横田予防医学研究所

現代医学で原因未解明とされている慢性諸病は
今だ本当に解明されていないのか?
その答えを述べたいと思っています。

日本再生論(その45)

2011-10-22 11:26:46 | Weblog
 健康の維持・増進、病気の予防・治癒の第二番目の砦が医師による医療です。
 “医学は日々進歩している”と良く口にされます。そして、一部領域の医学の進歩は目覚ましいものがあるのは事実です。しかしながら、大半の病気の根本原因を明らかとすることを医学界はまだ無し遂げられずにいます。
 病気の原因と発症のメカニズムとがハッキリ判らぬまま、どのように医療が行われているのかと言いますと、病気発症時に生ずる苦痛を伴う各種の症状を緩和することが治療の主要な目的とされて行われています(なお、上記しましたような方法・手段の採られるケースが多いのですが、新しい研究成果が得られるとともに、もっと治癒成果の上がる方法・手段が行えるようになっている種類の病気ももちろん幾つも存在します)。
 そこで、このような現在の医療を少し言葉悪く例えて言うならば、目隠しをしたまま手探りで治療が行われているようなものであるとでも言いうるかと思うのです。
 当然のことながら、人々が頼りとする医師自身がこのような確信の持てぬ治療を行っていたのでは芳しい治癒成果を上げることはなかなか難しく、実際その通りの状態になっており、一方経費は非常に多く掛かっているのです。
 もちろん、このような治療であっても数多くの患者さんは救われています。
 ただし、完全に助けられるのは、数多くおられる患者さんの中でもまだ体力に余力が或る程度有る者たちに限られています。
 体力の無い者たちは、長い期間外来に通い続け、あるいは、病床に臥せていてもなかなか良くならず、徐々にジリ貧の経過をたどるか、短い期間の後に治療の甲斐無く亡くなられるということとなっているのが現実の実態であるのです。

 病気の根本原因と発症のメカニズムが解明されるということは、あらかじめ病気に罹患することを防ぐ、窮極の理想の医学だと言いうる予防医学の実践を可能とします。また、もし誤って病気に罹患してしまった場合にも、病気の様々なステージ (段階)に於いて、至適の治療処置の方法・手段を持つことを可能とします。
 現状の医療に於いては、人類の最大の敵とも言える極めて強力な病気を治療するに際して、医師がこれに対峙するに当たって持つ武器の大半は、相変わらず対症療法と呼ばれるもので、軽度の病状の場合には、それでも自然治癒力という患者さんの体力頼みの治療でどうにかなるのです。しかし、重篤な病気では、その大嵐が頭上を無事通り過ぎるのをほとんど何もできずただただじっと耐え忍ばせるというような方法・手段しか無いという状態に近いのです(それどころか、原因が判らぬままに行われる医療では、むしろ治癒とは反対方向の処置が行われることもありうるのです)。

 病気という人類最大の強敵に対して有効な武器をほとんど持てぬ状態にある現在の医師たちの心中は極めて複雑なものがあると推察されます(なお、再三繰り返し述べておりますが、診療科の違いにより進歩の度合いには極めて大きな差異があります。したがって、このことは一律に述べられる問題では無く、主に慢性病を扱う内科の診療科のことを私は指摘していることになります)。
 このようなことを記していましたところに以下のようなニュースが入ってきました。

医学部定員、増員へ=医師不足で8年間―文科省時事通信 10月20日(木)19時45分配信

 欧米諸国に比べ人口10万人当たりの医師数が我が国の場合にはかなり低いということが主なる理由(その他、高齢化社会の本番の到来ということも理由の一つです)で、医学部の定員を増やすことが近年行われるようになりました。
 しかし私は、今後医師の数を多少増やす必要はあるとしても、少しおかしい点があるのではと感じているのです。

 それは、現状では病気の根本原因が解明できていない状態にありますゆえに、人々は健康の維持・増進、病気の予防・治癒の“なるほど!”と確信の持てる指針を医学界は提供できずにいます。それゆえに不確かな情報・知識あるいは、自らの欲望に任せた生活を送ることにより、私の目には日本人の大半が“病気になろうなろうとする生活を送っている”と映るのです。実際、病院罹患率世界一という状態にありますことがそれを如実に示しております。
 一方、医師の人々も、病気の原因を明らかとすることができぬ状態では、優れた治癒効率を有する根本療法を行うことができず、ほとんどのケースでその場しのぎの対症療法しか病気に対する武器を持てぬ状態にあります。このことは世界中がほとんど同じ状態にあります。
 そこで、病気の原因と発症のメカニズムとが明らかとされた場合には、治癒率や罹患率が大幅に変化することは十二分に考えられますことですので、こうなると医療の基盤の状態はまったく変わって来ることになるわけです。(続く)