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パーマネント野ばら


監督 吉田大八
出演 菅野美穂、江口洋介、小池栄子、池脇千鶴、夏木マリ、宇崎竜童

 ダメ男図鑑のような映画だ。どうしようもないクズみたいな男ばかり出てくる映画である。ゆいいつまともそうなのが、主人公なおこの恋人カシマぐらい。
 なおこは離婚して、子連れで故郷の漁村に帰ってきた。母が営む、町で1軒の美容院「パーマネント野ばら」を手伝う。
 なおこの幼なじみの友だち、ともちゃん、みっちゃん二人の男運は大変悪い。DV、シャブ中、ギャンブル狂、女狂い。なおこ自身も離婚の痛手から立ち直っていないようだ。カシマとの逢瀬で心を慰めている。
 男運悪い女3人の話だが、暗く悲惨ではない。男なんてなんぼでも代わりがおる、とでもいうかのようだ。友だちふたり、ともちゃんとみっちゃんは特に強烈、ともちゃんはやっと暴力を振るわない男をつかまえたかと思ったが、こいつがとんでもないギャンブル狂な上にシャブ中。とうとう山の中で野垂れ死に。みっちゃんはフィリピンパブの経営者。ダンナはヒモみたいな男。こやつが店の女に手をだす。みっちゃん頭に来て車でダンナを跳ね飛ばす。双方大怪我して入院するが、病院でも大喧嘩。
 なおこの母は再婚しているが、この義理の父は、母と別居、別のおばさんとくっつこうとしている。みっちゃんのおとうちゃんは、お金がなくなるとチェーンソーで電柱を切り倒してお金にする。おかげで町は停電。
 魑魅魍魎が跋扈する映画で、なおこだけまともそう。そのなおこはさみしい女。孤独を癒すためカシマと旅行に行くが、カシマ1人旅館から消える。なおこがカシマに電話するシーンがあるが、なおこの心情がよく出ている。
 原作は西原理恵子の漫画。原作も読んだが、漫画はキャラの描き方がモロで、小生の口には合わなかった。知人で漫画の方をを高く評価する人もいる。その人によれば映画は漫画の希釈版だそうだ。小生は、この映画のほうが、叙情性とコメディ、不条理がちょうど良い塩梅に仕上がっていた。


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