悪ふざけも度を超すと命にかかわることもあるのだが、本人も、被害者も、そんな大事に至るとは思ってもみないことだったので、始末に困る。今年２月、日本三景の一つ、天橋立を望む公園の展望台で、恒例の股覗きをやっている男性の下半身を同僚が押したのだ。この男性はその勢いで、崖から転落し、重傷を負った。押した同僚も慌てて、崖下に男性を救いに行ったのだが、後の祭りだ。天橋立の股覗きは有名だ。この地を訪れた人は誰もがやる行為だ。天橋立傘松公園にある展望台は海抜約１３０メートル、そこからは天橋立が一望でき、股の間から逆さに見ると龍が天に舞い上がるように見えるという「股のぞき」は名物となっている。たぶん、これまでも多くの人たちが悪ふざけで、股覗き中の仲間を押してきたことだろう。多くは笑いあうことで収まるのだが、中には、崖まで落ちる人もいたのだろう。だから、崖の途中には防御ネットがある。今回は押し方がつよかったのだろう。防御ネットも役に立たなかった。今回のような事故では、いや事件では時には重過失致死罪もあるというから、悪ふざけも注意した方が良いということだ。（くちなし亭、2024.04.03）
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