました。


そしてようやく、プリレベル(から、試合形式の試験になります)に合格し、黒帯の試験となった訳なのです。



試験は、2人の、上の有段者の審査のもとで、戦い、判定を受けるというものです。


私はこの試験に、何回も落ちています。



1回目の試験の時の相手役は、私のことを嫌っているErick でした。 (私は、時々男性から、意味もなく嫌われることがあります)


試験の時の相手役というのは、かなり実力がないと出来ない役柄です。



受験者に簡単に負けたら試験にならないし、何人もの受験者をこなせるだけの技術がある、強者なのです。



Erick は、初段者の中でも、2段を目指している男性で、日ごろから何かと私を目の敵にする嫌な奴でした。


Erick は一発目、遠慮なく、私の一番不得意とする正面パンチを食わせ、手を出す暇が無いまま、負けました。


私が、正面パンチをかわすのが苦手、、、、だって、早いでしょ?、、なのを知っているのです。



2回目の試験にチャレンジした時の相手役は、フェミニストの Steve でした。〝僕は女性になんて手をあげられないよ〝


ナンて言ってたくせに、足に一撃で、不様にこかされて、終わりとなりました。



3回目の試験の時の相手役は、3段じゃなくて、3級の若いRafelでした。



3級なんだけれど、実は、実力は有段者以上で、学校長にも、一目置かれていて、最近はずっと、


初段試験の対戦相手をやっていました。


試験の前も準備運動と称して、サンドバッグを蹴っている音が部屋中に響いていて、


私たち受験者は震えあがらせていました。




さて、私の番。


彼は、あれっというほど遅いスピードでパンチやキックを投げてくるのです。


手加減してくれている?


余りにも緩慢なので、審判官に、〝Rafael、 彼女は小さいけれど、強いから、もっと遠慮せずに攻撃して!〝 言われ、


〟Yes〝 と言ったものの、〝ここをたたけ〝とでも言うように、おなかにスキを最大に見せてくれたので、



そこを攻撃して、めでたく合格となりました。



実は、私はRafael とは時々、カンフーの事だけでなく、プライベートな事など話す間柄で、


前の先生に、〝死んだ気でやれ〝と教えられた、というと、


〝もう、死んでしまった気でやれば、何も怖くない〝と教えてくれたRafael、ですが、本当なら、


彼との対戦は、死んでしまっていると思っても、間違いなく殺されていたと思います。


〝Aggressive" なのが問題だった、と言っていた彼、いったいどういう子供だったのでしょうね?




黒帯になるような人というのは、練習も熱心にやっている人が多くて、皆、強い人と練習したがります。


私も、強い人と練習したいのですが、女性で黒帯は当初私だけで、お相手は男性しかいなくて、


(と、いうより、威力は有るんだけど、コントロールが悪いので、女性からは特に一緒にやるの、嫌がられていたと思います)


で、ご存知のように、オーストラリアの男性は大きい方が多いので、重すぎて…


というより、私が弱すぎて、棘上筋を切ったわけなのです。


近々、肩の手術をします。


やっぱり、弱い人が戦うと、無傷では済まないのでしょうねぇー。


しみじみと、女の体は、戦うようにはできていないナと思うのです。


ちなみに、



私が合格した後、次々と何人かの女性が挑戦しましたが、


例の Erick は、自分好みの女性には、すごくあまい攻撃をかけて、合格させているのを私は見ました。


〝彼女は、下手に見えるけど、君と違って、やることはちゃんとやってるからねぇー!〝


しばいたろか…



私の場合を含めて、日本ではありえないこと、ですよね???






Wing-Chunのマスターだけが世界中で一人、高段保持者であり、マスターが生きてらっしゃるうちに


高段者の試験に合格しないと、マスター並みに誰も教えられる人がいなくなってしまうので、各ブランチの上段者たちが、


教えを請い、修行に励んでいました。



今はもう何方かが、合格なさったのでしょうか?


どなたか、ご存知でしたら、教えてください。