川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

陽明学の最新刊

2024年08月28日 | 古典・漢籍
良い本に出会った。

ってか、陽明学徒の私としては、陽明学に関連する本はみんな「良い本」なんですが。


いくつか取り急ぎ引用。

■ 筆者が、かつて、苦学生のころ、大塩平八郎の本を買いたいけど、お金がなくて変えずに、古本屋で逡巡していたら、、、



「大塩平八郎を勉強しようという人だったら、しっかりお金を払うことは間違いない」

どれだけ平八郎、信頼されているんだ、、、

すごいですね。

私も200年後くらい、私の本を買おうと思って逡巡している人に、本屋の店主が「中山達樹を勉強しようという人だったら、間違いない」と思われるくらいになりたし、、



三島由紀夫が武士道を論じて
  1. Self-respect 
  2. Self-sacrifice 
  3. Self-responsibility
って言っていたんですか。

さすが三島。いい3要素。

■ 以下は、熊沢蕃山の、君子の特色8箇条の一つ。



上記に続くのが、これ。



神も、天も、同じ意味で使っている。江戸時代中期の人だから、熊沢蕃山にはキリスト教は全く入っていないはず。それでも「神」って言葉を使うんですね。

■ その熊沢蕃山(17世紀半ばの人、1650年くらい)が、以下の「人君は民の父母」って言葉を使った。



ピンと来るのが、JFKが尊敬した唯一の日本人、上杉鷹山。

内村『代表的日本人』にも、藤原正彦『藤原正彦の代表的日本人』にも、両方に載っている代表的な日本人は、上杉鷹山だけ。

その鷹山の鷹山たるゆえんは、17歳の君主就任時に「主君は民の父母」って歌を詠んだこと。

 受けつぎて 国のつかさの身となれば 
  忘るまじきは 民の父母

その鷹山の、100年も前に、熊沢蕃山が「人君は民の父母」って言っていたんですね! 

蕃山好きの私もこれは知らなかった。勉強になりました。

熊沢蕃山→?→細井平洲→上杉鷹山って系譜で、「人君は民の父母」が伝わったようです。蕃山、恐るべし。

■ 「人を相手にせず、天を相手にせよ」と西郷南洲がいう。

 その「天を相手にする」ってのは、どういうことかというと、「自らを欺かない」こと。



■ 大塩平八郎の座右の銘は、「慎独」と「山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し」なんだ!

私も大好きな2つ。朝2時起き、って朝早起きと同様、大塩平八郎には親近感しか感じない。



■ 以下は松蔭の句。

世の人はよしあしこともいはばいえ
 賤(しづ)が誠は神ぞ知るらん
 
…賤、ってのは一人称の謙譲語。それがし、みたいな意味。

こんな歌が松蔭にありましたか。

世の人は我を何とも言わば言え 
 我なす事は我のみぞ知る

 って坂本龍馬の言葉とそっくりですね。




■ 「狂」が大好きな松蔭の言葉。

 私ももっと狂わないと。

 論語でも、君子の価値として「狂」を2番目に置いています。



■ 高杉晋作の言葉。

 独歩登天の志。

 いいですね、独歩登天。

 シラーがウィリアムテルに語らせた「強い者は一人でいるときが, もっとも強いのだ」を思わせる。

 




 
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