川塵録

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鈴木エイト氏への反論 -政治家は家庭連合と関係をもつべきではないのか

2024年08月27日 | 政治
 鈴木エイト氏が、「私は家庭連合を過大評価してないよ、煽ってないよ」的に弁解したXのポストで、

宗教法人法第81条に基づき解散命令が請求されるような団体と政治家が関係を持つべきでないのも当然のこと。

って言っている。


一理はあるけど、そうかな。ほんとうに「当然」なのかな。

宗教法人の解散命令は、行政事件。刑事事件ではない。だから、有名な「疑わしきは被告人の利益に」っていう利益原則がそのまま当てはまるわけではない。

しかし。

そもそもなぜ利益原則があるのか? 刑事事件で死刑とかになっちゃうと、それは大きな(ってか最大の)人権侵害だから、手続は、チョー慎重にやろうぜ、ってこと。

だったら、その「重大な不利益を与える手続は、それなりに慎重に」って考え・趣旨は、解散命令請求にもあてはまる。

宗教法人法81条が、解散の要件として、「著しく公共の福祉に反する行為をしたことが明らか」っていう、メチャ高いハードルを課したのも、ほとんどこの利益原則(疑わしきは宗教法人の利益に)を採用したようなもの。

実際、最終的に解散命令が(最高裁で)下るまで、解散命令請求をされる宗教法人は、存続できて、普通に宗教活動ができる。

この制度設計自体、ほとんど、「疑わしきは被告人(解散命令請求対象法人)の利益に」っていう近代法の大原則を採用したといえる。

そうであれば、エイト氏が言うように

宗教法人法第81条に基づき解散命令が請求されるような団体と政治家が関係を持つべきでないのも当然のこと。

とは言い切れない。

たしかに、私が仮に政治家であれば、解散命令請求の対象となる法人とツーカーで仲良くなるのは、あんまり世間体がいいものではない。

ただ、数年後(おそらく今から2年後)の最高裁まで、最終的に解散命令が下るかどうかわからないのだから、この利益原則からすると、「政治家が家庭連合と関係をもつべきでないのが当然」とは言い切れまい。

しかも、オウム真理教のように、29人を殺した団体ではない。
文科省が最初にいい出した「組織性・継続性・悪質性」のいずれをも家庭連合は争っている。

  1. 顕正会はこの25年で12件の刑事事件を犯していますが、家庭連合は、この60年で、ゼロ件。
  2. 詐欺や強迫を理由に、意思表示が取り消されたことも、この60年で、ゼロ。
  3. 2009年にコンプラ宣言をしてから、その後の献金に民事裁判がくだされたのは、1件のみ。

こういう団体につき、「政治家が関係をもつべきでないのが当然」とは私は思いません。

実際、浜田聡参議院議員は、それなりの「関係」を持っています。エイトさんは何も言っていませんが。。。

 後記:
 どの政党にも、「刑事事件の被告になった被告人と関係をもつべきではない」という党則はないはずです。
 「疑わしきは被告人の利益に」という利益原則を採用しているようなものです。
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