好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 フリッチャイ/ベルリン放送響

2014-03-04 23:11:11 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー
交響曲第6番「悲愴」

指揮…フリッチャイ
演奏…ベルリン放送交響楽団

好み度…5(5点満点)


他の悲愴とは一線を画す凄演。

全編を通して音にこもった緊迫感と密度が、まさに圧倒的にちがう。まさに天下の名演だろうし、似ている盤も他にない。
まさに唯一無二の名盤といえましょう。
この盤があって、悲愴におけるお気に入り探しは終止符を打ち、あとは他の演奏の個性を楽しめるようになった感があります。

第1楽章、あの有名な旋律の天から降るかのような美しい響き、展開部の空気をえぐるかのような低弦の響きと天を突くかのような金管の咆哮、重なり合う激しくも美しい弦の響き…。第3楽章で一度ぐっとテンポを落としてから終結へ向けてのテンポアップあたりは愉快なくらいだし、終楽章中盤はまた限りなく美しい。そしてその恍惚の後の慟哭での弦の響きの激しさと深さ…。
最初の一音から最後の一音まで、激しく力強く、この上なく美しい。全ての楽器の、全ての音に、全ての旋律に、思いが込められているかのように。

全編を通して、厚く、それでいて澄んだ音色で重なり合う弦は美しく、深く、金管の響きも申し分ない。遅めのテンポで丁寧に一音一音が作り上げられ、フリッチャイのテンポの揺れに縦の線を見事に合わせるベルリン放送響もまた見事であり、古い録音だが録音も見事。

まさに名盤である。

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