横田予防医学研究所

現代医学で原因未解明とされている慢性諸病は
今だ本当に解明されていないのか?
その答えを述べたいと思っています。

日本再生論(その20)

2011-05-20 22:51:15 | Weblog
 我が国では現在、“薬価改定”ということが2年に1回行われています。
 この制度は、健康保険制度で使用されているそれぞれの薬剤の価格を、その開発後の時間の経過につれて、段階的に引き下げて行こうとするものです。すなわち、薬価改定は、健康保険制度を長い先の将来にわたり維持できるようにということが目的で行われるようになった制度であるのです。なお、我が国の場合、医療費全体に占める薬剤費の比率が他国に比べ高いということから、他国の水準に近づけるということも動機の一つと考えられているようです。
 おそらく、健康保険制度が経済的に破綻しかけているから、大半の人々が先ずは切り詰めなければという発想をするので、このような制度が作られたのであろうと私は推測するのです。そして私も、薬価を下げることは場合によっては結構なことだと思っております。
 しかし私は、根本的にはそのような考え方は本末転倒の発想だと考えているのです(なお、対症療法薬に関しては、薬価改定が必要な薬剤が数多くあるのは事実だと思うのです)。

 何故ならば私は、病気を速やかかつ上手く治すことができれば、薬の価格よりもその薬が効くか否かの方が重大な因子であって、効く薬であれば医療費を大幅に減らすことが十分可能だと考えているからです。
 すなわち、上手く病気を短期間で治せる非常に良く効く薬は、たちまち病気を治し苦痛を取り去ることができます。したがって、人はその薬の服用を止めてしまいますから、製薬メーカーにとってはさほど儲からないものであるのです。
 そして、その薬が良く効くか否かを決定する鍵はもっぱら、病気の原因と発症のメカニズムとが明らかとされることに掛かっているのです。

 また、医師の場合、腕の良い医師は、現行の健康保険制度の下での稼ぎは余り良くならないのです。つまり、余りに腕が劣る下手過ぎる医師は、患者さんが段々と寄り付かなくなりますから論外ですが、余り腕が良く無い医師の方が、なかなか病気を上手く治せないので、患者さんは何度も繰り返し受診することとなります。したがって、今の制度の下では上手く稼げることになるのです。
 上手い医師は短期間で病気を治せて、社会全体にとって望ましい成果を上げ得ていながら収入は少なく、なかなか治せぬ下手な医師の方が収入の多いということは、健康保険制度の抱える大きな矛盾の一つだと考えられるものです。
 また現在、医療費がどんどんと急速度で増え続けております。このことの原因を現在はもっぱら高齢化社会の到来ということに負わせています。もちろん、高齢化社会の問題は医療費増加の大きな因子であるとは私も思いますが、現行の医療では病気を上手く効率良く治せないため、なかなか治らぬ病人がどんどんと溜まってトータルの患者数が膨れ上がってしまっている状態にあるということも、医療費激増の主要因であると私は考えております。そして近年、“医師不足”ということが盛んに耳にされます。このことも、病気を上手く治せぬ状態にあって、治りきりにできぬ病人と新たに病気に罹患する者とが合わさって、病気罹患者数がどんどん増えているという同根の問題が、医師数と患者数との間にアンバランスをまねくことが主要な因子で生じたものであると私は考えています。

 病気ことに慢性病の治癒率を大幅に上げ得る方策は私どもの研究成果などにより既に得られております。したがって、そのような情報を活用し、病気ことに慢性病の諸病の罹患率を例えば半減させるなど大幅に削減することができれば(なお、おそらく現時点では、「病人〔慢性病罹患者〕を半減なんて!できるはずが無い」と感ぜられる方が大半だと推測致します。しかし、病気の原因の判らない下で行われている医療と、原因が判った下で行われる医療とでは、患者数に倍ほどの差は十二分に生じうると私は考えています。なお、慢性病の場合には、個々人レベルでの努力が肝心でありますので、この部分の努力次第で治癒成果に大差が生ずると考えられます。このような事情がありますので、どれほど患者数を減らすことができるかを予測することは実際には難しいことであります)、適正な医師の数は厚生労働省が現在予測しているものよりかなり少なくて済むと私は考えているのです。