ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

支離滅裂

2016-09-12 07:17:27 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「不可解」9月3日
 『名古屋 中1自殺 いじめ一因』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、同市の第三者委員会が、『教諭が生徒から相談を受けることなく、生徒の変化にも気付けなかった学校側の体制を問題視し、スクールソーシャルワーカーら専門家の配置』などを提言したとのことです。
 何回読みか返しても、よく理解できませんでした。問題は、学校側の体制なのでしょうか。逆に言えば、どのような体制であれば問題は生じなかったと考えているのでしょうか。
 記事には、『クラスや部活動で教諭の適切な指導がなく、「規律の緩い雰囲気が生徒へのストレスとなっていた』とあります。これは、体制の問題なのでしょうか。学級も部活も、基本的に一人の教員が担当となり、指導・運営に当たります。すべての学級や部活を複数指導体制にすることは教員定数の面から不可能ですし、何人かの副担任、副顧問が巡回指導に当たることを制度化すれば、教員の多忙化は限界を超えるでしょう。
 我が国の学校制度は、基本的に一人の教員が自分の守備範囲については責任をもって運営管理するという前提で成り立っています。自分一人では学級経営も部活運営もできないという未熟な教員がいれば、その分、他の教員、現実には特定の教員に負担が集中するようになっているのです。ですから、一人一人の教員が、「普通のレベル」に達していることが重要であり、今回のケースでも、該当教員のいじめ対応力の低さこそ第1の原因として指摘されるべきだと思うのです。きつい言い方ですが、カスの教員を何人集めても、無責任体制が蔓延するだけなのです。
 そして、問題ある体制の改善策として挙げられているのが、SSWら専門家の配置、というのも首をかしげてしまいます。今回の時間は、家庭の貧困、保護者の養育能力のなさなどが主たる原因とはされていません。そうであれば、SSWの活躍の余地は少ないはずです。まだしもSCというのであれば多少は理解できますが、第三者委員会のSSWに対する理解不足が気になります。
 また、『部活動で外部指導者の派遣制度の充実』も施策としてあげられていますが、これも的はずれです。部活以外での生徒の様子を知らず、教員同士よりも連携や情報共有が難しく、学校の教育方針についての理解も浅く、保護者との関係も弱い外部指導員が指導に当たればいじめが防げるという理屈はどうしてなりたつのでしょうか。先のSSW活用と併せ、教員には期待しないという姿勢が感じられますが、それでは学校で起きる様々な問題の解決は遠のくばかりです。

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