今回の内容は、アプローチの研修会にご参加頂きましたクライアントの皆さんに
向けてのフォローメールです。
長くなりますので数回に分けてご紹介してまいります。
優位性について
事業の成功を左右する最も大きな要素・要因について考えてみます。
自営業者、経営者がまず押さえること、それは自社の「優位性」です。
自分の事業において優位性が発揮できる分野の確保。
優位性って何?
ちょっと分りにくいな~、と感じる方は「強み」や「魅力」、あるいは
勝てる分野や範囲と置き換えましょう。
例えば…、
潤沢な資金があり(他社より)優位である
良質な商品があり(他社より)優位である
特別な技術やサービスによって(他社より)優位である
優秀な人材の存在によって(他社より)優位である
等々…。
皆さん自身、または組織の優位性は何でしょうか?
当然のことながら、複数の優位性があるほどチャンスは増加。
最も大切な優位性とは
~我が社には潤沢な資金、高品質な商品、技術、人材、その他…、
優位性!?なんてほど遠いと感じる人もいるかもしれませんね。
確かに上に上げた分野で優位性を獲得するのは困難です。
ただ最低限というか最大限というか…、
経営者が最も意識すべき項目…、
それは間違いなく【マーケット・市場】においての優位性です。
市場つまり見込み客(既存客)がいなければ、多額の資金投下も
世界一の製品も超プロ社員の存在など…そんなもの全く意味を持ち得ません。
今更、私が偉そうに言うまでもなく、
商売の鉄則は「お客様(見込み客様)ありき」です。
しかし、「市場での優位性を獲得する!?」ってどういったことでしょうか。
皆さんが日常生活の中で利用しているお店や業者を思い浮かべて下さい。
クリーニングを出すとき、一番最初に思い浮かぶお店
髪を切ろうと思った時に一番最初に思い浮かぶサロン
旅行の手配をする際に一番最初に思い浮かぶ代理店またはサイト
友人との食事会の場所として一番最初に思い浮かぶお店
その他、本、食材、雑貨、保険商品、洋服等々…。
それぞれの分野で思い浮かぶお店・会社・人がいると思います。
お客様の検索上位に組み込むことが出来なければ、市場からの求めが薄い
ということになります。
市場に対して優位性を持っているということは、「思い出してもらえる存在」
であることではないでしょうか。
少々幼稚な言い方ですみません。
お客様から思い出してもらえる存在になるためには…、
【お客様(見込み客様)】から忘れられない
その前(ため)に、
【お客様(見込み客様)】のことを忘れない
必要があります。
お客側は利用したお店やスタッフの対応履歴を記憶しています。
しかし多数を相手にしている店側スタッフはその一つ一つを記憶してない
ことが多い。
「お客様のことを忘れない仕掛け(仕組み)」
を昨年より前月より進化させることが重要です。
その仕組みについてご紹介するのはブログでは限りがありますので、
また研修会の機会に。
流動する市場
お客様(見込み客様)の集合である【市場】は企業にとっては一番の
【資産項目】です。
しかしこの資産項目は、最も流動性が高い。
金庫の現金や通帳の残高が理由もなく一瞬で消失することはありませんが、
客離れの現象は突然起こり、一気に加速します。
私も過去に大変生産性の高い組織にいましたが、
あるきっかけで市場(見込み客)が激減し、アレヨアレヨという間に組織は
30分の一の規模に縮小しました。
当時、その下降の勢いは一瞬の出来事の様に感じました。
顧客の高齢化、顧客の業界の変動、同業他社の進出…など様々な理由により
現在の市場は数年後(あるいは数か月後)には減少または消滅します。
常に新しい市場を開発する仕掛けが必要になってきます。
ベドーガー氏の教え
工場生産に置き換えるならば、市場は「材料」に過ぎません。
その材料を加工し製品化する必要があります。
質の良い材料も持っているだけでは、後に不良在庫化します。
同じく市場を持っているだけでは意味がありません。
市場から利益を生み出すための「アプローチ」が必要です。
米国で生命保険販売において、偉大な成果を上げたフランクベドガー氏は、
「営業の仕事は、毎日4~5人の見込み客に熱心に保険の話をすること。
このことに尽きる」と著書の中で語っています。
ごくごく単純な事ですが、実際はこれがいかに難しいか!
営業の仕事が向いていないと言う人の多くは、アプローチの段階で苦手意識
を持っていると思います。
しかし、逆に言えばここで優位性を発揮出来たら?
私は研修会でよく、「Aランクの見込み客にのみ商談をする」と
お伝えしてきました。
その為の手法については、研修会で度々触れてきましたのでここでは
除きますが…、
毎日4~5人にコンスタントに話ができるか、そしてその人たちを
Aクラスにできるかどうかは「アプローチ」の中身次第です。
商談(商品説明)力は、時間の経過と共に誰でも習得できます。
工場で加工の初段階で失敗すると後作業が大変になるのと同じく、
アプローチで失敗するとクロージング率は上がりません。
しかし「アプローチ」は、流動する市場状況と常にリンクしているので、
それに合わせて改良・改善する必要があります。
ベドガー氏と同じく各業界のトップセールスマンにはアプローチにおいて
共通点があります。
それは…、
「ワンパターン化」。
彼らは同じアプローチトークを繰り返しています。
私は営業の仕事を始めたばかりの頃、この事が理解できませんでした。
「相手によって変えるべきでは??」
と単純に考えていました。
あるとき、だまされたと思って当時トップだったセールスマンの
基本アプローチをそのまま真似てやってみました。
そのやり方は正直、私にはしっくりこないものでした。
しかし!!
見込み客にはしっくりきたようで、(内心ぴっくり )
その後、面白いようにアプローチの成功率が上がったのです。
実践しながら気が付いたことは、
はじめしっくりこなかったアプローチ手法が次第に自分らしく表現でき
るようになったことはモチロン、
相手に合わせた適切な応用が咄嗟にできるようになっていきました。
自分のやり方に固執していると、いつの間にか【市場】から離れている
ということに気が付きました。
次回に続く…。