すき焼き(14): 台所(2)ガス台
玄関から見て、台所の一番手前にガス台が有った。
ガス台は一つだけであった。
我が家は一応都会であったので、都市ガスが来ていた。
その隣にはかまどが二連あったように思う。もっぱら、飯炊きに使っていた。
多分ガス台は相当後に取りつけたのであろう。
とは言え、おかずの煮炊きはガス台を使うのが常であった。
そのかまどの次に炊事場と言うか
水道の蛇口が付い . . . 本文を読む
すき焼き(13): 台所(2)台所の配置
その裏への少し手前から、
丁度、奥の間への上がり口付近に
台所が有った。
台所は土間であった。
京都は湿気が多いためか、
畳の部屋へ土間から上がるには
結構な労力が要る。
その都度土間では
下駄を履かなければならない。
家によっては
土間に、すのこ板を敷いて、
いちいち履き替える手間を
なくしている家もあった。
そうは言っても、
台所へ行くには . . . 本文を読む
すき焼き(12): 台所(1)家の配置
ついでと言えば恐縮であるが、
昔の我が家の台所は
当時の京都の長屋としては
標準的なものであった。
玄関から裏まで一本の細い通路が有った。
下駄ばき通路で所謂(土間)である。
その通路の行先デアル裏には.小さな庭が有って、
そこにトイレもあった。
水洗便所になる前ハその特有の匂いのために
居住区から離れているのが常であった。。
裏には荷は鬼門のため . . . 本文を読む
すき焼き(11): 卓袱台(4)
すき焼きと言えば、当然
「煮ながら」食する。
そのために、
コンロとか七輪などを
食卓に置くと言うか
設置することが必要である。
最近我が家では時々面倒なのか、
台所で煮たものを
食卓へ持ってくることがある。
これは全くの邪道である。
昔の卓袱台には
そのための仕掛けがあった。
何処の家でも
そうとは言えないかも知れないが、
卓袱台の中央は円形の板を . . . 本文を読む
すき焼き(10): 卓袱台(3)
卓袱台は何かと便利であった。
一人一人のお膳だと
料理を一人づつ分けて
盛り付ける必要がある。
しかし、
卓袱台では
中央に大皿に料理を乗せて、
後は
好きなように
好きなだけ
お食べ下さいと
言うことになる。
勿論食べ盛りの子供には
うれしいし、
嫌いなものも
決してノルマ的に
食べなければならないこともない。
時には好物なものだと
「これこれ」
「万 . . . 本文を読む
すき焼き(9): 卓袱台(2)
我が実家の卓袱台のポイントは「円形」であり、
「折り畳み」が出来ることであった。
当時としては、
ごく標準的な卓袱台である。
円形は確かに上座・下座の関係がない。
更に一人や二人増えても何ら問題はない。
少し詰めて座ればよいし、
座布団がなければ
誰かが座布団なしで座ればよい。
とは言え、
各家庭ではそれぞれの座る位置は
概ね自然と決まっていた。
食事中 . . . 本文を読む
すき焼き(8): 卓袱台(1)
すき焼きの話を始めるのであるが、
「すき焼き」だけでは
間が持たないところがある。
それで
当時のお膳・卓袱台、台所・炊事場の話等々
すき焼き/
食事等に関係する話題をも
併せてしようと思う。
我が家では「お膳」と言っていたが、
卓袱台と言うのが正式な名前であろう。
と言うのは
お膳は一人づつの食卓であるらしいからである。
ウイキペディアによると
次のよう . . . 本文を読む
すき焼き(7): まずは、語源のお勉強(2)
語源を見て見る。
魚介類を杉の箱で味噌煮にした
『杉やき』が有ったらしい。
ここでは魚介類がポイントである。
一方、農具の一つである『鋤』で
肉を焼いた鋤焼きがあった。
ここでは『肉』がポイントである。
特に肉の種類は拘らないようだ。
と言っても昔のことであるので
『牛肉』はご法度である。
魚以外の動物たんぱくを焼いたのであろう。
魚介 . . . 本文を読む
すき焼き(6): まずは、語源のお勉強(1)
「すき焼き」は
どうして「すき焼き」と云うのであろうか?
言葉「すき焼き」には
何処にもメインの材料である
「肉」なる単語は出てこない。
寄せ鍋風であるが、
道具である鍋も出てこない。
多分坂本九の
『上を向いて歩こう』が
米国で「SUKIYAKI」となり
大ヒットしたことを思うと
人気とその言葉とは
無関係なのかと思ってしまう。
関西のすき . . . 本文を読む
すき焼き(5): コンパ 席
コンパなどの時にすき焼きで
どこに座るかが問題となった。
七輪を中央に置く昔の方式の場合の話である。
七輪はガスコンロと違って
火力が場所によって若干異なる。
それは、炭の置き方と空気取り入れ口との
関係で決まってくる。
卓袱台は丸いので、
何処の席からでも等距離にある。
ここが円形の卓袱台の良いところである。
みんな平等なのである。
だから、一見座る席は . . . 本文を読む