横田予防医学研究所

現代医学で原因未解明とされている慢性諸病は
今だ本当に解明されていないのか?
その答えを述べたいと思っています。

日本再生論(その59)

2011-12-18 09:41:37 | Weblog
 免疫と自己免疫とでは何がどのように違うのか?・・・この点について、医学に素人の方はもちろん、医学の専門家の間ですらも曖昧な判断・解釈がなされているように私は感じています。
 例えば、『ウィキペディア』には、“自己免疫疾患(Autoimmune disease)とは、異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称。”という風に記されています。
 すなわち、免疫系(体の防御システム)の異常で、外来の異物だけを限定して認識・排除する役割のものが、或る意味の暴走を起こして、自分自身までをも攻撃してしまうようになることという判断をしています。
 しかしこのような解釈をしていたのでは、なぜ暴走するようになるのかその理由がまったく判りません。もちろん、この点は未だ未解明な問題であって、今後さらなる研究がなされるべき医学的課題であるということだということなのでしょう。

 ところで私どもは、自己免疫発生の主要な原因とそのメカニズムをも明らかにできたと確信する研究成果を獲得しています。そして、免疫と自己免疫との差異が生ずることについて以下のように考えているのです。

 すなわち、そもそも免疫と自己免疫との違いは、その抗原となる物自体に両者の間で根本的な差異が存在することによるものだと結論しています。
 すなわち、免疫に於ける抗原は外来の異物であって、自らの体を構成する細胞とその科学的組成や成分が相当大きく隔たっている物であると考えています。
 一方、自己免疫に於ける抗原は、自らの体の或る一部組織と極めて近しいものであると判断しています。ただしもちろん、自らの体の組織そのものは異物では無いので、これに対して免疫を生ずるということはありえません。
 そこで、では自己免疫の抗原はいったい何なのかというと、元来は自らの体を構成する組織の一部であったものが、何らかの原因で僅かに化学的変化を加えられたものであるということです。

 このような自らの体と極めて近しいものが抗原となってこれに対する免疫を生じた場合には、極めて厄介なことが起こるということです。
 以下の記述は、少し話は脱線することとなりますし、また、科学的な表現ではありませんが、まったくの他人との間での争い事が起きた場合よりも、近しい間柄の者との間で争い事が起きた場合の方が、問題はより深刻で極めて厄介であることと、免疫と自己免疫との関係は非常に似ていると言いうると私は考えています。
 すなわち、自己免疫の抗原となりうるものは、元来は自らの体の一部であったもので、自らと極めて近しいものです。そこで、このようなものが抗原となった場合、これに対抗すべく体内で産生される抗体は、本来であればこの抗原だけを攻撃する任務をおびているわけですが、この場合の抗原と正常組織とが極めて近しい関係のものであるため、その差異を識別することが難しく、抗原をやっつけると並行して自らの正常な組織をも攻撃し傷害してしまうということをしてしまうのです。
 したがって、自己免疫という自らが自らを攻撃することが起こり、時に極めて高度の傷害を生ずることとなるのです。(続く)