なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

糞便臭

2018年02月12日 | Weblog

 昨日は日直の後に病院に泊まって待機していた。朝起きたら雪が積もっていて、まだ降り続いている。天気予報では昼ごろ止む見込み。

 夜間特に内科の入院はなかった。テレビで高速道路が事故で通行止めというテロップが流れていたが、当院に救急搬入されていた。スリップして走行車線の左側のガードレールに衝突して、さらに中央分離帯に衝突していた。全身CTで明らかな骨折はなく、経過観察で外科入院になっていた。

 他の内科の先生が担当している82歳男性は、肺炎の治療を継続していた。昨日の夕方に、「腹部が膨満して口腔内に胆汁様の消化液が上がってきている」、と病棟看護師さんから連絡があった。この患者さんは横行結腸癌があって、まだ内腔は保たれていたが、便が詰まれば腸閉塞になる。

 とりあえずNGチューブを挿入した。挿入の時に嘔吐するかと思ったが、でくきるだけ吸引した後に、慎重にそおっと挿入したこともあり、幸いにも嘔吐はしなかった。黄土色の消化液が吸引されて糞便臭があった。大腸での閉塞と判断される。

 朝に病棟の看護師さんか連絡があり、挿入時から朝までで、NGチューブから700mlの消化液が引けていて、その後も引けて来ているという。点滴の追加はしますかという。ふだんより尿量が減っていたので、吸引された分を追加で点滴することにした(本来はあらかじめ点滴追加を指示しておくべき)。

 もともとADLが悪く、肺炎のコントロールがつかないので、手術はできない。放射線科の透視室に降ろしてイレウスチューブを挿入するのも厳しそうだ。明日ポータブルの胸部・腹部X線を入れた。

 歴史家の磯田道史さんの本を読んでいる。ベストセラーになっているので、だいぶ遅れた読者だ。磯田さんは中学生のころから古文書を読んでいたそうだ。けっこうテレビにも出ているが、素人が興味を持ちそうなテーマを、面白く解説してくれる。岩田健太郎先生のブログで、磯田さんの本(日本史の内幕)を始めて読んだが、めちゃくちゃ面白い、と絶賛していた。

 不明熱つながりで、野口善令先生の不明熱本(2冊出ている)を読むことにした。3月に江部先生の糖質制限のセミナーが東京であるので申し込んだ。日曜日の開催で、内科当番の都合をつけるのが難しいが、何とかしよう。

 

コメント
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