つれづれなるままに心痛むあれこれ

知る事は幸福度を高める

日本政府の戦没者個人データ保管と靖国神社の「御祭神名標」データベース化の問題

2021-02-01 17:17:16 | 宗教

 日本政府は戦死者に関する個人データをどのように保管しているのだろう。陸軍に所属していた旧軍人の兵籍及び戦時名簿などの資料は第一復員省(陸軍省の後継機関)、地方世話部をへて、現在は本籍地所在地(敗戦時)の府県に移管されている。海軍に所属していた旧海軍の履歴などの資料は第二復員省(海軍省の後継機関)、地方復員部をへて、現在は厚生労働相社会・援護局に移管されている。ちなみにこれらの資料は軍人恩給遺族年金を支給するための基礎資料となっている。

 敗戦後、厚生省は戦死者の名前や身上に関する調査に基づいて、戦死者各人の戦没者カード「祭神名票」を作成した。そして、日本国憲法の政教分離原則違反行為であると知りながら(1985年11月6日の参院予算委員会で、野党議員の追及を受けた増岡厚相が『援発第3025号は不適切あったと認めざるを得ません。憲法に照らして違憲の疑いのあるような事はあってはならない』と認めた。)、これを靖国神社に送付していた。この事は今日、国民周知の事実となっている。そして、靖国神社は、この「祭神名票」に基づいて戦死者の「合祀」を行っていた事も同じく国民周知の事実となっている。

 ここで主権者国民にとって問題にしなければならない事がある。それは日本政府は、戦死者各人の個人データを保有しておりながら、それを国民には公開していないにもかかわらず、靖国神社には提供していたという事である。

 加えて、靖国神社は、1999年の「御創立130年記念事業」の一環として、遺族・崇敬者からの御祭神調査の問い合わせに迅速に対応するためとともに、永久保存を期すために「御祭神名標」のデータベース化を行っている事である

(2021年2月1日投稿)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 朝日新聞記事「私のイチオシ... | トップ | 織田信長が襲われたのは現在... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

宗教」カテゴリの最新記事