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第73回 瀬戸市美術展

2020-11-05 09:55:53 | 陶磁

先日、第73回瀬戸市美術展が開かれた。

この美術展、各部門の大賞と市長賞に選ばれた人は2年間、無審査で出品できる。

前回、陶芸部門で大賞を頂いたので、今回出品されますかという内容の案内が来た。

せっかくなので出品することにした。

しかし、無審査だから適当に出品したと言われないようにと逆にプレッシャーが(笑)。

 

 

『炭化破れ花器』

 

 

破れ方は作為と無作為の組み合わせ。

ある程度破ってから、全体をほんの少し変形させる。これで本焼きしたらひびが入ることは計算済み。

ただ、どのように入るかは窯まかせ。出たとこ勝負。

運よく立てにスッと切れたお陰で故意に破った部分よりカッコよく見える(笑)。

 

焼き方は、炭化焼成。『還元落とし』とも言う。

電気窯にガス(バナーの炎)を入れて還元を掛ける。1250℃で焼成した後冷却に入る。

冷却中もガスを入れて800℃切るところまで還元する。すると、本体に炭素が入り込む(炭化)。

電気窯の便利なところは冷却スピードをプログラムできるところだ。

ガス窯だと温度を下げながら還元をかけ続ける微妙な調整が必要になり技術が必要。

一酸化炭素中毒にも気を付けなければならない。

 

 

焼き方はそうなのだが、色合いの方はひと手間かける。

本体に2種類の化粧土をリズムよく付けて素焼きする。

その後アルミナ釉1~2種類を刷毛で塗る。

このアルミナ釉は窯の温度では溶けないようにしてある。

なので焼成後、ワイヤーブラシやサンドペーパーできれいに取り除く。

すると下から作品のような色合いが生まれる。

 

難しいのは毎回同じ雰囲気に出ないところ。

釉薬の調整と焼成の兼ね合いは、いつも難しい仕事でどの陶芸家も苦労している所である。

 

受付で名前を言うと、借用書と言うものを受け取った。初めての経験。

 

チラッと見えたオブジェがなかなか立派。大賞候補だなと思って搬入を終えた。

会期中に見に行くとホントに大賞を取っていた。

来年は伝統の仕事にしようかな。完成度の高い作品を目指そう。

 

 



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