横田予防医学研究所

現代医学で原因未解明とされている慢性諸病は
今だ本当に解明されていないのか?
その答えを述べたいと思っています。

日本再生論(その41)

2011-09-27 15:40:53 | Weblog
 以下に述べることはこのブログに以前記したことがあると記憶していますが、私は、糖尿病という病名がこの病気の治療を成果の上がらぬものにさせていると考えています。
 すなわち、糖尿病は糖の代謝のコントロールが上手く行かず、血液中及び尿中に過量の糖が検出されるようになる病気です。そして、病名に“糖”という文字が入っていることから、糖質(あるいは、カロリー)の摂取制限や、糖の体内濃度をコントロールするホルモンであるインスリンに目が集中し、その他には目が行かなくなっているように感ぜられます。
 私ももちろん、このような物に注意を払うことは糖尿病治療に必須だと思ってはいるのです。
 ただ、糖尿病は膵臓病とも言いうる病気です。このような膵臓病だという判断を治療にも採り入れるべきだと私は考えているのです。
 膵臓という臓器はご承知のとおり、インスリン以外にもタンパク質や脂肪の消化酵素の分泌を主要な役割としています。
 ところが、近年の日本人の食事は以前に比べタンパク質や脂肪に非常に富む内容となっています。したがって、多量のタンパク質や脂肪を消化分解するために、その消化酵素の生産に追われ、膵臓は酷使されている状態にあると見られるのです。

 糖尿病治療に於いては摂取するカロリーを控えることが推奨されています。そして、カロリーが高い栄養素というと脂肪があります。しかし、タンパク質と糖質(炭水化物)は、脂肪に比べれば低いカロリーです。そこで、肉はタンパク質の食品であるからカロリーは低いと判断されていて、摂取制限が指示されておりません。
 しかし、上述しましたように、日本人の好む肉はサシ(脂肪)の豊富に入ったものでありますので、カロリーはかなり高いのです。したがって、このような肉を多量に摂取することは高カロリーの食事となりますので、糖尿病治療にとって適合したものでは無いものとなってしまいます。

 また、肉など動物性食品を多量に摂取する食事は、慢性病の根本原因である酸性腐敗便産出の頻度を高いものとしがちです。
 そして、酸性腐敗便の産出・吸収が生じた場合には、酷使されて活発に働いている組織・臓器には多量の血液が集まりますので、酸性腐敗便中に産生される有害物質であるタンパク性アミン類による傷害作用を強く受けることになります。
 したがって、肉食度の増した今日の日本人の食生活は膵臓の傷害を招き易いものであると判断することができます(人工透析を必要とする腎臓病の原因として、近年は糖尿病に起因する障害者手帳交付件数が全体の約4割と、この関係の原因疾患として第1位になったことは既に上述致しました。ところで、透析に際して血液中のタンパク質もかなり濾し取られてしまうことが起こるのです〔障害されていない腎臓では、血液中の大切な成分は一旦濾しとられても、再吸収されるメカニズムが存在するのです。人間の体のあらゆる組織はホトホト上手い具合に作られているのです〕。そこで、透析治療を受けた患者さんに対してかつては、透析で大量に失われたタンパク質を補給させるためということで、ステーキが透析処置後に診療所に於いて出されていたと私は聞いています〔ただし、この点に関して最近はどのようであるかについて私は知らないのですが・・・〕。この肉はサシがたくさん入った、味覚的に美味しい肉では無かったのでしょうが、失われるから補給すれば良いという短絡的な判断は、上記しました私どもの酸性腐敗便の研究成果からは、逆療法の間違ったものということになります)。
 また、父の阪大時代の恩師であり、日本の生化学の祖と讃えられている古武弥四郎博士から父は、アミノ酸の一種であるトリプトファンの異常代謝物質であるキサンツレン酸が膵臓を傷害するという同博士の研究成果について、君の意見はどうかと書面で意見を求められた際に、酸性腐敗便の研究成果からも、古武博士のご判断に賛同する旨のご返事をお送りしたと、私は数十年前に父から何度か聞きました。

 以上、カロリーの点、また、酸性腐敗便の点、さらに、酸性腐敗便の産出頻度が増すことからの異常代謝産物の点などからみて、動物性食品の摂取が増えるのと比例して、糖尿病の発症は高まる(また、糖尿病以外の慢性病もほぼ同様の傾向にある)と判断することができます。
 父からは、糖尿病に関しては、良い効果を持つという様々な治療を施しても、肉の摂取を制限乃至、時に禁止することを行わぬ限り、糖尿病の治癒は望みえないという言葉を再三私は聞かされました。
 ただ、今日の日本人の食生活は、どっぷりと肉食に浸かりきっていて、嗜好・食欲という点からこれを節制することがなかなか難しい状態となっています。しかも、糖尿病の原因としての肉食の密接な関わりについては、ほとんど無知な状態に置かれていますので、ますます糖尿病の予防・治癒を極めて難しいものとしています。
 5年毎の調査で糖尿病が30%余もの急速度で増え続けることに急ブレーキを掛けない限り、我が国の健康保険制度・医療制度の破綻は必至であると私は強く憂えています。したがって、病気の根本原因と発症のメカニズムとに関する情報を広く国民に啓蒙し、納得づくの節制が積極的に行われるような世の中となって欲しいと私は切実に願っているのです。
 病気の発症の根本原因は、医学(科学)的には酸性腐敗便の産出・吸収などでありますが、一般の人々に判り易い言葉に変えて申し述べますならば、“食欲”という欲望であるということになると私は結論しております。
 欲望を抑えることは極めて難しく、それ故に今日の慢性病の諸病の激増を生んでおります。ただし現在は、病気の根本原因と発症のメカニズムとに関する情報が人々に満足に知らされていない状態にありますので、これらのことに関して“なるほど!”と心底思える情報を知らしめることにより、人間の理性・知性に訴えた場合にのみブレーキは掛けられるであろうし、これしか方法・手段は無いと私は確信しているのです。