電車の運転-運転士が語る鉄道の仕組みー
元JRの運転士によって書かれた電車の蘊蓄物語である。電車と言っても元運転士の著作であるので、学者とか評論家の著書にはない重みがある。単に電車運転の技術的なことだけでなく、電車の運行・構造に関わる多岐にわたる諸々のことが書かれている。
読んで非常に楽しい本であった。
電車とか機関車は「さいら」だけでなく小さい頃の男の子には魅力的なことである。故郷の京都の自 . . . 本文を読む
図書館で本を探す(2008年9月14日)
最近の図書館は本を探すのは便利になった。図書館の端末から書名とかを入力すると、該当する本の一覧が出て来て、その本が貸し出し中か?、書庫か?、或いは又、その本の書棚が直ぐに分かる。いつものようにそうして読みたい本を探して該当する書棚へ行った。
並びから見ると、その書棚の上の方に有る筈であった。ところが、その本がないのである。係りの人にも探してもらった。その . . . 本文を読む
航空管制の科学(2007年11月3日)
書名は「航空管制の科学」であるが、「さいら」は「航空管制官の仕事」として読んだ。著者にはそう言う読み方は不本意であろうが、そう読んで、充分楽しめた本である。
第1部の「航空機を管制する」では実際の管制業務を実況中継に近い形で現場の話を中心にして、進んでいく。実は「さいら」は関空開港直前に管制施設を見学したことが有る。
一つは管制塔。此処は確かに見晴 . . . 本文を読む
勘定奉行 荻原重秀の生涯(2007年6月11日)
江戸時代と現在の官僚
歴史や時代小説に興味がないために、「萩原重秀」がどういう人物なのかこの本を読むまで、全く知らなかった。「新井白石が嫉妬した天才経済官僚」との説明的キャッチフレーズがあった。官僚に対して「天才」の形容は如何なものかと思いながら、読み始めた。萩原重秀は確かに経済官僚であること、しかも実に多種多様の仕事をしていることが分かる。そ . . . 本文を読む
雑誌に出て来た極短い書き物ですので、これを読書のカテゴリに含めるのは抵抗があります。この書き出しは「図書」に使うようになりました。著者は作家・書誌学者である。昔からの多くの書籍等から垣間見た旬の食べ物シリーズで今回は「鰹」の四方山話である。我が和歌山は「ケンケン鰹」で有名であり、興味がてらに読んでみた。実に色んな分野で鰹が出て来るのにまず驚かされる。それだけ昔から我が国では食卓を賑わしたものであ . . . 本文を読む
YS-11 世界を翔けた日本の翼(2006年10月18日)
戦後我が国が開発した近距離用中型旅客機YS-11の計画から、ラストフライトまでを様々なエピソードを入れながら簡潔且つ思い入れの著作である。この一文は読書感と言うよりは本の紹介に近い。
YS-11は私どもの世代では東京オリンピック、新幹線、高速道路の時期と重なり、「イケイケ ドンドン」の発展期の我が国の象徴として述べられる航空機である。 . . . 本文を読む
紀伊忍冬酒(2006年10月12日)
和歌山社会経済研究所の機関誌に載されていた「紀伊忍冬酒」を紹介しよう。正式な表題は「海内無双の紀伊忍冬酒」。最後に「酒」と有るので、その「酒」に惹かれて読んでみた。
表題の理解できるところから見てみる。「酒」は前述の通り。勿論「紀伊」は現在の和歌山方面の地名。直ちに理解出来たのはこの二つの単語だけ。情けない。恥ずかしいが「海内無双」という言葉は知らなかった . . . 本文を読む
浦島太郎(2006年10月3日)
雑誌に出て来た極短い書き物ですので、これを読書のカテゴリに含めるのは抵抗があります。この書き出しは「図書」に使うようになりました。
著者は今我々が知っている「浦島太郎」、八世紀の「浦嶼子」そして、中世の御伽草子の「浦島太郎」の三つの物語を紹介しながら、昔話の意味を考察している。しかし、浦島太郎の話が幾通りもあることを知ることだけでも私は面白かった。
浦 . . . 本文を読む
戦場で心が壊れてー元海兵隊員の証言―(2006年9月30日)
海兵隊員としてベトナムに従軍した著者は、任務を終えて母国である米国に戻ってくる。しかし帰国後の彼は、独立記念祭の花火・爆竹の音・ネズミの匂い等で敵の襲来に対する防御体制を辺り構わず取る。魚釣りの餌がベトナムでのヒルに似ているので、餌を付けられない。夜は突如として、銃撃戦の殺戮が脳裏に出て来て、恐れで目が覚めて暴れ回る。異常な行動が彼 . . . 本文を読む
光化学の驚異―日本がリードする「次世代技術」の最前線―(2006年9月23日)
私どもの世代は「光」は物理の分野で、「化学」・「生物」の分野でないとのイメージがある。光と化学・生物との接点はこの本でも少し触れられている「クロロフィル」による光合成の話くらいであった。尤も、「見ること」や「顕微鏡」も光の分野であるには違いないが・・・。
持ち合わせている「光化学」の知識は、最近になって、と言うか . . . 本文を読む
私が売られた日(2006年9月13日)
雨が強く降り、落雷の音が激しく聞こえる奴隷所有者のキッチンからこの脚本は始まる。その日は二日目の奴隷市である。奴隷である主人公「エマ」の所有主は博打で大負けして、農園経営から撤退を余儀なくされた。最後の財産である彼の所有する奴隷を売るための市である。その奴隷市に主人・その娘、そして馬車の御者を務める「エマ」の父親、「エマ」も子守として同行する。
その . . . 本文を読む
江戸時代ハワイ漂流記―「夷蛮漂流帰国録」の検証(2006年9月5日)
江戸時代に日本人として初めてハワイの地を踏んだ漂流者の帰国録を題材にした本である。その様な記録があることを広く世に出されたことに敬意を表したい。その帰国録は長崎で「禁を犯した」ための事情聴取書の他にも幾つかある。それぞれはそんなに長いものではない。その中には著者が発見したものもある。この本はそれらの史料間の異なるところ、共通 . . . 本文を読む
Q&A 男女共同参画/ジェンダーフリー・バッシング ーバックラッシュへの徹底反論(2006年8月23日)
読んだことは読んだのであるが、「さいら」マターではないのでブログの記事にするのか迷っている。
まず書名に出て来る単語の意味が良く分からない。「さいら」には難しすぎるのである。想定問題に模範解答する形式で殆どの部分が書かれているので、最初の「Q&A」部分はその本のスタイルを言っている . . . 本文を読む
エコライフ&スローライフのための愉しい非電化)2006年8月18日)
「非電化製品」は著者の新語だそうです。新語を造るだけでなく「非電化製品」の発明家でもあります。「本当に電化しなければ、快適な生活が出来ないのであろうか?」と言う疑問から始まります。
「電化製品の不思議なチグハグ」の章で良く家庭で使われている電化製品のチグハグさについて触れていきます。例えば、その作業量に比較して効率の悪い「 . . . 本文を読む
動物はしゃべらない(2006年8月10日)
雑誌に出て来た極短い書き物ですので、これを読書のカテゴリに含めるのは抵抗があります。そこに出て来る「ハダカデバネズミ」にまず興味がありました。著者は研究のために「ハダカデバネズミ」を飼育しています。如何にも英名を日本名にした様子から分かる通り、日本には生息していません。その名前の通り「前歯」が出っ張っていて、体毛がないネズミです。この日本名は分かりや . . . 本文を読む