横田予防医学研究所

現代医学で原因未解明とされている慢性諸病は
今だ本当に解明されていないのか?
その答えを述べたいと思っています。

日本再生論(その21)

2011-05-24 15:47:47 | Weblog
 ところで、“薬価改定”がどのような基準に沿って行われているのかについて、私は良く判らないのです。
 私が強く感じていますことは、経済的破綻寸前の健康保険制度を維持することを一番の目的に、医療費に於ける支出抑制の主要手段として薬価引き下げが行われているらしいことです。
 もちろん、価格を引き下げる事も時と場合によっては結構であるケースが数多くあると私も思ってはいます。

 しかし、病気ことに慢性病の原因が医学界ですら未解明であるとしておりますため、芳しい治癒成果が上げられていないという現実があります。
 そこで、病気という敵と戦うに際して、何が有効な武器となり、何が余り成果の上がる武器と成り得ないのかを先ず良く考えて“薬価改定”は行われるべきだと私は思っているのです。
 そうでないと、現時点では非常に数少ない病気に対する有効な武器となる薬で、非常に良く効く良い薬だと医師の思っているものであってさえも、薬価改定の度ごとにほとんど一律かつ自動的に単価が引き下げられてしまうことになってしまいます。すると、製薬メーカーにとって余り儲からないか、さらには、損をしてまで製造を続けませんので、そのような薬は入手不可能となってしまうのです。

 私はかつてこのブログで、“盾と矛”の話を致しました(盾はもっぱら敵の攻撃を防御するための武器で、矛はもっぱら攻撃のための武器です)。
 現行の医療の場合、病気の原因を未解明だとしておりますので、病気という敵の攻撃をもっぱらかわすことで戦っています。
 我が国の場合には、自衛隊と言う立派な軍隊が存在するわけですが、建前は専守防衛ということになっています。医療の場合には、自衛隊に匹敵するような立派な武力を僅かにしか持てずにいるわけです。すなわち、医療(ことに内科領域)に於いては、盾に比して矛が極めて貧弱なものしか持てずにいるのです。
 ボクシングで言えば両腕で体をしっかりとカバーし、病気という強力な敵には撃たれ放題という戦法です。ただしこれも、モハメド・アリのように、相手の疲れを待ってから打ち倒すだけの武器を持った上での計算しつくした戦法であるのならとにかく、起死回生の決め業を持つのでも無く打たれっぱなしというのですから、病気という強力な敵との戦闘に於いて圧倒的に不利な状態がズーッと今も続いているのです。

 したがって、このような状態のままでは、対価効率の良い医療とはならないはずなので、薬の場合には、単純に安ければ良いでは済まないのです。
 “安かろう、悪かろう”という言葉や、“安物買いの銭失い”という言葉があります。そして実際、高価な品物の方が遥かに長持ちするなど、様々なメリットがあります。
 商品と人の健康や命とを同等に並べて述べることには少し問題がありますが、命が掛かるケースでは“安かろう、悪かろう”では取り返しのつかない事態も生じうるのです。
 すなわち、結局は病気の原因を解明することにより、原因に対してできれば直接的、あるいは、例え間接的であっても、原因を無くす方向に導く作用を持つものを見つけ出すことが、医療にとっては極めて価値あることであるのです。