好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ベーム/ウィーンフィル/ウィーン国立歌劇場合唱団 他

2019-08-10 13:57:30 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…ベーム
演奏…ウィーンフィル
合唱…ウィーン国立歌劇場合唱団 他
好み度…5(5点満点)

これは、いい。初めてベームの真骨頂を聴いた思いがするし、ベームを聴いて初めて感動の念を覚えた。
厳しく、いかめしいようでしかし硬くならずに完成された響きの中に、激しさを内包した流れと、美しい艶と力強さと、そこから自然に生じるような美しく厳かな空気感と。
その響きからはベームとウィーンフィルの覇気が伝わるようであり、叙情楽章である第3楽章では清らかで深みのある響きが何とも美しい。
終楽章の独唱も立派で最後の四重唱ではアルトだろうかソプラノだろうか、目立って透明感のある女声が美しかったり、合唱は、いつも力みが感じられるこの合唱団が、ここではそのエネルギーは力みでなく力強さと熱と広がりに昇華され、基本的にゆっくりしたテンポの中、オケと合唱のからみも美しく、最後まで管弦合唱相まって厳かで力強く美しい響きは圧巻の類。
オーバーな演出がかった処理などなしに、真摯に厳しく向き合うことによってこれほどまでにこの曲の厳かさが自然に引き出されるものかと思わせられる、一級の名演だと思うし、こういう指揮者にウィーンフィルが贈れるだけの称号を贈ったのも頷けるような盤である。王道といった表現が浮かぶような名盤。


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