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SFマガジン2016年4月号


SFマガジン2016年4月号 №714

雫石鉄也ひとり人気カウンター

1位 スティクニー備蓄基地  谷甲州
2位 突撃、Eチーム     草上仁
3位 烏蘇里羆        ケン・リュウ 古沢嘉通訳
4位 熱帯夜         パオロ・バチガルピ 中原尚哉訳
5位 二本の足で       倉田タカシ
6位 やせっぽちの真白き公爵の帰還 ニール・ゲイマン 小川隆訳
7位 七色覚         グレッグ・イーガン 山岸真訳
8位 電波の武者       牧野修
9位 overdrive        円城塔

連載

幻視百景(新連載)      酉島伝法
小角の城(第37回)     夢枕獏
椎名誠のニュートラルコーナー(第50回)
世の中はい爺さんと悪い爺さんでつくられていた 椎名誠
マルドゥック・アノニマス(第8回) 冲方丁
青い海の宇宙港(第8回)   川端裕人
ウルトラマンF(第3回)   小林泰三
近代日本奇想小説史[大正・昭和篇](第26回)  横田順彌
SFのある文学誌(第45回)  長山靖生
にゅうもん!西田藍の海外SF再入門 西田藍
アニメもんのSF散歩(第9回)   藤津亮太
現代日本演劇のSF的諸相(第18回) 山崎健太

「スター・ウォーズ」と現代のスペース・オペラ映画(後篇) 添野知生
ランキングで振り返るSF出版70年 高橋良平×塩澤快浩(本誌編集長) 

デヴィッド・ボウイ追悼特集 変わり続けた男の物語

 今月号は読み切り短篇が9編。だから、いちおう「読む」ことはできた。で、楽しめたかというと微妙。上記の人気カウンター4位までは楽しめた。ところがそれ以下の5作は面白くなかった。
「スティクニー備蓄基地」フォボスのスティクニー備蓄基地が、不思議な「攻撃」を受ける。どうも「生物兵器」が使われたらしい。この作品未完。続きは8月号。なぜ一挙掲載しない。アホみたいな企画記事を削ってでも一挙掲載すべき。
「突撃、Eチーム」そのチームは超能力者のチーム。それぞれ「うそつき」「どろぼう」「暴力」の超能力を持っている。人に、うそをつく、人のものを盗む、人に暴力をふるう、こんなこと超能力者にしかできない。
「烏蘇里羆」親を殺し、自分の右腕を奪ったの巨大な羆に復讐するため、機械の馬に乗って追跡。陸上版白鯨。ケン・リュウ、吉村昭に挑戦。恐縮ながら小生も機械で羆と戦う話を書いている。
「熱帯夜」「神の水」のスピンオフ。小生は「神の水」は未読だが、この作品だけでも楽しめた。暑いコロラド。廃品回収業の母。取材する女。
 と、いうわけで、上位4作だけに言及する。
 早川から送られてきた封筒を開けてびっくり。デヴィッド・ボウイが表紙におる。間違って音楽雑誌が送って来たか?今まで50年近くSFマガジンを購読してきたが、音楽関係者が表紙になったのは初めて。(初音ミクは音楽関係者かな?)確かに、デヴィッド・ボウイはSFが好きだったらしいが、日本でゆいいつのSF専門誌たるSFマガジンが表紙に採用するのは違和感を感じる。表紙だけではなく、追悼特集までやっている。SFは文芸だ。SFマガジンはSF専門誌だ。こういうことは音楽雑誌に任せておけ。
「ランキングで振り返るSF出版70年」これ、日本SFにとっての重要なことではなく、早川書房にとっての重要なこと。こんなこと読者に知らしめてなんの意味がある。長年SFもんをやっている人は、人それぞれ自分にとってのSF関連重要なことがある。小生にもある。そのことは「とつぜんSFノート」でときおり触れている。かようなことは、まったく極私的なものだろう。出版社が有料の雑誌でやるべきことではない。したければ、無料のPR誌でやるべし。こんなアホみたいなことに頁を費やすのなら、谷甲州の作品を一挙掲載すべすべし。
 編集後記を読むと、「お詫びと訂正」が2件、まったく、2ヶ月も時間を取っているのに、まともな仕事ができんのか。



コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
一瞬どよめく! (アブダビ)
2016-03-16 23:00:40
おお谷甲州宇宙SFの新作か!
しかし…続きは二ヶ月後…こける。
二ヶ月後に図書館でまとめ読みをしますよ。谷作品の単行本なら高くても買うけど。
後の作品紹介を眺めて正直、「それがどうした?」の先入観が…

そういや「老人と宇宙」の作家の新作がノベルスで出てますね。そこそこ面白そうですが、恩讐星域を積読してる状況で、新たに購入する予定は立たず。

まぁ…SFのハヤカワも終ったか。
御愁傷様であります。
 
 
 
アブダビさん (雫石鉄也)
2016-03-17 11:57:21
この甲州の作品、目次にもなんにも書いてなくて、読んでいって最後に、続きは8月号って書いてありました。
2ヵ月後は待たせすぎですね。
彼の最新単行本で、このたびの日本SF大賞受賞作の「コロンビア・ゼロ」はいづれ読むつもりです。
 
 
 
管理人さん、ありがとうです! (アブダビ)
2016-03-17 23:57:34
恥ずかしながら(恥冷や汗!)、「コロンビア・ゼロ」の発売を知りませんでした。
もう、さっそく…書店に注文!
いやあ航空宇宙軍史の20年ぶりの再開でのいすか?
もっとSF者は騒げ!
しかも外惑星動乱のあれこれが解る一冊らしい!
Amazonを観ると、相変わらずの谷先生のガチな文体らしい!
もうワクワクしてまちどおしい!
でも…私の谷先生の航空宇宙軍史シリーズは、プレハブ倉庫の山脈の中で消息不明。
再読しといのに…
谷先生万歳!
 
 
 
目次にないって… (アブダビ)
2016-03-18 00:01:25
谷作品をリスペクトしとらんのかハヤカワは? 全くもってけしからん話です。
これだけSFが拡散してしまい、そして衰退しつつある今は「本物」を書ける作家を擁護するのが日本SFの母たる出版の務めではありませんか?
 
 
 
アブダビさん (雫石鉄也)
2016-03-18 10:03:22
私の書き方が悪かった。「スティクニー備蓄基地」は目次には載ってましたが、この作品が前篇とは書いてなかったです。
早川としても新人を育成するつもりはあるらしく、このところのSFコンテスト出身者の単行本を出す予定らしいですよ。
甲州ぐらいのベテランになると、ほっておかれてもいいんではないですか。
彼とはしばらく合ってませんが、元気と思われます。私もあんまりSF大会には行かなくなったし、甲州も小松市にひっこんであまり出てきません。機会があれがまた飲みたいですね。
 
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