横田予防医学研究所

現代医学で原因未解明とされている慢性諸病は
今だ本当に解明されていないのか?
その答えを述べたいと思っています。

日本再生論(その42)

2011-10-06 17:07:32 | Weblog
 我が国は今春、東日本大震災という大災害を経験致しました。原子力発電所の大事故という災害も同時に重なって発生しましたので事態は深刻で、その復旧・復興には莫大な経費が必要です。そのような事情もあって、来年度の予算規模は概算要求の段階で99兆円と膨れ上がったものとなっています。
 ただ、国家の抱える債務がほぼ1000兆円となり、毎年40兆円からの債務が増え続けていては、あと何年このようなままで持つのか強く危惧されます。その借金はほとんど自国民からのものだといっても、国民の総資産には限りがあります。その限界に達したらどこかの他の国に我が国の国債を買って貰うとでもいうのでしょうか?
 ところで、医療費は国の予算とは直接的には関係ありません。しかし、少子高齢化社会で国民一人当たりの所得が右肩下がりの今日、医療費が今後も今のペースで増加を続けるとしたら、近い将来今までのやり方を大きく変える方向に舵を切らざるを得ない事態を迎えることでしょう。

 さて先日、下記のようなニュース記事が報道されました。
国民医療費36兆円 09年度、3.4%増で過去最高(朝日新聞) - goo ニュース
 医療費総額に占める高齢者の医療費は、“年齢別では65歳以上が19兆9479億円と、全体の55.4%を占めた。このうち、「後期高齢者」に区分される75歳以上は11兆7335億円(全体の32.6%)。1人当たりの医療費は、65歳未満が16万3千円、65歳以上は68万7700円で、75歳以上は85万5800円だった”というのです。

 限りある生を宿命とする人間が、高齢となった際に体の各部に障害が発生するようになるのは当然です。ただそんなことよりも、広範な世代にわたる慢性病の蔓延、その症状の増悪化が起こり、病院罹患率が世界第一位と、病人の数が一昔前に比べ明らかに何倍かに激増していることが問題です。
 以前は、「健康保険料は支払っているのに病気に罹ったことが無い」という方がざらにおられましたが、今では病院に罹らぬ人までも、「ここが痛い、あそこがどうした」と、体のどこかしらに変調を来している人の方がざらであるように様変わりしてきています。
 このような事実の存在することはすなわち、近年の日本人の生活環境の根幹の部分に大きな誤りの存在することを示唆するものであり、病気の根本原因とも密接な関係が存在すると判断される現象です。
 したがって、生活環境の中に存在するこの病気を増やす原因が何であるかをハッキリと示さなければ病人を減らすことは望めません。
 その原因が何であるかは、ここ半世紀ほどの間の我が国の生活環境ことに食生活に於いて、それ以前と比べ大きく劇的に変わったことの中に答えは存在すると考えるのが順当でありましょう。
 さすればその答えは医学に素人の人々にも十分お判り頂けることであるはずです。

 そしてさらに、私が極めて問題であると感じておりますことは、「健康・生命は他の何にも代えがたい大事なものだ」ということを口にする人がほとんどであるにもかかわらず、何が原因でそれを失うことになるのかを真摯に考えている方が意外にもおられないのではと感ぜられることです。
 そんなことはあるはずが無いと反論される方は数多くおられるでしょうが、少なくも自らあるいは近親者が重い病気になるなど、差し迫った事態が出現しないかぎりはほとんどのケースで、何が原因でどうして病気になったのかを知識として知っていたり、詳しく調べるなどのことの行われていないのが実態でありましょう。
 実際、一般の人々のほとんどは、病気になったら専門家である医師のお世話になればどうにかしてくれるから良いと考えておられるようです。
 確かに医師は病気に関しての専門家であり、治療の経験も積んでおられます。しかしながら、医学界は大半の病気の原因を未解明だとしているのです。
 
 健康・生命は一番大事だと人々の思っているものを脅かす一番大きな脅威である病気に対し、このような態度しかとれないことは非常におかしいと感ぜられるはずです。
 もちろん医学の進歩が遅れているからには間違いありませんが、こと慢性病に関しては、その原因は“累積的な食生活の誤りにある”という結論に収束してから何十年も経つのです。
 毎日世界中で10万人からの人々が亡くなられているのですから、データは無限に近いほどあるのです。
 近世、医学以外の科学に於いては、創造的な発明や発見がなされ、そのことからさらにそれを土台に様々な科学技術の素晴らしい発展がなされています。解けぬ謎も、数多く研究者たちの努力で次々と解明されてきていることを私どもは良く見聞きして知っております。
 そのようなことに比して、医学界の歩みの鈍さに、人々は呆れているのか、あるいは、諦めを感じているのか、はたまたもっと違う感情を抱いているのか、良く判り兼ねますが、自らの一番大事としているものに正面向き合って考えることをいつの間にかしなくなってしまっているように私は感じます。
 このことは実に極めておかしなことだと私は思っているのです。(続き)