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冒険者たち


監督 ロベール・アンリコ
出演 アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジョアンナ・シムカス

 青春映画の傑作である。1967年の作品だから、いまから40年以上昔の映画だ。それでも、この映画の持つみずみずしい感性は失われていない。名画は何年経とうが名画である。
 マヌーは冒険飛行機乗り。凱旋門を複葉機でくぐり抜ける事に挑戦する。ローランは自動車の技術者でドラッグレースのマシンを開発している。レティシアは彫刻家。鉄でオブジェを制作している。
 3人とも一流ではない。これからはい上がろうとしている。ところが、マヌーの凱旋門くぐりは失敗。飛行免許も取り消される。ローランのマシンは炎上。レティシアの個展は大失敗。
 夢やぶれた3人は、5億フランの財宝がアフリカのコンゴ沖あいに眠っているとの情報を得て、コンゴに宝探しの旅に出る。ネタばれになるが、お宝を彼らは手に入れる。ところがレティシアは、お宝を強奪しようとする一味に銃撃され死ぬ。ここまでが映画の半分。後半は、生き残った男二人が、レティシアの故郷を行って、レティシアが欲しがっていた、海に浮かぶ要塞島を手に入れる。その要塞島にも・・・。
 男二人と女一人という、定番の組み合わせの嚆矢となった作品。ワンピースのゾロ、サンジ、ナミ。スターウォーズのソロ、ルーク、レイア、緋牡丹博徒の藤純子、若山富三郎、菅原文太。明日に向かって撃てのブッチ、サンダンス、エッタ。
 男同士は親友。女も男二人と友達。男二人は彼女に気がある。ところが男二人は遠慮して彼女に、いい寄らない/寄れない。恋愛か友情か。男二人がとてもいじらしくかわいい。間の女も、二人と等距離を保つ、本当はどっちかに決めているのだが・・・。
 レティシアは若いが、マヌーとローランは決して若くない。宝探しをするにはいささかとうが経っている。彼らは宝を手に入れた。しかし、本当の宝を失った。宝は海の底から引き上げられた財宝ではない。本当の宝は、二人の手を離れ青い海の底に沈んでいく。そして、男はたった一つ残った宝までも・・・。
 一生に必ず観ておくべき映画が有るのなら、この映画はその内の一本だろう。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
雫石さんへ (るぅ)
2009-09-14 18:17:03
『これは名作だ、観ろ!』と自信を持ってすすめられる一本ですね、間違いなく。
昔は、こういう名作をテレビで放映してくれてたんですがね~。
DVDもいいけど、淀川氏・高嶋氏・白井氏・水野氏等の解説付きでテレビ放送で観てみたいものです。叶わぬ夢ですが…
 
 
 
るぅさん (雫石鉄也)
2009-09-14 20:50:14
そうですね。この「冒険者たち」は名作ですね。
こういう名作は、テレビ、それもできれば地上波でやって、できるだけ多くの人に観てもらいたいですね。
 
 
 
もう一つありませんでしたか? (アブダビ)
2015-11-15 00:21:08
私は潜水服が青い海に沈んでゆくシーンを何かで観て 見たくなりました。
それで名画座にかかった時に行くと、
二人の男と一人の女のぼうけんてはなかってのてす。
南米の小国出身のプレイボーイが、祖国に 戻って、革命を成功させ!栄光の絶頂に暗殺される…という話でした。
これも「冒険者」で、実際に硬派な冒険ドラマだから気に入りましたけど…
その後、本来の映画に到達してのは数年後でした。まぎらわしい邦題をつけるなよな
配給会社!
 
 
 
アブダビさん (雫石鉄也)
2015-11-15 04:53:04
私は、おっしゃる、もう1本の「冒険者」記憶にありません。コメントから推測するにチェ。ゲバラが主人公でしょうか。
 
 
 
おそらく (アブダビ)
2015-11-15 11:35:30
ハロルド・ロビンス原作小説の映画化と思われます。
落合信彦訳で「冒険者」
別な訳で「冒険に賭ける男」です。
 
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