朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

若返り因子

2015-12-22 23:05:06 | 21世紀
若返り因子
2015/12/23
 白澤卓二先生の、毎日新聞への投稿文章です。
 16世紀に描かれたルーカス・クラナッハ作の「若返りの泉」には、その水を飲むと誰でも若返るとされた伝説上の泉が描かれている。古くはアレクサンドロス大王としもべが若さを取り戻すために「暗黒の土地」に渡った時代から、人類が若さを追求する探検の旅が始まった。
 米ハーバート大エイミー・ウェイガース教授は2013年、高齢マウスを若返らせる因子を若いマウスの血漿から固定し、この探索の旅に金字塔を打ち立てた。さらに、米スタンフォード大のトニー・ウィスコレイ博士らの研究チームはこの因子を老齢マウスに注射すると脳が若返り記憶に関する認知機能が向上することを突き止めた。
 今回、米カリフォルニア大サンフランシスコ校のピーター・ガンツ博士らの研究チームは、この因子にヒトでも心疾患による死亡率を下げる効果があることを示し、話題を呼んでいる。 研究チームはサンフランシスコ在住の虚血性心疾患の既往症がある高齢者男女928人の血液中の若返り因子の濃度を測定したあと、約9年間追跡調査して心臓病の再発率と死亡率を検討した。
 その結果、若返り因子の血中濃度が高かった高齢者は、低かった高齢者に比べ、心臓病の再発率と死亡率は半分以下に抑えられていることが分かった。
 更に研究チームは、ノルウェーの高齢者調査研究でも同様の結果を再確認した。
 これまでのマウスを用いた実験で、この若返り因子の心臓保護作用は確認されていたが、ガンツ博士ははヒトでも虚血性心疾患の再発や死亡率を抑える作用があるだろうと推察する。 この因子が若返りの薬として使われるようになるには、さらなる研究を要する。だがこの因子の血中濃度を上げる薬物やサプリ、食品も高齢者の肉体の衰えを逆転させる可能性があり、一層の研究が期待されている。
(白澤卓二・元順天堂大大学院教授 毎日新聞10/22 夕刊)
 若返りの薬、健康寿命を延ばす薬は、本当に出来そうですね。うれしいことです。
 若返り因子と言う概念を、私達は頭に置いて、若い人達と付き合うこと、勉強すること、遊ぶこと、空想すること、討論すること、未来を考えること、が老化防止の対策になるかもしれない。 オキシトシン・セロトニン・メラトニンなど、老齢化すると減少するホルモンなども効果が期待できそうです。
 挑戦することが、第一と言う気もします。
 若くあろうと、理想を掲げても、何も行動しなければ、変化はありません。若くなるための挑戦行動は、若返り因子を働かす原動力だとして、学んだことを実行することにしています。
 現在私は、腰痛・歩行困難・透析治療を行っています。同じようにベッドで横たわっている仲間を見ていると、あまり話もせず、固い表情で、他人を寄せ付けない感じの人も多いです。私は、透析で体内老廃物を排出出来るチャンスをもらったと、喜んでいます。腰痛の位置が変わり、痛みが激しく、自動車運転出来ず、タクシーで通う時もありますが、痛みは好転反応だと喜んでいます。
 若さ因子 自分で作る これ大事      挑戦は 若さを作る 行動だ

セルロースナノファイバー

2015-12-22 00:08:17 | 21世紀
セルロースナノファイバー
2015/12/22
 今年3月「森のノーベル賞」と呼ばれるスウェーデンのマルクス・ヴァレンベリ賞を、史上初めて3人の日本人が授賞した。日本どころかアジアでも初めての快挙だ。
この賞は、森林や木材科学における基礎研究や利用技術の研究開発を奨励するため1980年に誕生した。ノーベル賞と同じくスウェーデン国王 から授与される栄誉ある賞なのだ。ヨーロッパ最大の製紙・木材販売会社のストラ・エンソ社が設立したマルクス・ヴァレンベリ財団がつくったもので、授賞し た研究内容は、世界的に注目される。ちなみに賞金は、200万スウェーデン・クローナ(約3000万円)である。
さて今回の授賞者は、セルロースナノファイバー(CNF)の画期的な製造技術を開発した東京大学大学院農学生命科学研究 科生物材料科学専攻の磯貝明教授、同じく齋藤継之准教授、並びに現在はフランス・グルノーブルの植物高分子研究所に所属している西山義春博士の3人であ る。
授賞したテーマは、「CNFのTEMPO触媒酸化に関する画期的な研究、および木材セルロースからナノフィブリル化セルロース(NFC)を高効率で調製する前処理方法として、この酸化を利用開発した業績」。
セルロースは、木質の重要な成分の一つである。この繊維が、場合によっては高さ100メートルの樹木を支え、屋久杉のように数千年も生き続ける素材 だ。そして法隆寺のように1000年経っても強度を保つ。このセルロースを超極細のナノレベルまで分離すると、セルロースナノファイバーと、さらに小さな セルロースナノクリスタルとなる。
すると鋼鉄の5倍の強さを持ち、比重は5分の1という軽量・高強度な機能を有するようになる。さらに低熱膨張性、生分解性、生体適合性、可食性など優れた特性を示す。また加工の仕方次第で透明なシートにもできるのだ。
ただ樹木からナノレベルまでセルロースを完全に分離するためには、これまで莫大なエネルギーと化学薬品を使用しないと難しかった。それが壁だったのだ。
ところが磯貝教授を中心とする3人のチームは、従来にない高効率でセルロースをナノファイバー化することを可能 にしたのである。特定の酸化反応を使用したところ、幅3ナノメートルという均一なナノ材料を完全に分離できたのだが、それに要するエネルギーは従来の20 分の1以下と劇的に低下させた。これは、産業化への大きな前進となるだろう。
今回の授賞は、その業績に与えられたのである。
おそらくセルロースナノファイバーの実用化に大きな弾みとなるだろう。今回の授賞は、世界が注目していることを示しており、競争の激化が想像できる。
 うれしい話ですね。自動車のボデイがCNFで出来るようになれば万々歳です。
しかし、火災に弱いかな? プラスチック製品がCNFに置き換われば、地球は綺麗になります。こんな研究が行われているのは、さすが日本です。誇らしいですね。
石油が無くても、生きられる時代になりそうです。林業は次の時代の、先端産業に変貌しそうです。
 木材が 石油と同じ 価値になり     ナノにすれば すべてが変わる 新世界